最新スポーツ情報

2013年1月21日 月曜日

格闘家のための肌のケア | ニキビは皮膚感染症。青春のシンボルではない。

肌のケアというと女性だけの行為と考えられがちです。
90%以上の人が人生の中でニキビが発生し、その中でわずか10%しか医療機関へ掛って治療を受けていません。ほとんどの方はニキビができてもそのうち治ると放置するか市販薬で自分で治療を行っているのが現状です
しかし、ニキビは重症化することも稀ではありません。

いつまでも赤くはれ上がったような丘疹が顔中に出現して、治ってもアイスピック状やクレーター状のニキビ跡が残るケースもあります。
長期間にわたって赤みが残ったり色素沈着が残るケースもあります。
格闘家は肌なんか気にしない。

アスリートでニキビ肌に悩んでいる方も少なくないはずです。
男は黙って耐える...
指導者がもしこんなことを言ったら、現在では問題視されるでしょう。
ニキビを放置すれば少なからず跡が残り 将来、このニキビ跡で悩むようになり心理的負担が生涯、生ずる可能性があるのです。

汗を放置したりウエア、道着でこすったりすれば悪化します。
アスリートは特に汗をかく機会が多く、汗はニキビにとっては大敵なのです。
ここでは、多くの方が一度は気になるニキビのケアと最新治療法を解説します。
時に、肌は心を映す鏡でもあります。是非、ケアや治療法を知識として知っておいてください。




―― ニキビの原因

1:男性ホルモン作用による皮脂の亢進

2:毛包の角化異常

3:ニキビ桿菌増加


ニキビの多くは、思春期に性ホルモンの分泌が亢進することで発症します。ホルモンの影響を皮脂腺が強く受けており、特に男性ホルモンが皮脂の合成を増大させます。
男性ホルモンが増加するとニキビの重要な基礎状態である脂性肌になります。
毛包漏斗部という部位が角化異常を起こし詰まると皮脂が溜まってニキビ桿菌が増加して炎症を起こすのです。
紫外線によってもニキビは悪化します。
紫外線が皮膚にあたると活性酸素が発生し、炎症がおこるためです。
5月頃になるとニキビの治療でクリニックを訪れる患者様は急増します。
これは汗と紫外線が原因と考えられます。



―― ニキビの治療法

1:外用薬      2:内服薬      3:光治療

に分けられます。

1:外用薬 • イオウカンフルローション・・・毛穴の角質の詰まりを溶解させます。
• ビタミンC誘導体ローション・・・赤みを改善させたり色素沈着を抑制します。
• アダパレン(商品名:ディフェリン)・・・面皰を改善させます。
• 抗生物質  1)アクアチムクリーム  2)ダラシンゲル、ダラシンローション
2:内服薬 • 抗生物質
• ビタミンB6
• ビタミンE
3:光治療 ・フォトRF
・LED(Blue Light)

現在ではケミカルピーリングはほとんど効果が期待できないことが学術的に判断されています。
特にニキビ跡にはケミカルピーリング治療は無効です。
数年前までは注目されていたケミカルピーリングも現在ではニキビ跡には無効の烙印を押されてしまいました。


―― ニキビ跡の治療法

1:フラクショナルレーザー
2:マイクロニードルRF熱エネルギー治療
3:ヒアルロン酸注射
4:PRP療法
5:ビタミンC誘導体の塗布


が有効です。
私が、医師になった当初はニキビ跡には有効な治療がありませんでした。
リスク覚悟でダイヤモンドバーといういわゆる やすりのような器具で肌を少しづつ削って凹凸を治療していましたが痛みや赤みが長期間継続し、色素沈着のリスクもありました。
数年前にはレーザーで削る治療も美容外科で行われていましたが、色素沈着が残りやすい東洋人にとっては大きなリスクを伴う治療でした。医学が進んだ今、もはや行うべき治療ではありません。

しかし、最新のテクノロジーのによって、今やニキビ跡は治る時代になったのです。
特に効果が大きな治療法は 1:フラクショナルレーザーと2:マイクロニードル高周波熱エネルギー治療です。


1:フラクショナルレーザー治療
無数の微細なレーザー光を深部にまで到達させ、正常な細胞を残し、レーザー光に当たった細胞は凝固しますが、周辺の正常な細胞は凝固細胞を治癒しようとコラーゲンの再構築を促進し、効果的な皮膚再生が可能です。
フラクショナルレーザー療法と併用し、コラーゲン生成をさらに促す成長因子のGF Complex導入によって、ダウンタイムの少ない、効果が実感できます。新しい皮膚再生療法です。

フラクショナルレーザー治療直後に成長因子を導入することで、大きな治療効果が実感できるだけでなく少ない痛みで治療を受けることが可能です。赤みも2-3日、紫外線で日焼けした程度、女性の方では翌日から通常通りお化粧も洗顔も可能です。クレーター治療だけでなく毛穴の開きの改善にも有効です



2:マイクロニードル高周波 熱エネルギー治療
高周波エネルギーによる皮膚再生効果
特殊製作されたマイクロニードルという極細の針を真皮層に挿入し、バイポーラータイプの高周波エネルギーを伝達します。この熱エネルギーによる真皮の凝固で皮膚再生メカニズムが始まって真皮層内にコラーゲンとエラスティンが再生されます。皮脂腺分泌を正常化させて肌弾力、しわ改善、毛穴の開き、にきび跡改善に効果的です。

私が使用しているのはVIVACEという最先端システムです。1㎝四方の機器先端部には36本の特殊構造の針(最短0.5㎝、最長3.5㎝に調整可能)が設置されており、LEDと同時に針先から高周波熱エネルギーを照射します。
症状に応じて照射の深さや出力、LEDの種類、ショット回数等の数値を設定することができます。2~3週間に1回の治療を2~3回受けることで、1~2週間で効果が表れます。確実に効果が期待でき痛みも少ない優れた最新治療です。私が施術を担当させていただいたすべての患者様が効果を実感され満足されました。


3:ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は、麻酔が含有された製剤が発売となりました。本来、皮膚の真皮の構成成分であるヒアルロン酸を凹の部位へ注射して改善させます。治療直後から効果がわかります。アイスピック痕には効果が期待できませんが、クレーター状のニキビ跡には有効です。
治療時間は顔全体で10分程度。
副作用もなく効果的な治療法です。


4:PRP療法
これまでアスリートの怪我や創傷治療で紹介してきましたPRP療法。特殊なキットで、自己血を20ccほど採血して遠心分離してPRP(高濃度血小板血漿)を作製します。
作製したPRPをニキビ痕(特にクレーター状態の皮膚)へ注射してコラーゲン再生を図ります。PRPから皮膚を再生させる成長因子が放出されて凹凸が改善します。




5:ビタミンC誘導体の塗布
塗布するとイオン化するビタミンC誘導体ローションを毎日、皮膚へ塗り続けることで真皮のコラーゲン生成を図ります。効果発現には長期間必要ですが、費用も安く手軽に行えるニキビ跡治療法です。欠点はすぐに効果が出現しないことです。長期間持続的な治療が必要ですが、自分で行え比較的安価で治療が継続できるメリットがあります。

ニキビ跡はあきらめなくても治療ができる時代になりました。
多くのアスリートを悩ませるニキビ、ニキビ跡。
本当に青春のシンボルと思っている人は誰一人いません。

ニキビは、放置するものではありません。ニキビ跡はあきらめることではありません。
美容皮膚科医としても積極的な治療を是非、お勧めします。今回のコラムで日々のトレーニング同様、肌のケアにも是非、少しでも目を向けていただけましたら幸いです。

記事URL


お問い合わせ