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スポーツ医学・研究

 

自律神経機能向上のためのバイオフィードバック訓練

心拍変動フィードバック

心拍数と血圧は、他の生理的システムと同様、健常人において複雑な変動パターンを示し、これらは複数の周波数振動で特徴付けられている。 これらの振動は、ホメオスタシス(生体恒常性)反射活動を反映している。 RSA(呼吸性不整洞脈:呼吸による心拍変動)振幅を増加させる為のバイオフィードバック訓練では、0.1Hzの付近でのみ心拍変動が最大化する。 この訓練目的を達成させる為には、ゆっくりとした呼吸で0.1Hz付近に呼吸数を合わせると、呼吸により引き起こされた振動(RSA)とその呼吸数で自然に発生する振動間に、一部圧受容体反射活動によって引き起こされる同調が起こる。我々は、この種のバイオフィードバックが圧受容体反射を働かせ、その為より効率的に機能させると考えている。 この方法を実行する為の資料が紹介されており、Lehrer, Smetankin, Potapova(2000年)共著の中に、この点についての説明データが提出されている。

特性と目的:

RSAとは呼吸によって起こる心拍変動のことである。 心拍数は吸気で増加し呼気で減少する。 これは、心拍リズム変動メカニズムの内のひとつである。 通常これらの変動はお互いに重なり合い、その結果心臓の自然のリズムを非常に複雑なものにしている。 RSAは時には、副交感神経の状態をみるための指標として使われる(Porges, 1996)。 呼吸に関係づけられる心拍変動は健常人においては通常0.15~0.4Hz(9~24呼吸数/分)の周波数帯で起こる。この周波数帯の心拍変動はしばしば、“高周波”心拍変動と呼ばれている。 同時に、0.05~0.15Hz(呼吸数3~9回/分)の周波数帯でも大きな振幅変動がみられる。 この周波数帯の心拍変動は、この周波数帯で非常にゆっくりと呼吸しているのでなければ呼吸数には関係していない。この周波数帯での活動は“低周波”心拍変動を意味し、交感神経系および副交感神経系の両方の活動によって影響される(Berntsonその他、1997)。 これは他の周波数帯の心拍変動よりも圧受容体反射活動により密接に関係している(Bernardiその他、1994)。

1.圧受容体反射は主に大動脈や頚動脈等大動脈血管の圧力の変化によって起こる。圧力が増えるか又は減るかすると、圧受容器がその変化を探知し、この情報を視床中枢に伝達しホメオスタシスを維持する為の反射を引き起こす。

より低い周波数帯(0.005~0.05Hz)での活動は交感神経による調節であり、血管張力と体温の調節を反映しているようである。 複数の周波数帯における心拍変動は自律神経の特定の源に関係しており、精神生理学上これらの周波数帯の心拍の相対的変化は、時には交感神経と副交感神経の勢力的バランスをみるのに使われる。しかしながら、この使い方は完全には妥当ではないかも知れない。 個々の周波数帯における心拍変動は、自律神経の調節による変調過程の反映のようにみえるが、自律神経の刺激活動の結果は常に同じではない。

Porges(1995)は、RSAと心臓の迷走神経刺激は組織的且つ規則正しく分配されていると指摘している。 一例として、新しい刺激を生体が目で見て感知し、その情報の“取り込み”を行う時の順応反射がある。 順応反射においては、迷走神経調節による心拍の減少が起こるが、それはRSAの停止と組織的に関連している(これらの反射は全ての動物で起こり、心拍数の減少は、しばしば認知心理学者によって特定の刺激に対する注意反応の有無の測定に使われている)。
このように、順応反射において心臓に影響を与える2つの迷走神経調節は同時に反対方向に動く。

血圧の上昇は副交感神経反応を引き起こし(たぶん交感神経活動を抑制し)、血圧の下降の場合は逆の反応が起こる。

Porgesは、この現象を“複合迷走神経理論”と名付けた。 彼は順応反射中の心臓除脈は、RSAが迷走神経の心臓への影響が調節されるプロセスを反映する為、一部RSAの停止による変動ではないかと理論付けた。 順応反射中この調節はない為、刺激を受けた心拍数に対する迷走神経の影響は増大し、心拍数の減少を生み出す。 彼は心拍数に対するRSAと迷走神経支配は脳幹のどこか異なった場所で、例えばnucleus ambignusとdorsomotor nucleusで支配されているのではないかと理論付けている。

Porges(1995)は更に、RSAは自己調節に関連している為、温体動物のみがRSAを有していると指摘している。 冷温動物が自己調節の為に太陽を浴びたり避けたりするのに対し、温体動物は内部調節プロセスを行う事を強いられる。 そしてこれらのプロセスは、精神生理学的な振動活動に反映されている。 そのような振動は、ほとんど全ての生理的調節システムにみられる。 血圧と指脈拍容量はともに、心拍数と同じ周波数帯の中で振動がみられる。 ただし、ここでは圧受容体反射効果は低周波帯での活動ではなく超低周波帯(0.005~0.05Hz)での活動に反映されているようにみられる(Vaschilloその他出版用論文)。 Vaschilloは、よく知られた周波数0.1Hzでの振動ピーク(例えばほとんどの成人において10秒間の振動で、低周波スペクトルの中間点と低周波スペクトル内で発生したもっと高い振幅がみられる点)は、圧受容体反射の影響に反応して血管系の順応性により血圧が上昇したり下降したりするのに、5秒間の遅れで反応する。 Vaschilloはさらに、圧受容体反射システムは血圧の振動変化に反応するのであって血管張力レベルそのものに対してではないと理論づけている。

心拍変動がホメスタシス活動(生体の恒常性を保つ活動)を反映しているとする概念を立証する多くの臨床例がある(Hyundman 1973)、これらの活動リズムが存在しないか、希薄か、もしくは複雑さに欠ける時その生体は高血圧(特に左心室肥大が随伴する場合)(Mancia、その他1995)、突然心臓死Goldberger,、その他1991)、左心室不整脈(Rosenbaum、その他1994)、や重度の心臓障害(Peng、その他1992)等の心臓血管障害に起因する死に至るリスクがより大きい。

心拍変動はこれ迄、心筋梗塞後の死の予見(Kleiger, Miller, Bigger & Moss, 1987)、心臓移植後の拒絶反応リスクの予見(Binder,その他1992)や血管造影所見にも使われてきた。 RSA波の振幅は不安もしくはうつ病からくる情緒不安定によって減少する傾向がある(Asmundson, 1994,. Rechlin, その他1994)。それは成人において加齢と逆比例しており(De Meersman, 1993)、生体の恒常性を保つ順応性の低下を示していると考えられる。我々は最近の発表で、これらのリズムの発生と複雑さが、心臓血管安定性確保と生理的及び環境的要求に対する適応性確保のために機能するいくつかの“バックアップ”システムに関連している事を述べた(Giardino, Lehrer, Feldman, 2000)。 今後より多くのこのようなシステムにより、安定性のより以上の増大と調節障害改善が予測されるべきである。

心臓血管システムにおける同調、圧受容体反射機能とRSAバイオフィードバックの“2つの循環ループ”理論:

ロシアの研究家達は、人はバイオフィードバック技術を使って、RSAを随意的に非常に増大できる事を証明した(Chiernigovskaya,その他1990)。 又他のロシアの研究家達によって、バイオフィードバック訓練が、自律神経機能が関係する喘息や高血圧や種々の不安障害等の疾病治療に役立つことが報告されている。 Vaschillo(1984)は、人はRSAフィードバックにより、呼吸に関連する心拍リズム(例えば高周波変動もしくはRSA)と圧受容体反射活動による心拍リズム(低周波変動)の間に同調が起きる呼吸数で呼吸する事を発見した。 圧受容体反射効果に反応する呼吸数で呼吸する時、心拍変動のこれら2つのソース間に同調が起こり、心拍変動の振幅は大きく増大する。 Vaschilloは更に、圧受容体反射刺激の振幅増大は(心拍数と同様、血圧のより大きな振幅変動による)圧受容体反射のより大きな運動を生み出し、最終的により大きな圧受容体反射効率を生み出し、従って自律神経調節活動がより増大すると考えている。

又、RSAバイオフィードバックでRSA振幅を随意的に増大させることにより、人は低周波数帯域での呼吸を強いられる事が証明されている(約6回/分)(Lehrer,その他1997)。 これらのデータから、同調は人がバイオフィードバック訓練によってRSA振幅を増大させる方法を学ぶメカニズムであることが分かる。 Vaschillo(1984)は、人は低周波帯の特定の周波数、0.1Hzの辺りでのみ最高の変動振幅を生み出す事ができると記している。 大きなRSA振幅は間違いなくこの周波数帯で呼吸することによって引き起こされ、それはわずかの訓練で行う事ができる。しかしながら彼は、血圧変動におけるバイオフィードバックによって達成出来る最も大きな振幅は超低周波帯で起こる傾向があると述べている。 これらを基礎に、彼は圧受容体反射活動を“2つの循環ループ”システムとしてモデル化した。

Vaschilloの実験例はブラウン管上にコンピューターがつくり出した振動を写し出し、被験者(6人の宇宙飛行士)に彼ら自身の生理的活動で同じ振動をつくり出すよう指示をした。 被験者の心拍数がスクリーン上の一部に示され、彼らはコンピューターがつくり出した洞性波と同じ波形を自分自身の努力でつくり出すよう指示された。 Vaschilloは、心拍数の低周波数帯と超低周帯の間で刺激目標周波数を変えてみた。すると全ての被験者が、低周波数帯で最大変動と最も安定した目標周波数変動が起こった。 彼は被験者の血圧変動も測定したが、これについては測定の為の直接のバイオフィードバックは与えなかった。このように、目標周波数の最大変動は超低周波数帯で起こった。 Vaschilloは変動の最大振幅をみせる特定の周波数を個人の同調周波数と名付けた。

彼の同調理論と同じく、Vaschillo及び他の研究者達は、血圧と心拍変動が特定の周波数で規則正しい位相関係がある事を発見した(Vaschillo, Lehrer, Reshe, & Koustantinov,出版用論文)。

心拍数の同調周波数において、(例えば低周波数帯で起こる周波数振幅のピーク)血圧振動と心拍振動はお互いに180°反対方向の位相で起こった。 このように、バイオフィードバックによる心拍数の増大(減少)と圧受容体反射効果によるより以上の増大(減少)がおのおのの周期で同時に起こる。 血圧の同調周波数では(超低周波数で起こる)、心拍数と血圧はお互いに同じ位相で振動する(0°位相関係)。 この周波数では、圧受容体反射効果は、心拍数に対するバイオフィードバック効果を抑制するが、血圧変動を促進させるようにみえ、これは多分最大点において圧受容体反射に関係する血管緊張によるものだと考えられる(後者の関係については組織的な研究はまだなされていない)。 Vaschilloは心拍数及び血圧の同調周波数が異なるのは、心拍数及び血管緊張に関する圧受容体反射効果が異なるからだと理論づけている。 彼の圧受容体反射活動の“2つの循環ループ理論”を裏付けるには、血圧変動を増大させる為のバイオフィードバック訓練を、血管緊張を直接測定する方法を用いて、より多くの被験者を対象にした調査を行うことが必要である。

バイオフィードバック訓練の為の手順:

被訓練者はまず自分の同調周波数で呼吸する事を教えられる。 最初のステップはRSA変動を最大限に増やす為の訓練である。 最初のセッションでは、被験者に4~7回/分の特定の周波数で呼吸させ、呼吸の深さを出来るだけ一定に保たせる(出来れば呼気終了時点での二酸化炭素量を計る)。 その為、目標呼吸数での呼気と吸気のペースが被験者に分かるようコンピューター画面上で上下する光の呼吸ペーサーを用意し、実験中ストレイン(緊張)計測器で個人の反応を測定する。 被験者はコンピューター画面上に呼吸ペーサーで示された指定の呼吸数で呼吸をし、光の上下の動きに合わせて呼気と吸気をするよう指示される。それに続くセッションで被験者はバイオフィードバックを与えられる。 被験者は翌週1日に2回、それぞれ20分間自分自身の同調周波数で呼吸するよう指示される(訓練中、被験者は過度呼吸を避ける為、自然の浅い呼吸をするように注意される)。

次のセッションで、被験者は心拍変動を起こす為のバイオフィードバックを直接与えられ、呼吸に関連して起こる心拍変動振幅を増やすよう指示される。 拍動間隔測定タコメーターを使って記録し、その測定記録を呼吸活動測定記録に重ね合わせる。 被験者はRSA変動を最大限に増やす目標を与えられ、その為心拍振動と同位相で呼吸するよう指示される。

他のディスプレーで、被験者は0.005~0.4Hzの周波数帯で移動する心拍変動周波数分析をみせられる。 ディスプレーは、心拍変動周波数を1秒ごとに更新して表示する。 被験者は同調周波数の辺りで起こるスペクトルパワーピークを増大するよう指示される。 呼吸ペーサーの最高点は1回毎の呼吸に伴うRSA変動に比例するようになっている。 心拍数を示す呼吸ペーサーの天井と底は個々の被験者に合わせてセットされ、個々人の心拍数の上限と下限に合わせて調節されなければならない。

RSAフィードバックの臨床的応用:

RSAバイオフィードバックの臨床的効果に関する理論は、同調周波数で呼吸することにより圧受容体反射に大きな変動刺激を常習的に与える練習をし、圧受容体反射を効率的にするという事である。 この方法を、喘息や高血圧や種々の神経障害の治療に使った臨床的例がロシアで出版されている(Chernigovskaya、その他、1990)。 我々は、この技術を使っての喘息の改善例を、ロシアリハビリセンターからの20の連続臨床例のひとつで報告している。(Lehrer、その他、2000)。 しかしながら、これらの研究はコントロールグループを対照にしていない為、観察結果のある部分に被験者選択偏見や、regression to the meanやプラシーボ効果が反映されている可能性がある。喘息持ちの成人を対象にした対照実験のひとつに(Lehrer、その他1997)、RSAフィードバックが訓練セッション中呼吸インピーダンスの大きな減少を起こすことが報告されている。 しかしながら実験対象となった被験者数が少なかった為、一般的な臨床的改善としての評価はされなかった。 このように、この方法は自律神経障害による様々な病状の治療に役立つ事が大きく約束されてはいるものの、その効果を実証するには対照実験を更に行っていかなければならない。

バイオフィードバックと整調呼吸:

被験者に1分間に6回の呼吸をしなさいと言う代わりに、特別のバイオフィードバック技術が必要なのは何故か。

Vaschillo(1984)は正確な心拍同調周波数は個々人それぞれに異なると共に(その為、個々人に要求される正確な呼吸数を決める為のバイオフィードバックが必要)、それはある期間にわたって変えられる事を発見した。 我々の臨床的経験から、訓練期間中、変動振幅最大値は減少し、その為人によっては呼吸数の4回/分の近くで最大心拍変動を達成する。 人によってはそんなにゆっくりと呼吸出来ない。 訓練はその為徐々に行わなければならない。 バイオフィードバック技術は、個々人に適した特定のリズムで呼吸させ、ある期間にわたって呼吸と圧受容反射機能の改善を促すようにする。

東洋の呼吸訓練との類似性:

東洋のヨガやキゴンや禅の修業は全てゆっくりとした呼吸を伴う。 これらの技術を修得した者は、自分の体の必要性とペースで呼吸する事を教えるが、それは多分RSAバイオフィードバック効果に似ていると思われる。  東洋のこれらの修行は事実、個人の心拍同調周波数で呼吸する点において、RSAバイオフィードバック効果と同じ効果を生み出している。 最近の座禅中の禅僧に関する研究で(Lehrer , 1999)、瞑想中の禅僧は心拍変動の低周波帯もしくは超低周波帯で呼吸している事が分かった。 全ての禅僧はゆっくりとした呼吸周波数でRSA変動を増大させており、 一人の禅僧においては1分間で1回呼吸し、その周波数帯で特に大きな変動振幅をつくり出していた。 この周波数帯は温度調節と交感神経調節を反映するという理論と一致しており、座禅が氷点下以下の状態で行われたにも関わらず、心拍数は上昇し暖かさを感じたとの禅僧の報告がされている。

セラピストの為のインストラクション:

呼吸と共に心拍数は上がったり下がったりする。 吸気で心拍数は上がり呼気で下がる。 呼吸によって起こる心拍数の変化をRSA(呼吸洞性不整脈)と呼ぶ。 RSAは、自律神経系全体(心拍数、血圧、呼吸を含む)による調節を助ける為に、体に非常に強力な反射現象を引き起こす。 訓練の目的は、心拍変動の大きさを増大させることにある。 心拍変動の増大は、これらの重要な反射運動を訓練し体のコントロールをより効率的に行う助けとなる。
訓練にあたっては個人のRSAを測定し、呼吸による心拍情報が被験者に与えられる。 これがRSAフィードバックである。 被験者はこの情報をもとにRSAを増やす為の自己訓練を行う。 この訓練を常時行えば自律神経系の調節を行う反射運動を強化することが出来る。これにより毎日のストレスへの対応能力が増し、健康改善につながるはずである。 これらの反射運動の訓練が、様々な肉体的および感情的障害に対処する手助けになる事はこれまでに証明されている(高血圧、不安発作、過度呼吸、喘息、消化器障害)。

世界的な学術研究

軍事への応用

自律神経機能トレーニングはすでに宇宙飛行士や戦闘員のトレーニグプログラムに組み込まれています。

1:ストレス対策(極限の環境を耐え抜く)

2:PTSDの克服



PTSD治療の為のバイオフィードバックとニューロフィードバックの進歩
負傷兵:トラウマの克服

最適パフォーマンス訓練の為のバイオフィードバックプログラム:East Carolina 大学 と米海兵隊負傷兵大隊イーストの共同プログラム


Carmen Russoniello, PhD, LRL LPC,I Matt Fish, BS,l Jennifer Parks, BS, LRT1 John Rhodes, BS,1
Bennie Stover, BS,l Holly Patton,l Ginger Gold, EdD,'and Tami Maes, LRT, BCnCa

イラク戦争の典型的負傷は、外傷性脳損傷とPTSDである。海兵隊員と海軍衛生兵の負傷した帰還兵の症状に緊急に対処する必要から、米国海兵隊とEast Carolina大学の心理学研究所・バイオフィードバック クリニックは合意書を交わし、East Carolina大学は2008年2月から治療・訓練サービスを開始した(因みに米海兵隊の第2師団はノースカロライナ州にある)。
これはバイオフィードバック訓練を使った最適パフォーマンスの為のもので、海兵隊員と海軍衛生兵はバーチャルリアルティー、認知再訓練、ニューロフィードバック、心拍変動、人間関係改善、リジリエンシー回復訓練、等に徐々に慣れていく為のプロトコルに参加する。予備テストの結果は、このアプローチが外傷性脳損傷とPTSD症の改善に効果がある事を示唆している。

背景

米海兵隊は、戦闘に最初に送り込まれる小さなエリート戦闘部隊である。この事は、戦闘で死亡もしくは負傷した人数を統計的にみると頷ける。通常の戦闘とIED(手製爆弾)で多くの海兵隊員がイラクとアフガニスタンで負傷した。戦争における負傷は、弾丸や爆弾の破片による負傷、敵のIEDや迫撃砲による猛烈な衝撃や、接近戦での爆風による極度の肉体的損傷で、悲惨である。これら複数の要素が外傷的脳損傷の大きな原因であり、海兵隊の負傷兵の多くがこれに相当する。

戦場で海兵隊員の医療ケアをするのは海軍衛生兵である。これら「戦場の医師」は、海兵隊員にとって必要不可欠の存在であり、事実、海兵隊歩兵部隊の組織の一部になっている。彼らの主な任務は、海兵隊員を生かし、健康な状態に保つ事である。戦闘において衛生兵は、自らの生命を常に危険に晒して負傷した海兵隊員の場所まで移動してケアする。彼らは任務遂行にあたって、彼ら自身弾丸や爆弾の破片や爆風によって負傷し、PTSDのような戦争からの損傷を蒙ることになる。


初期評価

ストレステストは、ベースライン(基準)となる5分間テスト、20分間の連続パフォーマンステスト(TOVA)、5分間の休憩、5分間のトラウマ的記憶力、5分間の休憩、1分間の起立性高血圧テスト、5分間の休憩、から構成される。測定は、脳波、HRV(心拍変動)、皮膚伝導電流、呼吸、皮膚温度について行った。

認知訓練

PTSDとTBIの改善を成功させるには、認知再訓練と同様にバイオフィードバック訓練が欠かせない。

HRV(心拍変動)バイオフィードバック訓練

RSA(呼吸性洞性不整脈)は、心血管系と呼吸系のリズムの同調を作り出す重要な生理的メカニズムである。RSAを成功させるということは、心臓呼吸バランスの改善を促進するということである。これまで、自律神経失調はいくつかの医学的状態に関連付けられてきたが、事実、糖尿病、心疾患、不安症、うつ病などの慢性的症状の原因となっている(Task Force of the European Society of Cardiology and the North American Society of Pacing and Electrophysiology, 1996)。

RSAは、中枢で調整される心臓迷走神経と交感神経の遠心性の活動を介して、呼吸により調整される。例えば、脈拍数は吸気で増加し、同様に呼気で減少する。
従って、RSAは直接的に呼吸の位相に関連している(Axelrod et al., 1981)。今日の理論では、RSAの改善はおそらく自律神経に関連する状態の改善につながり、病気によるRSAの欠損は、生物学的に重要な振動子間の連結に損傷が起こった結果であるとしている。その為、この連結を回復もしくは増強する介入の開発が推奨された(Wilkinson et al., 1998)。研究チームの一つは、RSA訓練により圧受容体反射興奮が起こり、電気的迷走神経興奮に似た効果を起こす可能性があると示唆している(Vaschillo, Lehrer, Rishe, & Konstantinov, 2002).このことは、臨床的うつ病のような症状に対して低コストで、しかも最低のリスクで効果があるというころになる(Musseleman, Evans, & Nemeroff, 1009)。
RSA訓練が(HRV訓練とも呼ばれている)介入テクニックとしてとして使われた最近の研究で(Karavides et al., 2007)、被験者が自身の同調周波数で呼吸することにより自律神経訓練ができることが証明されている。訓練の結果、うつ症状が軽減されている。被験者はセッション中、同調周波数もしくはその近辺で呼吸することによりHRV(心拍変動)を増加、維持させることができるようになったことをデータは示している。

宇宙開発への応用

ロシア科学院医学的生物学的問題研究所(IMBP)

火星への有人宇宙飛行(MARS‐500プロジェクト)に関する地上実験を2009‐2011にかけて行う

・このプロジェクトの期間中、乗組員の健康評価と健康管理システムを含む、人間の生命維持サポートに関する様々な生物医学的テクノロジーのテストを試みる。このプロジェクトは500日間行われる。特別に選ばれた6人の被験者は、火星までの飛行条件を模した隔離された気圧チェンバーにプロジェクトの期間中入れられる。

・このプロジェクトの一部として、最大50人の被験者を対象に、彼らの日常の環境下でのテストを行う。2つ目のグループは、ヨーロッパ、アジア、北米の異なる地域から選ばれる。2つのグループは最初のグループと同じ方法で、彼らの健康とフィットネスのダイナミズムが定期的に評価される。

・MARS‐500プロジェクトの準備段階として、ロシア科学院はカナダのAutosun Health Technologyと北米のBiocom Technologies と共同で、MARS‐500‐Pと呼ばれるパイロットスタディ‐健常人グループの長期モニタリングにおける人間の生体の適応能力と疾病開発のリスクについて‐を行った。

・このプロジェクトの中で、我々はBiocom Technologies で開発されたHeart Rhythm Scanner 3から得られるデータの信憑性を調べる為、我々が心拍変動評価研究で使うVariCardシステムとの比較調査を3ヶ月かけて行った。Heart Rhythm Scanner 3は、心拍変動解析を使って健康とフィットネスの評価を行う良く知られた方法を基礎にしている。過去40年間、これらの方法はロシア科学院において広く使われ完成されたものとなった。
我々のデータとHeart Rhythm Scannerのデータを比較した結果、両者のスペクトル解析で使った方法が異なる為、R-R間隔のスペクトル解析で得られた幾つかの絶対値指標が異なっていたが、全ての補正値と相対的指標は殆ど一致していた。この結果から、Heart Rhythm Scanner 3は、近代科学の実践で使われている心拍変動解析の既存の標準を遵守しており、正確で、再現性があり、非常に信頼性があると信じる。

・我々は、これらのテスト結果の判断として、Heart Rhythm Scanner 3が非常に安定した性能を持ち、科学的、生理学的、生物医学的観点からみて十分に信頼性がおけるという事を、自信を持って表明できる。

我々は、リサーチャーや健康およびフィットネスに関わる専門家が、健康、フィットネスウェルネス評価など様々なアプリケーションにおいて、Heart Rhythm Scannerが信頼性のあるツールとして使われる事を強く推薦するものである。

Roman M. Baevsky, PhD
Professor, Head of Research Department for Biocybernetics

 

 
 

アスリートに大敵な活性酸素を除去するシステム エアナジー

トップアスリート株式会社のスポーツ医学・研究(エアナジー)

アスリートは長寿ではなく身体に大きな負担を強いるようなトレーニングを行っているため一般の方よりも老化が進んでいます。
特に格闘家は身体的ダメージが大きくより老化が進んだアスリートと言っても過言ではありません。

活性酸素とは?

酸素が紫外線からエネルギーを得て,酸素原子を構成している電子の最も外側 にある不対電子の回転方向が変わってしまうと,一重項酸素という活性酸素になります。
この一重項酸素が今回のテーマでは重要な活性酸素です。
活性酸素
活性酸素と言ってもいろいろな種類を含んでいますが、今回悪者にされている活性酸素エネルギーを利用した活性酸素除去システムが大きくアスリートの疲労回復や身体能力向上に貢献していることはあまりにも知られていません。
今回のテーマではこのシステムについて述べるとともに最先端のスポーツ医学の一部をご紹介します。

酸素に電子が取り込まれるとスーパーオキサイドという強力な活性酸素になります。
このときにキサンチンオキシターゼという酵素が発生する活性酸素で,これは安定していた酸素の電子 の軌道を変えることによって活性させます。

感染症が起こると白血球が活性酸素を放出して細菌を攻撃します。
活性酸素は通常の酸素の何千倍もの酸化力を持ち,紫外線照射や化学反応によって 生じ,細胞を破壊する作用があります。

しかし活性酸素が出すぎると無差別に細胞を損傷します。遺伝子を損傷すると悪性腫瘍が発生する可能性が高くなります。
過剰な活性酸素を抗酸化サプリメントや抗酸化治療によって不活化する必要もあります。

身近な例をあげますと、酸化とは,リンゴを包丁で切るとその切り口は数分茶に変色するケースが代表的です。これが活性酸素による酸化現象で、レモン汁をつけると酸化を阻止することが可能です。

人間は抗酸化剤の摂取により活性酸素を除去しています。
アスリートは呼吸することで大量の酸素を体内に取り込み,活性酸素を大量に作り出すためそのため内蔵から血液がなくなるといった現象がおこります。アスリートは、過呼吸、精神的・肉体的ストレス、外傷・感染症、体温の上昇などにより活性酸素が大量に発生します。
活性酸素は、病気の多くの原因を占め、身体を酸化し、選手寿命を短くし身体に大きな負担をかけます。したがってアスリートは、非アスリートよりも多くの抗酸化サプリメントを取ることが重要です。

  * ストレスが活性酸素を発生。
  * 炎症が活性酸素を発生。
  * 体温が異常に上がると活性酸素が発生。

酸素を大量に吸入すると寿命が短くなり、運動選手で長寿の人はほとんど皆無です。
アスリートは非アスリートに比較して寿命が短いという報告があります。

蝿の実験でもこれは実証されています。
小さなコップに入れた蝿と,大きなケースに入れた蝿では,その運動量に差が出て小さなコップの蝿は短命になります。
過激なスポーツは多くの場合、細胞が活性酸素作用のために短命になるのです。

乳酸は無酸素運動で発生し、状況によっては活性酸素を増加させます。

抗酸化サプリメントや治療で活性酸素を除去することが大切です。




■ 活性酸素除去方法
過剰になってしまっている活性酸素を減らすには、過剰発生の原因と考えるものを排除し発生を抑制するとともに、既に発生してしまった過剰の活性酸素を除去することです。
除去する方法(抗酸化)は大きく2つ
1) 抗酸化物質を取り込み直接活性酸素と反応して無害な物質に変化させる方法
2) 酵素反応を利用して活性酸素を除去する方法

1)の方法は、抗酸化物質といわれるビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、イソフラボン類、カテキン類など抗酸化機能が優れたものを摂取し、活性酸素と反応させ無害な物質に変化させ、過剰な活性酸素を抑制。
しかし、サプリメントや食物からこれらの成分を摂取する場合、消化吸収に時間がかかり、また消化吸収系に何らかの障害を持つ方は、こういったサプリメントや食物からの吸収が難しくなるという弱点があります。
そこで、2)の方法を用いたシステムが『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)です。




■ 吸う抗酸化サプリメント『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)
エアナジー

アンチエイジング(抗加齢)やスポーツ選手のメディカルサポートに利用しているシステムが、ドイツで開発された、『エアナジー(Airnergy+)』です。
エアナジー(Airnergy+)』は、活性酸素に直接働きかける抗酸化機能を有する成分を、呼吸を通じて肺に取り込み、過剰に発生した活性酸素を除去する画期的なシステムです。


 
酸素療法との違い 
『活性酸素除去 装置 エアナジー(Airnergy+)』の仕組みは、
1) 空気中の酸素に特定周波数の紫外線を照射し、瞬間的に(100万分の2秒間)に活性酸素状態(一重項エネルギー)を作り出す。
2) これを水蒸気と一緒に鼻腔吸収により体内に取り込み、不安定な活性酸素と直接結びつき、安定させ無害な物質に変化させます。
この方法では、その酸素が数秒で肺胞から血流に流れ出るため消化吸収に長時間を要するサプリメントに比べ格段に早く直接的に作用します。
常に激しい運動を行っている、プロ野球選手や陸上選手、プロボクサー、過度の緊張を伴うレーサーなどへのメディカルサポートにこの『 エアナジー(Airnergy+)』を活用し大きな成果を上げています。
スポーツ選手だけでなく、日々の生活でのストレスや生活習慣により多くの活性酸素が過剰発生してしまっている方への治療にも効果的です。
また『エアナジー(Airnergy+)』は同時にアロマテラピーを行うことができ、花粉症に効果が期待できます ティーツリーなどのアロマエッセンシャルオイルを吸引することで、花粉症の症状が軽減されます。
活性酸素除去 装置エアナジー(Airnergy+)』は活性酸素を除去できる唯一のシステムです。



『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)の効果と安全性


■ 『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)の効果
Point1 『体内における酸素利用の改善』
体内で酸素を利用する細胞の能力は、加齢、病気、ストレス、運動不足、環境悪化等といった要因で低下します。体内における酸素利用が不十分だと、身体再生能力が下がり、様々な身体の故障が生じます。新陳代謝もうまく機能し ません。酸素利用を改善することは、身体機能の改善、健康回復につながります。
Point2 『抗酸化力を高め活性酸素を除去』
通常、活性酸素は我々の体の中にあり、生命には欠かせないものですが、過剰に生成されると、機能障害や病気、 DNA損傷を引き起こします。美容面では、老化の原因となり、シミやしわといった老化を引き起こします。 エアナジー(Airnergy+)を使用して過剰に生成された活性酸素を減らすことで体内の活性酸素作用を正常にし、健康予防になり、アンチエイジング(若返 り)効果もあります。
Point3 『乳酸値を下げる』
疲労が溜まると乳酸値も上がります。乳酸値を下げることで疲労回復します。 エアナジー(Airnergy+)は、疲れた筋肉や脳を休ませる作用がありアスリートはハードなトレーニングの後、回復が早く、体力、筋力、持久力がアップします。受験生などは勉強に疲れているときに活性酸素除去 装置 エアナジー(Airnergy+)を使用するとリラックス効果があり、集中力がアップします。
凝固血液
上記の写真は、凝固血液を顕微鏡で観察したものですが、白く抜けている部分は活性酸素を表します。エアナジー 20分間吸引後 活性酸素減少がわかります。
エアナジー(Airnergy+)は全ての人に重要な効果があり、体内で酸素を有効利用し、身体機能を高めます。
健康増進目的、難治性疾患、若返りを期待する女性、仕事や勉強などで疲労回復を目的として、活性酸素除去 装置 エアナジーは(Airnergy+)は老若男女問わず、幅広く使用されています。

『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)の安全性
高濃度酸素を補給するものに比べ、 エアナジー(Airnergy+)の酸素は通常の空気と同じ濃度(21%)です。
高濃度酸素の補給は、強制的に酸素を体内に送り込むもので、活性酸素の生成が増大する恐れがあります。エアナジーは自然界で普通に呼吸しているのと同じですので、負担がありません。
 子供から癌や膠原病を患っている方、※妊婦でも使用できます。
 国内では主として医療機関で治療にも使用されています。

※妊娠されている方ではエアナジー(Airnergy+)でアロマセラピーと併用する場合、アロマの種類によっては不向きなもあり、医師の管理下で行います。アロマを使用せず、通常のご利用には、全く問題はありません。
最近の研究では自律神経機能向上に役立ちストレス除去やアスリートの試合前のリラックス状態を作り出す目的でも使用されています。

これまで私どもでは世界的なアスリートの支援やケア、コンディショニングをこのエアナジーを使用して行ってきました。
アテネ5輪7種競技日本代表 中田有紀選手がこのシステムをオリンピック会場へ持ち込み、寺尾悟選手がトリノオリンピックへ持参してコンディショニングと疲労回復に努めました。
フォーミュラニッポン王者やNASCARレーシングドライバーのコンディショニング、多くのプロ野球選手の疲労回復にも使用しております。

日本最速WBC世界スーパーフライ級王者  名城信男選手も世界タイトル奪取した試合前にはエアナジーを使用してコンディショニング、リラクゼーションを行いました。
F1で活躍するレーシングドライバー ニック・ハイドフェルド選手、2009年総合王者 ジェイソン・バトン選手もエアナジーでコンディショニングしていることは有名です。
当社 専務取締役で現役レーシングライダーとして2010年全日本ロード選手権総合王者 秋吉耕佑選手もレース前後にエアナジーを使用してコンディショニングを行い偉業を達成しました。

秋吉耕祐エアナジー治療
 

最先端治療  PRP療法

最近自分の血小板を用いた若返り治療法が注目を集めています。PRP治療法はいわゆる再生医療の一分野です。
日本の政府や再生医療を進める団体は再生医療の研究を「細胞移植・組織移植により、これまで不可能であった変性疾患の根治を目指した革新的医療技術である」。と定義しています。

つまり 使えなくなったり、老化したりした体の一部を、「再生」させて蘇らせようという医療のことで、例えば、火傷で傷ついた皮膚の代わりに、人工皮膚や自分の皮膚を培養した物を使ったりする治療や、白血病患者さんに骨髄移植したりする治療が有名です。つまり自分自身の細胞や他人の細胞、あるいは他の動物の細胞に対し、細胞の外から何らかの工夫を加えてその細胞の持っている能力を身体の中で発揮させ、機能を回復させる治療法です。

PRP療法

現在、ほぼすべての組織・臓器の再生が臨床応用を目指して研究されています。しかし、実際にわれわれの目に見えるものとしては皮膚、軟骨、血管、などに限られています。

再生医療の最新の動き
文部科学省は、これまで禁止されていたヒトES細胞、ヒトips細胞およびヒト組織幹細胞から生殖細胞を作成する研究を解禁しました。これにより京都大学の中山先生などによる先進的な研究が、各大学、研究機関で進んでいます。ヒトES細胞等を分化させて生殖細胞を作成することが可能になれば、生殖細胞の成熟・分化機構の検討が可能となり、多くの疾患の原因解明や新たな診断・治療方法の確立につながります。

再生医療とPRP
自己細胞を利用した組織再生と若返りを行うものに自己血小板を用いたPRP注入療法があります。PRPとはPlatelet Rich Plasma (多血小板血漿)の略でこの治療法は自分の血小板の濃度を高めて使用することから正式には多血小板血漿注入療法と呼ばれています。
PRP療法

この治療法は自分の血液から採った血小板を使うため拒否反応がなく、病気がうつる心配もない安全な方法です.
PRP注入療法による組織の若返りやしわの軽減などの美容分野への応用は2006年に日本で初めて開発されました。 
血小板な血液の中に含まれる細胞の一つです。血液は血球と液体成分の血漿からなり、血球には赤血球、白血球、血小板があります。赤血球は約120日生存しますが、血小板は約7日ほどです。血小板は直径2μと赤血球、白血球などに比べて小さく、数も血球全体の1%程度です。

血小板は2つの働きを持っています。
1つは止血効果(出血を止める働き)で、2つめが創傷治癒効果(できた傷を治す働き)です。

血小板を利用した治療の歴史

血小板を用いた治療はアメリカ・マイアミ大学の外科医であるロバートマークス博士らが中心になり1990年ごろから始められました。マークス博士はその著書の中で「1990年代の初めから今日までに、血小板に含まれる増殖因子は創傷治癒の驚くべき力を持っていて、血小板がすべての人間の創傷治癒を開始する重要な細胞であることが発見された」と述べています。

血小板がなぜ傷の治療や若返りに効果があるのか。

血小板は、内部の貯蔵類粒を特っていて、貯蔵顆粒は3種類の顆粒、(1ysosoma1顆粒、dense顆粒、alpha顆粒)から成り立っていて、alpha顆粒には増殖因子の貯蔵がされています。 血小板は血管中を循環している間は休眠状態(不活性)ですが、傷が出来ると活性化し、まず止血のために凝固を促進し、そして傷の治療の為、組織修復に必要な増殖因子を放出します。


血小板から放出される増殖因子にはそれぞれ役割を持った次のようなものがあります。

1. 血小板由来増殖因子

PDGF-aa, PDGF-ab PDGF-bb

細胞の再生を刺激
血管の形成の促進
上皮細胞の形成促進
肉芽形成の促進

2.トランスフオーミング増殖因子
TGFβ1、TGFβ2
細胞外マトリックスの構築促進
骨細胞の代謝調整


3.血管内皮増殖因子-VEGF

血管形成の促進

4.上皮増殖細胞-EGF

細胞の分化促進
再上皮化、血管形成、コラーゲンの産生の促進

5.繊維芽細胞増殖因子-FGF

内皮細胞と繊維芽細胞の増殖促進
血管形成の刺激


PRP療法とそのメカニズム

PRP療法は血小板が持っている、傷を治し、組織を修復し若返らせる力を、増加、加速促進させる治療法です。高濃度の血小板(PRP)を作り、創傷治癒をさらに促進させるように働かせます。そのためには高濃度の血小板の採取とその活性化が必要になります

血小板に合まれたα頴粒は凝固開始から10分以内に分解、1時間以内に増殖因子前駆物質の90%以上を放出します。血漿に合まれているフィブリンとフィブロネクチン、および血小板のα頴粒から出たビトロネクチンが、強力に作用し組織再生が著しく促進されます。

大きな治療効果に必要な血漿の血小板数については色々な意見がありますが百万μLまたは通常の血小板数(20万/μL)の4~7倍で臨床上効果があると言われています。

人の血液中の血球は普通、赤血球が96%、白血球が3%、血小板が1%程度です。PRPは血小板の濃度が約94%~96%で残りは少しの赤血球と白血球です。血小板の数を増すことで、治癒に有用な影響を及ぼす増殖因子の作用を強めるのがPRPの使用の意義です。

PRPは血小板の濃縮液なので、それは同時に傷の修復の過程で積極的に血小板から放出される7つの基本的な蛋白質成長因子の濃縮液です。

これらの7つの成長因子は、血小板成長因子の3つの異性体、PDGEαα,PDGFββ 及び PDGFαβ、と2つのトランスフォーミング成長因子、TGFβ1 とTGFβ2、血管内皮増殖因子、VEGF及び上皮成長因子、EGFです。


PRPはどのように機能するのか

PRPの作用は血小板中のα顆粒が放出する成長因子によります。これらの成長因子の放出は、凝固反応の過程で開始され、凝固開始後10分以内に始まります。その時点で合成されていた95%以上の成長因子は1時間以内に放出さます。
ほとんどの成長因子と同じように血小板中のα顆粒中の成長因子は働き出すまでには一定の過程が必要で、その過程で生物的活性を持った完全なものとなります。

今までの研究で、PRP中の成長因子が働きだしその結果、成人のヒト間葉幹細胞、hMSC, 繊維芽細胞,骨芽細胞、上皮細胞、および表皮細胞などで、通常の細胞の増殖、マットリックスの形成、骨の形成、コラーゲンの合成などが起こることが分かっています。

PRP を作るには遠心器を使用し作業は清潔下で行われ、また血小板を赤血球やその他の成分から高速化で分離し、しかも血小板を壊したり傷つけないように抽出します。壊れた血小板は成長因子を積極的に放出することが出来ません。またPRPは新鮮な自己由来のものが必要で、凍結乾燥した血小板を使用しても、活性のある成長因子は得られません。
PRP療法
PRPの美容と若返りへの応用の実際と症例

PRP注入による皮膚組織の若返り治療法は自己の細胞を利用するため、この療法を自己細胞による若返りを意味するACR療法(Autologus Cell Rejuvenation,)とも言われています。

ACR療法(PRP注入療法・多血小板療法)は2つ目の、血小板が傷を治す効果を応用した治療法で、老化した顔の皮膚細胞を再生し、肌全体の若返りを図ります。しかも自分自身の血液を20cc程度利用するだけですから、特に副作用もなく、アレルギー反応もありません。治療効果には個人差がありますが、おおむね1~3ヶ月程度かけて肌状態の改善が実感できます。効果も1-2年程度持続します。

(PRP注入療法・多血小板療法)の特徴
コラーゲン・ヒアルロン酸では得られない治療効果!
*しわ・たるみ・きめの改善
*安全・簡単
*自分の力で蘇る
*腫れや・内出血などダウンタイムもほとんど無しですぐにお化粧も可能

ACR療法(多血小板療法)での治療可能部位

* 目の下の小じわ
* 目の下のクマ・ふくらみ・たるみ
* 法令線
* おでこのしわ
* 唇の縦じわ
* ニキビ・ニキビ痕
* 肌の張り
* 火傷
* 皮膚外傷
* 皮膚壊死
* テニス肘
* ゴルフ肘
* 肉離れ
* アキレス腱障害
* 靭帯損傷
* ガングリオン

PPRP療法の流れ

PRP療法まず自分の血液を20ccほど採血します。
最近、非常に安全で性能のよい良いPRP作成用のマイセルキット、(My Cells kit)がイスラエルから発売されました。これによりクリニックでも安全にPRP療法が出来るようになりました。マイセルキットはアメリカのFDAおよびヨーロッパCEマークを唯一取得した非常に安全性の高いものです。
高品質のPRPキットでFDAが生体内投与を認可しました唯一の製品です。
採血された血液は遠心分離され、血小板を含んだ血漿部分と、赤血球とにゲルセパレーターの働きで分離されます。この血漿の下の部分約1ccに高濃度の血小板が集まっていて、この部分をPRPと呼びます。この部分のみを注射器に取り治療に使用します。

資料提供:株式会社ベリタス

PRPキット
PRPが 有効に働く為には採取された血小板が破壊されずに生きていて、血小板が有効に働き、皮膚再生が行われる為には、活性化されて増殖因子が放出される必要があります。
マイセルキットで採取されたPRPの注入法は、真皮内及び皮下組織に細い注射針を使って細かく点状に注入する、メソセラピー法と、法令線などに沿って線状に注入する方法とがありますが、どちらも1か所0.05cc~0.1cc程度です。
特に目の下の小じわやたるみの完全効果が大きく、額、眉間、ホウレイ線、首のしわなどに注入します。

マイセルによるPRP臨床注入効果症例

PRPの他領域への応用

安全で臨床効果の優れた自己の血液を使うPRP療法は美容分野のみならず
歯科領域、関節炎、腱鞘炎など整形外科分野への実用化がすでに米国を中心に進んでいます。又、皮膚移植、やけど治療、動物の治療への応用など今後ますます活発に研究と実用化が進むと思われます。

国内では、アンチエイジング治療として美容分野へ導入され広く普及しておりますが、施術者の能力や使用するキットの質により効果も大きく異なる場合があります。
当社では、豊富なPRP臨床症例とアスリートケアの経験から 国内でも今後普及すると考えられる PRP療法のアスリートへの臨床実験・研究をスタートしました。
慎重にその経過と効果、手技、注入量、注入部位、プロトコールを検討し、株式会社 ベリタス 様ご協力によって順天堂大学医学部 総合診療科 小林弘幸教授の下、臨床研究を進めています。
すでに海外ではNBA、メジャーリーグで活躍するトップアスリート、オリンピック金メダリストらがPRP療法を導入して故障のケアを行っています。
タイガーウッズ選手もオフィシャルにPRP療法によるアキレス腱断裂の治療や靭帯損傷の治療を行っていることを公表しました。
当社では、国内で初めてPRP療法を美容目的以外でアスリートのアキレス腱周囲炎の治療としての研究を行いました。
陸上男子110MH アテネ、北京五輪日本代表で元日本記録保持者の内藤真人選手が北京五輪以前からの強いアキレス腱痛に悩み アキレス腱へのPRP療法を受け劇的に痛みが改善し2010年の日本選手権大会の出場も可能となり5位入賞しました。ロンドンオリンピックへ向けチャレンジが続きます。今後も疼痛改善のみならずアキレス腱の根本的治療にもPRP療法を継続することを強く希望されています。
内藤選手からの紹介で 世界陸上男子400MHで2度の銅メダルを獲得した為末大選手もPRP療法を故障したアキレス腱と膝蓋靭帯へ行いました。
ほかにも日本を代表するアスリートが疼痛の改善、可動域向上など効果を実感して競技に復活しています。
ドーピングにならない画期的な治療法としてますます国内で注目を集めることになると予想されます。
将来的には肉離れや骨折、捻挫、突き指・・・といった一般的な怪我にもPRP療法が普及するかもしれません。
火傷や皮膚外傷で大きな治療効果を期待でき、実際、当社でも難治性の3度熱傷への治療研究としてPRP療法を行い目覚ましい効果が見られた症例を経験しました。
ガングリオン、外科手術後の傷口のケアにも使用されるようになるでしょう。
遠い医療と考えられていました再生医療ももうすぐ身近になります。
ご期待ください。

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