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2018年2月18日 日曜日

平昌オリンピック観戦レポート2018.2.11~2.15


2月11日、日本人アスリート史上最多のメダル獲得が期待されます冬季五輪平昌オリンピック観戦に向かいました。
アテネでは所属選手の応援、トリノ、バンクーバーでは指導を担当させていただきました選手の応援、今回の平昌はAMSA(先端医科学スポーツアカデミー) 副代表としてオリンピック観戦。
AMSAでは多くのトップアスリートを自律神経、メンタル、遺伝子、腸内環境、視覚機能など様々なアプローチでサポートしています。

平昌周辺部での宿確保が困難で競技会場からKTXで40-60分ほどの山奥にペンションを5日間賃貸してここをベースに競技場へ通いました。
セントレアから仁川空港の新しく建設された第2ターミナルへ到着するとオリンピックでの混雑が予想されました空港も人もまばらで入国手続きも待ち時間なくスムーズに終了しました。
初日はソウルまでKTXで約1時間、ソウル経由で宿泊地まで移動だけで到着は夜9時。

2月12日、午前中は、フィギュアスケート団体の決勝の観戦のため1時間ほどかけて江陵アイスアリーナへ向かいました。
競技開始1時間前、セキュリティチェックを受け中に入りますとまだ観客はほとんどいませんでした。
徐々に席が埋まってきましたが 競技スタート時にはかなりの席が空いていました。
日本メダル期待も!と前評判は高かったのですが、羽生結弦選手の団体戦出場辞退もあり結果は5位。
最初に行われました田中刑事選手のフリー演技は転倒があり得点が伸びませんでした。
坂本花織選手の演技もベストではなく全体的に日本選手の演技は他国の選手に比較して見劣りするものでした。
予選でも多くの選手が本来のパフォーマンスを出し切れなかったのは、競技時間と放映権を持つテレビ局の意向が反映した結果となったようです。いわゆる大人の事情です。
日本選手に何が欠けていたのか?
コンディショニング法にあったのかもしれません。




会場前にはボランティアの誘導担当者の姿が目立ちました。極寒と過酷な条件で多くのボランティアが辞退されたことがニュースとなっていました。




1時間前に到着した江陵アイスアリーナは空席が目立ちました。





夜の江陵アイスアリーナはとても綺麗でした。



田中刑事選手のスコアの伸びず日本5位



OARはOlympic Athlete from Russia)の略でドーピング問題でロシア代表としての出場ではなく個人での出場になるための表記です。
優勝はカナダ。すべての演技で圧巻でした。




応援は日の丸国旗を掲げて。



セキュリティは空港の搭乗前より厳しく行われていました。持参したバッグの中身を開けて精査されました。
フィギュア団体の観戦を終え宿へ帰り、夜の女子ジャンプノーマルヒルに備えました。




競技会場近くの駅と各駅を結ぶKTX。ネットでの予約制で日本のようにチケットはありません。駅も無人で改札口もなくすべて指定席になっています。
帰りのKTXはすべて満席で席が確保できずTAXIだけが交通手段となってしまいました。
競技会場近くの駅へ向かう本数も少なく観客への配慮が全く足りないと感じました。





平昌市内にはホテルを確保できず競技場近くの駅までKTXで向かう駅の近くの山奥のペンションを5日間レンタルしました。2階もあり広く清潔でゆったりと過ごせました。外にはプライベートプールやバーベキュールームも完備されファミリー対応の施設でした。


ジャンプ会場へは、9時35分スタートということで駅周囲のFOOD TRUCKで夕食をとって向かいました。
平昌周辺の駅にはレストランが全くありません。近代的な立派な駅でしたがどうしてレストランやカフェが併設されていないのか疑問です。
オリンピックスポンサーの関係もあるのでしょうか。
マクドナルドのとても小さなブースが会場にあるだけで食事をとる施設は十分ではありませんでした。




ジャンプ競技場近くの駅ではFOOD TRUCKのみが唯一の食事を得る場所でした。



ジャンプ競技場へはタクシーで向かいました。
とても綺麗で新しい競技場です。
とにかく寒い。-12℃、体感は-20℃以下で強風。
シートが確保してありましたが日本選手の応援のため、あえてスタンディングエリアに行き立って応援をしました。地面からの冷気で立って応援するのは1時間が限界で韓国人の観戦されている方は少なく感じました。
観客席からジャンプ台までの距離があり肉眼では選手の姿があまりにも小さく迫力に欠けました。




1本目を終了して高梨沙羅選手3位につけました。
1本目終了後、-10℃を下回り体感温度も-20℃ほど、風が強くなり強い頭痛と吐き気であえなくリタイアとなりました。
帰りのTAXIを何とか確保して宿へ向かいました。




2月13日は夜まで時間がありましたので宿近くのレストランで韓国の焼き肉をランチとしてとりました。豪華なランチも日本の半額以下で楽しめました。

2月13日は ショートトラック女子500M 予選・決勝、男子1000M、男子5000Mリレーを観戦しました。
韓国選手最大の活躍の場ということで韓国の応援団が会場中を占め日本人応援はほとんど見かけませんでした。
残念ですが、メダルの期待もありました世界ランク6位の日本チームは転倒した選手が出て予選敗退となりました。




ショートトラック5000Mリレー日本男子チーム。残念ですが、転倒で予選敗退



期待の吉永選手 予選通過。

江陵アイスアリーナから宿まで90km。
TAXIを何とか確保していたので競技終了後、すぐに宿へ向かいしました。

2月14日は、午前中スノーボードハーフパイプの観戦でした。
スノーボードは、平昌オリンピック最高の世界のトップスター、ショーンホワイトが出場するということもあり地元韓国の有力選手が出場しないにも関わらず満席状態でした。
1時間前に競技場に到着しましたが、セキュリティゲート前は長蛇の列が。
セキュリティゲートはたったの8か所。
1万人を超えるであろう観客がチェックを受けるには、あまりにも少ないゲートです。
ゲートを出るころにはすでにスタート時間を過ぎて競技が始まってしまっていました。



セキュリティゲート前には競技開始時間直前にも関わらず長蛇の列が。運営側の体制に疑問を感じました。



スノーボードハーフパイプ会場



入場がセキュリティチェックゲートの混雑で遅れたためスタートに間に合わず


日本選手は、予選を通過した3名のランの観戦となりました。金メダル候補平野歩夢選手の1回目のランは転倒。
戸塚優斗選手の2回目のランでエアの着地に失敗し5mの高さから落下し身体を激しくハーフパイプのエッジに打ち付けボトムまで転がり落ちてしまいました。
観客の悲鳴が会場中にこだまし、戸塚選手は全く身体を動かすことができません。
すぐにメディカルレスキューが担架で戸塚選手を搬送。
不穏な空気が会場中を包んでしまいました。
しかし、2回目の平野歩夢選手のランは驚異的なパフォーマンスを繰り出し 95.25の高得点。1回目のショーンホワイト選手の高得点をしのぐ最高点でトップに立ちました。
平野歩夢vs ショーンホワイトの金メダル争いになりました。




95.25の高得点で2回目トップに立つ平野歩夢選手

3回目のランで着地に失敗した平野選手は競技を終了しショーンホワイト選手のランの結果を待ちます。
ショーンホワイト選手の3回目のランはなんと97.75と平野選手を上回る高得点で3度目の金メダル獲得となりました。



ショーンホワイト選手のランに会場中で大きな歓声が沸き起こりました。惜しくも銀メダルの平野選手ですが、世界最高峰の闘いを直接 観戦できる機会に恵まれショーホワイトの2度の金メダル獲得の瞬間に立ち会うことができて幸運でした。



8年前、バンクーバーオリンピックの会場で見た光景が蘇りました。



8年前のバンクーバーオリンピック会場。この時はショーンホワイト選手が圧倒的なパフォーマンスで金メダル獲得、前夜のオークションでは決勝のチケット代が160万円という価格がついていました。



バンクーバーオリンピック会場で試合前にショーンホワイト選手と遭遇。後姿を撮影。

バンクーバーオリンピックでの小平選手のタイムは1分16秒80
平昌オリンピックでの小平選手のタイムは1分13秒82
この4年間で3秒も早くなっています。8年間の努力の結晶が銀メダルという結果に現れました。



試合終了後、宿へ戻る前に韓国の郷土料理 プデチゲを堪能。



宿近くのレストランでランチをとりました。プデチゲ。2人で2000円(19000ウオン)



アイスアリーナへ向かう駅前の五輪の巨大オブジェ


最終日、19時から江陵アイスアリーナでスピードスケート女子1000Mの観戦に行きました。アイスアリーナの近くには平昌最大のオリンピックオフィシャルグッズショップがあります。オリンピックオフィシャルグッズを購入するため前日に下見をして楽しみにしてオフィシャルショップに向かうと何と・・・強風の影響ですべてのショップがCLOSED
ありえないことです。現地に到着して全く無風状態にもかかわらずショップはもう開店しないとのこと。
強風で店舗を安全のため閉店する必要があるような耐久構造のショップを最初から建築することとは驚きました。
ショップ前に来た観客はCLOSEDを知ると肩を落としてその場を立ち去りました。



CLOSED された平昌最大のオリンピックオフィシャルグッズショップ




ショッピングはあきらめスピードスケート会場へ向かいました。



スピードスケート会場



小平奈緒選手、高木美帆選手の両選手にメダル獲得の期待。
小平選手は女子1000Mの世界記録保持者。
日本人の応援も会場に。
バンクーバーオリンピックでもスピードスケート女子1000Mを観戦しましたが、この時も小平選手、高木選手が出場していました。しかし、この時の日本人選手はメダル獲得はなりませんでした。




バンクーバーオリンピック スピードスケート女子1000Mに出場した小平奈緒選手



バンクーバーオリンピックでの小平選手のタイムは1分16秒80

平昌オリンピックでの小平選手のタイムは1分13秒82
この4年間で3秒も早くなっています。8年間の努力の結晶が銀メダルという結果に現れました。




小平選手が特大モニターで紹介されました。



高木美帆選手が紹介されました。


競技の合間に中年女性のアーティストライブが。
少し場違いな感じで観客の反応は悪く、しらけたムードが会場中を包みました。米国から来た観客もブーイング。



激しく踊り、歌を歌う韓国女性シンガー



スピードスケート競技場前。平昌では夜には常に気温が零下になります。



大きなスケートのオブジェ前で記念撮影

スピードスケート女子1000Mの結果は小平選手 銀メダル、高木選手 銅メダル獲得。
残念ですがわずかの差で小平選手は金メダルに届きませんでした。
これで私の平昌での競技観戦がすべて終了しました。

これまで6度の日本人選手の金メダル獲得の瞬間に立ち会うことができましたが、4度目のオリンピック観戦では金メダルの瞬間に立ち会えませんでした。
表彰式では君が代が流れ感動する体験したかったです。
最後は 日の丸を掲げ これでキメないと。
世界と闘う 日本代表選手を平昌の地で応援出来ましたこと誇りに思います。



トップアスリートたちの闘いの中、多くのドラマが繰り広げられますオリンピック。
平昌では、選手も耐えられないほどの厳寒、強風、運営の稚拙さ、会場へのアクセスと交通の便の悪さ、盛り上がらない会場、ミスマッチな試合途中のライブなど オリンピック開催地として疑問も残しました。転倒者続出のスキースロープスタイル女子、体感温度-20℃を下回り相次ぐ強風の影響で競技がたびたび中断し終了が0時を超え翌日になった男子スキージャンプノーマルヒル。
私自身も過去、4度のオリンピック観戦の中で最も辛い オリンピック観戦となってしまいました。 
東京五輪ではぜひ、スムーズな運営と選手、観客の立場に立ったシステムを構築して成功させてほしいと思います。



今回のオリンピックツアーで交通コーディネイト、通訳を務めていただきました リ・イルソブ君。5か国語が堪能な 世界最高峰のグラフィックデザインスクール ニューヨークのSVAに通う学生です。彼のサポート無しでは短期間で5競技ものオリンピック観戦は実現しませんでした。感謝。

総括:運営、競技環境に問題がありました平昌オリンピック。
自然と闘うアスリートの過酷さを思い知らされました。
多くの種目で転倒が多かった日本選手。
技術や練習量はどの日本選手も世界トップクラスですが、直前のコンディショニング法に問題があったのかもしれません。
身体をコントロールする 心。

その心以上に自律神経のコントロールが大きくアスリートのパフォーマンスを左右します。
自律神経トレーニングやフィジカルやメンタルトレーニング同様 導入されていれば結果はまた違ったかもしれません。
AMSAでも次世代のアスリートに対しフィジカル、メンタルに次ぐ第3のトレーニングである自律神経トレーニングの重要性と手技や知識、腸内環境、栄養や視覚機能、ゲノム解析でのサポートを普及させるように努めたいと考えます。

文:さかえクリニック 院長
先端医科学スポーツアカデミー 副代表理事
末武 信宏


 

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