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2017年6月 5日 月曜日

レーシングドライバーの自律神経のメカニズム




国内ではスーパーGT, スーパーフォーミュラといった世界的に見ても最高速度、レーシングドライバーにかかるGが大きなレースが開催されています。
スーパーGTは 全日本GT選手権を前身とし2005年より開催されている選手権シリーズであり、国内で開催されている自動車レースのシリーズとしては、1レース当たりの観客動員数は3万人 - 6万人と最大で、スーパーフォーミュラと並び国内最高峰の自動車レースです。注目度が最も高い国内レースとして国内外の様々な自動車メーカーが参加しています。

GT500クラスとGT300クラスという異なる2つのクラスの車両が同一コースを混走するという方式で両 クラスの速度差から徐々に混走状態となり、コースの所々で抜きつ抜かれつの争いが展開され、エキサイティングな場面が増 え、ドライバーには両クラスの車両に注意して走行する高いスキルが求められるレースです。

シリーズ戦の中で成績によりウェイト (重り) が加算されていくウェイトハンデ (Weight Handicap: WH) 制やリストリクターの導入などで、各車両の性能を調整して力を拮抗させることで白熱のレース展開となる様な演出がされ、必ずしも有力チームが上位を占める訳では無く、シーズン終盤までレースの総合優勝の行方はわかりません。レース距離は250km - 1000kmのセミ耐久レースで、2人のドライバーが組み、ドライバー交代が義務付けられ、認知度やレベルの向上などもあり、F1,WECなど海外のトップカテゴリーを経験したドライバーも参戦しています。

スーパーGTの車両は市販車をベースとして大幅に改造したGTカーと呼ばれるクローズドボディの車両を使用します。各車の性能を出来る限り近付けるため、性能調整 (BoP: Balance of Performance) が行われています。

両クラスの具体的な改造の許容範囲はレギュレーションで詳細に制限されていますが、GT500とGT300のJAF-GT規格車両に関してはシルエットフォーミュラに近い純レーシングカーのような車両が製作されているため、「市販車ベースの改造」というGTの基本概念が、かつてのGT1クラス規定のように形骸化し、実質的にはヘッドライトやテールランプに市販車の面影を僅かに残したプロトタイプレーシングカーとなっており、実際に多くのドライバーはツーリングカーの走り方では通用しないためフォーミュラ的走行になっています。

エンジン性能の向上やエアリストリクター径の緩和などによって出力が向上、GT500は2012年時点で600PS近くにまで達しています。


■ GT500クラス
ゼッケンの色は白地に黒、ヘッドランプの色は白色または青色で、参戦する車両はレクサス、日産、ホンダの3社が巨費を投じて製作したワークス車両が主体です。車重、ホイールベース、最低地上高、トランスミッションなど車両性能に大きく影響を与える部分については概ね共通化されているため、メーカー間で極端に性能が偏ることはありません。エアロパーツなど共通化されていない部分の自由度は極めて高く、レース毎に次々とアップデートパーツが投入されることも少なくないほど開発競争が激しいため、各マシンはヘッドライトとルーフ形状程度しか原形を留めていない場合が多く、内実はほぼプロトタイプレーシングカーへと変貌を遂げ、2012年以降では「世界で最も速いGTカー」とも言われています。

新型はダウンフォースが2013年に比べて約30%増加しコーナリング速度がアップ、最高速度は約10kmもアップしています。一方で、タイヤサイズが2013年よりも小さくなり、シャーシの捻れ剛性が低く、車重が軽くなり速度が増したことなども相まってタイヤへの負担が増えることも指摘されています。
エンジンはDTMの4.0L V型8気筒NAではなく、スーパーフォーミュラと共通となるガソリン2.0L 直列4気筒直噴ターボの"NRE"を使用いています。



ー ドライバーの育成

国内のモータースポーツにおいて最も隆盛を誇っているSUPER GTですが、その人気の原点はウェイトハンデ制を導入するなど、特定のチームに勝利が集中することを避けた勝負の面白さに着目した運営面が理由の一つと して挙げられます。一方で、国内フォーミュラレースの人気は下降しており、各自動車メーカーが期待する若手ドライバーを育成プロジェクトとして、人気がありスポンサーを獲得しやすいGT300クラスの提携チーム等に送り込むことが多くなってきています。

本来、ドライバーはレースにおいて車両性能を限界まで引き出し0.1秒を削りとる能力が要求されますが、SUPER GTではウェイトハンデという人為的にコントロールをされた状態で戦うため、必ずしも性能を完全には発揮出来ない。また、シリーズチャンピオンの獲得を睨 み、ウェイト軽減のため故意に順位を落とすなどのケースが過去にも見られ、SUPER GTマシンは性能が高いとはいえツーリングカーで、フォーミュラカーとはセッティング方法が大きく異なるため、本カテゴリからF1やIRLなどへのステップアップを目指すのは難しいようです。レーシングドライバーの多くはトレーナーを付けず、自らトレーニングプログラムを作成するが、ほとんどが我流でウエイトトレーニング主体となりかえって不要な筋肉量を増加させる結果となり脳血流の現象を招いたりしてレースの集中力が低下し結果が悪くなるケースも有ります。2006年にはシート喪失の危機にあったレーシングドライバーもまさにその状況でした。成績が悪くなり集に3度のウエイトトレーニングを2-3時間繰り返し 副交感神経レベルの低下をまねき、口内炎、不眠、下痢、疲労回復の遅延、易感染性の状態で体調は最悪、レースに集中できない状態に陥りました。

トレーナー、レースサポート担当医としてコンディショニングを行ったところ


1:エアナジーによる自律神経機能回復(現在では水素吸入)
2:ウエイトトレーニングの完全停止
3:呼吸法の導入
4:アロマセラピーの導入
5:自律神経トレーニング


により2007、2008年度のフォーミュラNIPPON(現スーパーフォーミュラ)の年間総合王者に輝きました。

もう一つの国内最大級レースにスーパーフォーミュラがあります。フォーミュラカー(オープンホイール)を使用した四輪レースで、フォーミュラ・ニッポンを引き継ぐ形で2013年にスタートしました。略称は「SF」、レース格式は国際。

『日本一速い男 決定戦』とも呼ばれ日本最高峰のカテゴリーであったフォーミュラ・ニッポンを、アジアのスタンダードフォーミュラを目指しアジアを中心にグローバル展開を進めるにあたり、シリーズ名称の変更が行なわれたのです。2015年の概要発表会では、白井社長の口から「名実ともに世界の三大フォーミュラカーレースのひとつとして、F1、インディカーと並び称されるカテゴリーにまで発展させることを目標」と述べており、国内という枠からの脱却を目指しています。

使用される車両は、初年度のみ前年までと同一のスウィフト・017.n(SF13)に、3.4L V8エンジンのトヨタ・RV8Kまたはホンダ・HR12Eを搭載したものですが、2014年からはダラーラ社のSF14に変更され、搭載されるエンジンは、従来通りSUPER GT・GT500クラス用と基本設計が共通のものとなる「NRE(Nippon Race Engine)」と呼ばれる2.0L 直4 直噴 ターボエンジン、トヨタ・RI4Aおよびホンダ・HR-414Eになります。つまりよりF1に近づく強力なGや負担がレーシングドライバーにかかるレースとなっているのです。

生身の身体で大きなGがかかると身体には生理学的大きな負担がかかります。
特にブレーキングGと呼ばれるブレーキで急激に減速する時にかかるGは脳内の血流分布を一瞬で大きく変化させます。
この時、トレーニングを受けていない一般人ではブラックアウト、つまり失神状態になることが知られています。

脳への血流こそがアスリートの集中力を高めるには大変重要な因子です。

この血流調整は血管の収縮、拡張を無意識に調整する生体機能であり自律神経が働いた結果です。
トプアスリートは自律神経の機能が特に高く トータルパワーといわれる数値や副交感神経レベルが高く 極限の緊張状態でも安定した精神や身体バランスを維持することができます。


-レーシングドライバーに必要な自律神経トレーニング

レーシングドライバーも例外ではありません。
レーシングドライバーこそ 最強の自律神経機能を有するアスリートであることが必要条件で実際、F1レーシングドライバーやスーパーGTの年間王者に輝いた1流レーシングドライバーは自律神経機能に優れています。
レーシングドライバーへのコンディシィニングとして自律神経機能向上が必須なのです。

1:水素吸入による自律神経機能向上
2:高気圧酸素療法による自律神経機能向上
3:Core Controlによる自律神経機能向上
4:セル・エクササイズによる自律神経機能向上
5:HOT TABによる自律神経機能向上(疲労回復)
6:セル・トリートメントによる自律神経機能向上(疲労回復)
7:MediColon(活性乳酸菌製剤)による自律神経機能向上(腸内細菌叢改善)
8:ビジョントレーニングによる脳血流アップ


がレーシングドライバーのパフォーマンス向上として勧められ現在、上記システムやコンディショニング法の検証が進んでいます。


■ F1ドライバーが耐えなければならない最大のプレッシャーがGフォース

F1レースでは、ドライバーは、プレッシャー、高温のコクピットなど全体的なフットネスレベルに対し大きく長い負荷を受けると同時に、通常の人間なら意識を失うほどの重力加速度です。

Gフォースは、自由落下に対して加速する物体に重力が及ぼす圧力であり、レーシングドライバーは重要な一瞬の判断をしながら、この負荷の大きい力に耐えることができる超人的アスリート。

モータースポーツのGフォースは、高速乗用車に乗って高速コーナーを回るときの2Gから、停止状態から1秒未満で時速100マイル(160km)まで加速するドラッグ・レースのトップカテゴリーの5.3Gまでの範囲にあります。

瞬間的に大きなGフォースを生き延びたドライバーの例は、1977年シルバーストンで開催されたイギリスGPのフリー走行中、デイヴィッド・パーレイは、ベケッツ・コーナーでアクセルが戻らなくなり、179.8gと推定される力を短時間経験しました。

その後の衝撃で、マシンは2フィート足らずの距離で時速108マイル(173km)から停止。脚、腰、骨盤に重傷を負ったが、レースに復帰できるまでに回復しました。しかし、運が悪いと軸索損傷という中枢神経への神経断裂という深刻なダメージを負うこともあるのです。

通常のグランプリレースでも、F1はGフォースが高く、ドライバーは各レースで3~5Gに耐え、レッドブル・レーシングのカー・ エンジニアリング責任者ポール・モナハンは「ドライバーが経験する大きな加速力は、横および縦方向のもので、最高値は4.5Gを越え、ドライバーの肉体 は、短時間ではあるものの自身の体重の4.5倍の力を受ける」と語っています。

戦闘機や曲芸飛行のパイロットはさらに高いレベルのGに耐えるが、垂直軸のみであるので、ドライビングの方が肉体にとっては厳しい場合もあります。空軍パイロットはさらに大きな重力負荷を経験しますが、それは通常背骨に沿ったものだが、F1ドライバーは背骨にほぼ直角の負荷を耐えています。

マーク・ウェバーは「Gフォースがかかると、体が締めつけられるような感じがする。高速コーナーでは 回っているときにGフォースは横からかかるので、肋骨、腰、首がシートに押し付けられる。それに耐えて集中力をレース中に長時間保持しなければならない。この力はゆっくりとかかり、コー ナーの半ばで最高に達する」と説明。

ブレーキを踏むとGフォースのレベルは急に増減し、ウェバーは「それは全く違う感じだね」と話します。
呼吸管理が重要になります。3Gを越えると自由に呼吸できなくなるので、意識を失う危険があるのです。

ウェバーは「Gフォースを経験しているときは、いつものように呼吸するのが難しくなる。特に長い高速コーナーではね。息を止めなくてはならない場合もあるので、少し弱気になることもある。」

そのため、信じられないほどのコア・フィットネス、スタミナ、集中力が必要とされる。しかし人によってGフォースへの耐性は大きく異なり、肥満している人 の方が、痩せて健康な人よりもGフォース耐性が高い場合があるのです。これは肥満の人の循環器が血流を制限するからである。もちろん逆に、循環器に負担がかかると失神する場合もあります。

循環、呼吸、発汗、体温調整、消化吸収、脳血流のコントロールなどすべての身体の無意識な生命維持を行っています 自律神経機能を計測し鍛えることは、ドライバーにとって過酷な環境下でも集中力を失わず安全にドライビングできる最も重要なポイントであることを自律神経研究の専門医として強くお勧めいたします。パフォーマンス向上はもちろん、事故回避能力は、すべてドライバーの自律神経能力にかかっているといっても過言ではありません。

しかし、唯一の方法は心血管トレーニングであり、レースに集中できる耐性を高めなければならない。ウェバーは「トレーニングに関していえば、マシンが最高の道具だね」と言っています。
つまり心血管トレーニングこそ自律神経トレーニングなのです。


極限の環境下で、事故で命の危機という大きなリスク、ストレスに曝されながらレースを行うレーシングドライバーにとって集中力は最も重要な能力です。

リスク管理から考えてもレーシングドライバーにとって自律神経へのアプローチ、コンディショニング、トレーニング、ケアは必須事項なのです。
私どもはこれまでF1レーシングドライバーをはじめ国内のGT、スーパーフォーミュラ年間総合王者をはじめ トップ選手を指導、サポートを行い自律神経をはじめ様々な生体データを取得し研究に努めてきました。
このコンディショニング、トレーニング、ケアノウハウが多くのドライバーのパフォーマンス向上に役立つと確信しています。

最近の私どもの知見ではドライバーの脳血流をいかに向上させるか。集中力アップも含めこれに尽きると考えます。
耐久レースでは車内が摂氏60度以上にもなりドライバーの身体は脱水状態になります。この時、疲労した筋肉をクールダウンするため大量の血液が筋肉内に流れ込み脳の血流は低下してしまいます。脱水でさらに脳血流低下に拍車がかかります。
無計画なウエイトトレーニングはレーシングドライバーの脳血流を低下させることもあります。
レーシングドライバーには必要最小限の筋肉だけで良いのです。


レーシングドライバーのパフォーマンス向上には全ては脳血流にあります。

ビジョントレーニングも脳血流をアップさせると言われていますのでぜひ、導入していただきたいトレーニングの一つです。
身体というハードウエアばかり鍛えても結果が思うようにならないときは ソフトウエアである神経系統を鍛えるトレーニングをぜひ導入しましょう。

このためには専門医とトレーナーがサポートする必要があります。



 

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