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2014年1月24日 金曜日

日本唯一のスポーツ/トレーニング外来(その2)


日本唯一のスポーツ/トレーニング外来を持つ医療機関

さかえクリニックでは国内唯一のスポーツ/トレーニング外来を併設し、従来のアンチエイジング診療に加え全国から多くのアスリートの方々のトレーニング指導や先端治療を行っています。

整形外科で行われています従来のスポーツ外来とは全く異なる内容です。コンディショニング、トレーニング指導や身体能力向上指導、先端治療などを行ってアスリートサポートと共に順天堂大学医学部と共同で新しいトレーニングやエクササイズ、治療の研究開発にも着手しています。

怪我は整形外科、ケアやコンディショニグは鍼灸院や接骨院、トレーニングはフィジカルトレーナーと横の連携がうまく取れていない状況でこれらのことを個別で行っていましたが、各スペシャリストが連携してトップアスリート支援も行う体制を確立しています。


2020年東京五輪を見据えて新しい取り組みをスタートしました。

アスリートに必要な

1:コディショニング
2:トレーニング
3:ケア
4:治療
5:セカンドキャリア問題


この5つを多くのアスリートは求めています。
私どもは長年、各分野の専門医、フィジカルトレーナー、鍼灸師、カイロプラクター、スポーツメーカーの方々とネットワークを構築し アスリート支援の体制を築きあげてきました。
これら5つの具体的事項について、前回では解説させていただきました。

当院は、アンチエイジングを専門とする美容外科、美容皮膚科診療施設でもあります。
このため多くのアスリートから皮膚外傷治療やスポーツ外傷治療のご相談を受ける機会も多くその中で今回は治療に関しまして解説させていただきます。

当院のスポーツ外来では、アスリートの治療を行う以上にアスリートや指導者、トレーナーに外傷の正しいケア方法を指導させていただいています。

まず、正しい傷へのケアは


1:消毒しない。
2:ガーゼを傷へ直接当てない。
3:クリームを傷口に塗らない。
4:汚れた傷は異物を取り除くため洗浄。
5:入浴制限は翌日から不要。縫合創も洗浄。
6:できる限りカサブタを作らない。


以上が傷のケア、治療法として正しい行為です。

多くの格闘家やアスリートの方々は、傷は当然、スポーツにつきもの、放置しておけば治る、消毒、ガーゼで大丈夫。と教えられてきました。医学の進歩とともに、最先端の傷のケアは短期間で驚異的な治癒が得られます。しかも、治療には痛みを伴いません。クリニックには多くの多種多様なアスリート達が試合や練習中の皮膚外傷で治療に訪れます。私は、プロボクシングの試合ではセコンド、カットマンとして試合中の選手の傷の確認やケアも行ってきました。

一次処置として大切な治療は、まず、止血です。
出血は、圧迫すればよほど太い動脈の出血でない限り止まります。
この場合、エピネフィリンという薬剤を使用して止血することもあります。

最近では、アルギン酸カルシウム塩という海藻から抽出した成分の止血材が素晴らしく有効です。
しかも傷を保護してくれる効果もあり、擦り傷や縫合創へ使用しておくと翌日には瘡蓋を作らず傷がキレイになっています。
打撃系格闘家にとって最も厄介な傷が切創と呼ばれるいわゆる カットした傷ですね。
バッティングやパンチで眉毛辺りに切創ができます。

試合中、浅い傷であれば続行できますが、深い傷の場合は、ドクターストップとなり運が悪いとTKO負けになります。特に静脈が露出したり切れた場合は出血も多量になりリスクが生じます。古傷がわずかなパンチで開いてしまい、試合がストップさせられることもあるでしょう。プロボクシング試合現場にきまして、後楽園ホールでの試合の場合は、外科系の医師がすぐに対応してくれて傷口をしっかりとナイロン糸で縫合することが多いようですが、地方の試合では、医療用のホチキスで傷口を雑に留められ かえって傷口がめくりあがり悲惨な結果になっているケースを多々、経験しました。

応急処置としましてもあまりにも雑でお粗末。この状態を放置されれば選手生命にも大きく影響が出てくるケースもあります。直ちにすべて糸やホチキスを外して再度、正しい縫合法で縫合を行う必要があります。筋肉層が露出するまでの深い傷には真皮縫合してその上の表皮を縫合するテクニックを使用して傷の補強に努めます。(上瞼では真皮縫合は行いません)手術以上に術後のケアも大切です。

感染したり血腫ができたり、異物が混入している場合は、大幅に傷の治りが悪くなります。そのために縫合前には十分な洗浄が必要であり時には抗生剤の投与が必要です。ボクシング会場での縫合処置は十分に創部の洗浄が行われないことも多く後日、傷が感染を起こしたり膿疱を生じて大がかりな手術が必要となってしまった事例も少なくありません。適切な治療が選手をTKOのリスクから守ることができます。

それでは実際の医療現場ではどういった処置を行うのか、あるプロボクサーの例を示します。


◆ 症例 1 ◆



日本タイトルマッチ戦で バッティングでの傷が深く負傷判定負けを喫したプロボクサー。試合中は、激しい出血で眼の中へ血液が流れ視野が遮られたようです。
試合直後、後楽園ホールで一次的な縫合処置をリングドクターから受けました。
一般的な皮膚外傷の治療としては問題ありませんが、早期に復帰し試合を行うプロボクサーの場合はこの状態での治癒は、問題です。

そこで

1:ガーゼを直接、傷に当てられていたため傷とガーゼがくっ付いて剥す際、出血と痛みを伴った。間違った処置。
2:表皮のみの縫合でした。かなり深い傷でしたので真皮縫合が必要でした。
3:縫合されていた糸を全て除去。
4傷口を精製水で洗浄。
5:傷の状態を確認して真皮縫合を行い、創面をぴったりと寄せて表皮縫合。
6:縫合部が乾燥しないようにビタミンC誘導体が含有されたジェルを縫合部へ塗布。
7:止血目的でアルギン酸カルシウム塩を縫合部へのせる。
8:フイルムドレッシング材で覆う。
9:その上から圧迫をかけるためのコットンを当てテーピング。(デッドスペースを作り血腫ができないようにするため)
10:翌日、傷の状態をチェック。 瘡蓋もなくキレイな傷
11:翌日から傷を洗浄し、乾燥させないようにケア
12:5日目に抜糸
13:抜糸後は2-3か月テープで傷を保護。


プロボクサーは3-4ヶ月に1回の割合で試合を行うことが多いようです。
3か月では傷は完全に真皮まで癒合できません。真皮までの確実な癒合は1-2年必要な期間です。いかに早く治すか、キレイに治すかが選手生命も左右します。


◆ 症例 2 ◆



4回戦の試合中、バッティングで負傷。試合後、医療用ホチキスで傷口処置されたプロボクサー。

1:大きく傷口がめくれ上がり段差状にホチキスの装着。
2:ホチキスを除去し傷口を洗浄
3:めくれ上がりダメージされた組織をデブリードマン(切除)
4:真皮縫合を行い、傷口を補強
5:表皮を細いナイロン糸で縫合
6:縫合部をジェルで湿潤環境に維持させる
7:滲みだす血液を止血するためアルギン酸カルシウム塩を縫合部へのせる。
8:フイルムで傷を覆う。
9:上からコットンを乗せテーピングで圧迫。


処置の間、一切、消毒は行いませんし、ガーゼを直接当てません。洗顔も洗髪も当日からOK。汗臭い状態を我慢する必要もありません。正しい処置がいかに傷の治癒を促進するかがよくわかります。

いかがでしょうか?少し難しいかもしれませんが、医学理論でも傷のケアに対しまして最近は大きく考え方も変わってきています。是非、できる範囲で実践してみてください。驚異的な治癒効果に驚かれるでしょう。


◆ カットマン ◆

カットマンはボクシングやキックボクシング、総合格闘技などのセコンドでカットした傷をインターバル中にケアするプロフェッショナルのことですね。私もプロのカットマンとしてセコンで選手をサポートさせていただいていました。創傷治療の専門医で本格的にプロボクシングのカットマンを務めてたのは世界初のようでした。

過去には、公式戦で世界・東洋太平洋・日本タイトルマッチを含む200戦以上のセコンドとしてカットマンを務めてきました。格闘技の試合にカットはつきものです。

1分間という短い時間でいかに止血して傷が広がらないようにするか。出血は視野を奪い大きなハンディとなります。カットマンの技術が試合の結果を左右することすらあります。PRIDEのリングで大活躍した米国人ジェイコブ・デュラン(Jacob Duran)氏は、映画ロッキーでもカットマンとして出演し多くのプロボクシング世界戦や総合格闘技の試合でも伝説のカットマンとして活躍しています。

また、亀田大毅選手がメキシコからカットマン ルベーン・リラ氏を内藤選手との世界戦のために招聘したことは有名です。医療用の止血材であるボスミンを密かに使用しているカットマンがいますが、厳密には違法行為。医師以外が医療用材料で他人の傷のケアを行ってはいけません。こっそり血管収縮薬剤を使用して綿棒で圧迫、ワセリンを塗布して止血。が試合中に行われているようです。薬剤を試合中に使用することには賛否両論があります。

現在は、アルギン酸カルシウム塩という海藻から抽出した止血用の綿のような素材がありこれをワセリンと混ぜて綿棒で圧迫止血すると驚くほど止血に成功することがあります。つまり薬剤を使用しなくても創傷被覆材の一部とワセリンなどを特別な割合でミックスさせていわゆる秘伝の止血ワセリンをカットした傷に塗布して止血するのです。この技術は十分に世界に通用します。

副作用も無く、ドーピング行為でもありません。
止血には圧迫が一番。ですが、単純に綿棒で圧迫するよりはるかに有効です。
多くのアスリートを支えるためには医学的知識と技術が必須です。微力ですが、今後もアスリートを先端医学でサポートさせていただけましたら幸いです。


◆ PRP療法 ◆



最新の再生医療の技術をシンプルにスポーツ医学へ応用したPRP療法は、高濃度の血小板を含む血漿を作成して膝蓋靭帯炎やアキレス腱炎など慢性の炎症部位へ注射して根本的に治癒させる治療法です。

これは創傷治療の概念から生まれた皮膚外傷や肉離れ、腱や靭帯損傷を短期間で確実に治療できる新しい治療です。
国内では初めてトップアスリートへの治療を私が行いました。


スポーツ/トレーニグ外来 
では先端医療を導入して多くのアスリートを支えています。
 
 

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