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2011年6月24日 金曜日

紫外線はアスリートにも大敵! 紫外線の害から身体を守ろう!!


今回は、あまり普段気にかけていない 紫外線の害、つまり日焼けに関して医学的なお話をさせていただきたいと思います。

格闘家の皆さんは屋外でもトレーニングを行っていることが多いようですが、ほとんど紫外線に対しては無防備でケアを行っていることはないようです。それで、大丈夫なのでしょうか?


男に日焼け止めはいらない?

日焼け止めは 女性が行うことで男性は行わなくてもいい・・・と思われている方も少なくないようです。

女性はお化粧しますが男性はいちいち日焼け止め肌へ塗るのは面倒くさいしかっこ悪い。

これが現状です。

Wikipediaから一部引用します。(Wikiは内容の信頼性について疑問視されることがしばしばですが、この紫外線の記述は大丈夫です。)

紫外線(しがいせん)は波長が10 - 400 nm、すなわち可視光線より短く軟X線より長い不可視光線の電磁波である。光のスペクトルで紫よりも外側になるのでこの名がある。英語のultravioletも「紫を超えた」という語から来ている。

また、英語の ultraviolet からUVと略される。

赤外線が熱的な作用を及ぼすことが多いのに対し、紫外線は化学的な作用が著しい。このことから化学線とも呼ばれる。紫外線の有用な作用として殺菌消毒、ビタミンDの合成、生体に対しての血行や新陳代謝の促進、あるいは皮膚抵抗力の昂進(こうしん)などがある。

波長による分類法として、波長 380-200 nm の近紫外線(near UV)、波長 200-10 nm の遠紫外線もしくは真空紫外線(far UV (FUV) もしくは vacuum UV (VUV))、波長 1-10 nmの極紫外線もしくは極端紫外線(extreme UV,EUV or XUV)に分けられる。また、人間の健康や環境への影響の観点から、近紫外線をさらに UVA (400-315 nm)、UVB(315~280nm)、UVC (280 nm 未満) に分けることもある。

太陽光の中には、UVA、UVB、UVCの波長の紫外線が含まれているが、そのうちUVA、UVBはオゾン層を通過、地表に到達する。UVCは、物質による吸収が著しく、通常は大気を通過することができない。地表に到達する紫外線の99%がUVAである。

近紫外線 (波長 380-200 nm)

UV-A (波長 315-380 nm)
太陽光線由来のもののうち、5.6%が大気を通過する。皮膚の真皮層に作用し蛋白質を変性させる。細胞の物質交代の進行に関係しており、細胞の機能を活性化させる。また、UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる。サンタン (suntan)。

UV-B (波長 280-315 nm)
太陽光線の由来のもののうち、0.5%が大気を通過する。表皮層に作用するが、色素細胞がメラニンを生成し防御反応を取る。これがいわゆる日焼けである。サンバーン (sunburn)。

UV-C (波長 200-280 nm)
オゾン層で守られている地表には通常は到達しない。強い殺菌作用があり、生体に対する破壊性が最も強い。地球温暖化やハロン系物質によりオゾン層が破壊されると、地表に到達してあらゆる生物相に著しい影響が出ることが懸念されている。

人間が、太陽の紫外線に長時間さらされると、皮膚、目、免疫系へ急性もしくは慢性の疾患を引き起こす可能性がある。



簡単に言いますと、紫外線は太陽光線の一部であり 波長が短く皮膚のみならず目に対してもダメージを起こす光の一種です。

紫外線は、予防することにこしたことはありません。特に子供のころから屋外で無防備に長時間 紫外線に暴露されることで 成人になってからシミが急激に出現したり シワが早期に出現し、皮膚が確実に老化することが指摘されています。

漁師さんやスキープレーヤー、屋外でのスポーツ選手が若くしてシミだらけで 皮膚がシワでくちゃくちゃになられている方が少なくないことを御存知と思います。

紫外線は、皮膚や目のレンズを確実に老化させます。紫外線は当たった方が良いのではなく当たらないにこしたことはないのです。

老化や紫外線による出演するシミ(老人性色素斑)
老化や紫外線による出演するシミ(老人性色素斑)

フォトRF治療後
フォトRF治療後




SPFとPA

最近の研究では、アンチエイジングの検査や治療システムが進歩してこれらの状態を具体的に把握することも可能となり治療も格段と進歩してきました。

こういった治療をお話しする前に 日焼け止めのローションなどでよく聞く  SPF,PAに関しまして説明します。

市販の日焼け止めローション・クリームも紫外線の進入を防ぐ効果を利用しています。これらの製品では、「SPF値」「PA」と呼ばれる紫外線防御効果が記載され、SPF値はSun Protection Factorの略で主に日焼けの原因であるUVBの遮断率を表しています。SPF25の場合は、無対策の場合と比較して紫外線が1/25になり、SPF100は1/100になります。PAは protection of UVA の略で、UVAの遮断に対する効果を表しています。PAは+(効果がある)、++(かなり効果がある)、+++(非常に効果がある)の3段階で表記されます。PAがSPFと異なり、数値で表記されないのは、UVAのブロック率を評価する良い分析法が存在しないためです。

欧米では、皮膚がんの発生率が日本の十数倍になります。これはメラニンを作成する能力が欧米人は日本人に比較して弱いためです。

紫外線に当たるとすぐに赤く皮膚が腫れあがるタイプの方は、皮膚のDNAが紫外線によって傷つきやすく絶対に日焼け止めの使用をお勧めします。

肌がこんがりと黒くなるタイプの方は赤くなる方よりもダメージが少ないのですが繰り返し紫外線を浴び日焼けを続けるとシミが確実に出現することになりますので要注意です。

皮膚だけでなく紫外線は目にも悪影響を及ぼします(以下の文章はWikiを基に作成しています)。

強度の強いUVBは目に対して危険で、雪眼炎(雪目、雪眼)や紫外眼炎(電気性眼炎)、白内障になる可能性があります。

保護メガネは、紫外線(特に短波長の紫外線)にさらされる環境で働く場合(電気溶接作業)や、その様な環境(雪山やスキー場のゲレンデなど)にいる場合には有効です。保護メガネで覆われていない横から目に入る紫外線を防止するために、高高度の登山家が使用するようなゴーグル状の完全に覆われた保護メガネを使用したほうが曝露に対するリスクが減少します。

通常の眼鏡は、わずかの保護効果があります。ガラスはUVAに対して透明であるのに対し、プラスチックは通過率がガラスより低いため、プラスチックレンズは、ガラスのレンズより保護効果があり、材質(例えば、ポリカーボネート)によっては、ほとんどの紫外線が妨げる場合もある。眼鏡に十分な紫外線対策を期待するならば、フレームの形状も考慮するべきです。

上部からの紫外線の侵入を減らすため、外出時はつば付きの帽子の併用をお勧めします。ほとんどのコンタクトレンズは紫外線を吸収し網膜を保護します。

フォトRF照射前
フォトRF照射前

光と高周波を顔全体へ照射してシミを除去し肌の張りを改善させる治療(フォトRF)
光と高周波を顔全体へ照射してシミを除去し肌の張りを改善させる治療(フォトRF)

フォトRFによるシミ治療風景
フォトRFによるシミ治療風景
 



シミができてしまったら

シミには数多くの種類がありますが、

1:老人性色素斑
2:日光性色素斑
3:肝斑
4:老人性疣贅
5:雀斑(ソバカス)


などが主なものです。

治療は大きく分けて、

1:内服薬・・・ビタミンC、トラネキサム酸
2:外用薬・・・ハイドロキノン、ビタミンC誘導体、ビタミンA誘導体
3:光治療
レーザー(最近のレーザーは数億分の一秒という極めて短い時間のみ作用)
フォトRF(光と高周波を肌へ照射して若返りを図る)
LED(発光ダイオードを照射し皮膚の老化を抑制)

になります。

特に最近ではレーザーでシミだけの治療を行うよりも全体のシミと小じわや肌の張りを改善させるために フォトRF治療という光と高周波を皮膚へ照射して肌を若返らせる治療が主流になりました。

フォトRFは光エネルギーを最小限に抑え、その補填としてRF(高周波)エネルギーを使用します。この場合使用する光は IPLと言って 480nm~980nmの波長の可視光線になります。 RFエネルギーは、光とは異なる選択性をもち、メラニンや血管の分布と無関係に働きます。 従って表皮のメラニン量に影響されずに、効率的に真皮層へ熱エネルギーを与えることが出来ます。 これにより従来の光エネルギーによる痛みや火傷のリスクが抑えられ、肌や毛の色に影響されない治療が可能になると考えられています。同時に冷却システムが働き痛みもほとんどありません。

シミのみならず肌の張りの改善もできる若返り治療としましてここ数年注目されています。

また、女性特有で特に紫外線で悪化します 肝斑という両頬に対照的に出現するシミにはレーザートーニングという新しいレーザーが有効です。

これまでのレーザーのように強いエネルギーのレーザーを直接肌へ照射するとかえって悪化することもあります。
レーザートーニング光をフラットに優しく照射する新しいレーザーシステムでシミを改善させ肌の若返りを図ります。

最新のYAGレーザーシステム
最新のYAGレーザーシステム

YAGレーザーでスポットとしてシミを除去
YAGレーザーでスポットとしてシミを除去

LEDを照射してシミ治療を行う
LEDを照射してシミ治療を行う

LEDを照射してのシミ治療中の様子
LEDを照射してのシミ治療中の様子

 

 

注目してほしい皮膚治療

紫外線はシミだけでなくシワの原因にもなります。

紫外線は真皮へ到達すると真皮にあるコラーゲンやエラスティン、ヒアルロン酸などを減少させてしまいます。

シワは3種類に分類されます。

1:表情ジワ・・・表情を作った時に出現するシワ
2:溝によるシワ・・・凹んだ状態のシワ
3:タルミによるシワ・・・重力により垂れてしまったたるみによるシワ


治療法は、

1:ボトックス注射
2:ヒアルロン酸注射
3:光と高周波を皮膚へ照射し真皮のコラーゲンを増加させる(ポラリス、フォトRF)


最先端のアンチエイジング治療がシワを改善させますが紫外線予防が最も重要なシワ対策になります。

これらの医療技術は全て アンチエイジング医療の進歩によるものです。

アスリートは中からの若返りに目が行きがちですが 外である皮膚の若返りにも少し注目していただきたいですね。

シワ治療薬剤。BOTOX(アラガン社製)
シワ治療薬剤BOTOX(アラガン社製)

ボトックスをシワの原因である筋肉内に注射して治療
ボトックスをシワの原因である筋肉内に注射して治療

レーザーと高周波を顔全体の皮膚へ照射してコラーゲンを作る細胞を刺激するシワ治療(ポラリス)
レーザーと高周波を顔全体の皮膚へ照射してコラーゲンを作る細胞を刺激するシワ治療(ポラリス

ヒアルロン酸注射前
ヒアルロン酸注射前

ヒアルロン酸注射後
ヒアルロン酸注射後

ヒアルロン酸注射前
ヒアルロン酸注射前


ヒアルロン酸注射後

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2011年6月14日 火曜日

驚異の再生医療・PRP療法 あのメダリストが蘇った!!




前回は創傷処置の正しい方法や理論を解説させていただきました。今回は最新の治療法である再生医療を応用したPRP療法をご紹介させていただきます。



再生医療とは

国内における唯一のアスリートへのPRP療法の臨床研究機関として私どもは現在、順天堂大学医学部と研究を進めています。

日本の政府や再生医療を進める団体は再生医療の研究を「細胞移植・組織移植により、これまで不可能であった変性疾患の根治を目指した革新的医療技術である」と定義しています。つまり 使えなくなったり、老化したりした体の一部を、「再生」させて蘇らせようという医療のことで、例えば、火傷で傷ついた皮膚の代わりに、人工皮膚や自分の皮膚を培養した物を使ったりする治療や、白血病患者さんに骨髄移植したりする治療が有名です。つまり自分自身の細胞や他人の細胞、あるいは他の動物の細胞に対し、細胞の外から何らかの工夫を加えてその細胞の持っている能力を身体の中で発揮させ、機能を回復させる治療法です。





再生医療の最新の動き

文部科学省は、これまで禁止されていたヒトES細胞、ヒトips細胞およびヒト組織幹細胞から生殖細胞を作成する研究を解禁しました。これにより京都大学の中山先生などによる先進的な研究が、各大学、研究機関で進んでいます。ヒトES細胞等を分化させて生殖細胞を作成することが可能になれば、生殖細胞の成熟・分化機構の検討が可能となり、多くの疾患の原因解明や新たな診断・治療方法の確立につながります。

 




再生医療とPRP

自己細胞を利用した組織再生と若返り・創傷治療を行う方法に自らの血小板を用いたPRP注入療法があります。PRPとはPlatelet Rich Plasma (多血小板血漿)の略でこの治療法は自分の血小板の濃度を高めて使用することから正式には多血小板血漿注入療法と呼ばれています。

この治療は自分の血液から採った血小板を使うため拒否反応がなく、ウイルスの感染などの心配もない安全な方法です。PRP注入療法による組織の若返りやしわの軽減などの美容分野への応用は2006年に日本で初めて開発されました。国内では美容では大きな臨床的実績があります。 

血小板な血液中に含まれる細胞の一つです。血液は血球と液体成分の血漿からなり、血球には赤血球、白血球、血小板があります。赤血球は約120日生存しますが、血小板は約7日ほどです。血小板は直径2μと赤血球、白血球などに比べて小さく、数も血球全体の1%程度です。

血小板は止血効果、創傷治癒効果の2つの働きを持っています。


 




血小板を利用した治療の歴史

血小板を用いた治療はアメリカ・マイアミ大学の外科医であるロバートマークス博士らが中心になり1990年ごろから始められました。マークス博士は著書の中で「1990年代の初めから今日までに、血小板に含まれる増殖因子は創傷治癒の驚くべき力を持っていて、血小板がすべての人間の創傷治癒を開始する重要な細胞であることが発見された」と述べています。

血小板は傷の治療だけでなく、若返りにも効果があります。

血小板は、内部の貯蔵類粒を特っていて、貯蔵顆粒は3種類の顆粒、(1ysosoma1顆粒、dense顆粒、alpha顆粒)から成り立っていて、alpha顆粒には増殖因子の貯蔵がされています。 血小板は血管中を循環している間は休眠状態(不活性)ですが、傷が出来ると活性化し、まず止血のために凝固を促進し、そして傷の治療の為、組織修復に必要な増殖因子を放出します。

血小板から放出される増殖因子にはそれぞれ役割を持った次のようなものがあります。


1. 血小板由来増殖因子

2.トランスフオーミング増殖因子

3.血管内皮増殖因子-VEGF

4.上皮増殖細胞-EGF

5.繊維芽細胞増殖因子-FGF


PRPを注射するため極細の針を注射器に装着
PRPを注射するため極細の針を注射器に装着

PRP注射する前、イソジンによる消毒処置
PRP注射する前、イソジンによる消毒処置

PRP療法は国内ではしわやたるみを改善させる美容医療からスタートしました。
PRP療法は国内ではしわやたるみを改善させる美容医療からスタートしました。

 




PRP療法とそのメカニズム

PRP療法は血小板が持っている、傷を治し、組織を修復し若返らせる力を、増加、加速促進させます。高濃度の血小板(PRP)を作り、創傷治癒をさらに促進させるように働かせます。そのためには高濃度の血小板の採取とその活性化が必要です。

大きな治療効果に必要な血漿の血小板数については色々な意見がありますが通常の血小板数の4~7倍で臨床上効果があると言われています。

人の血液中の血球は普通、血小板が1%程度です。PRPは血小板の濃度が約94%~96%で残りは少しの赤血球と白血球です。血小板の数を増すことで、治癒に有用な影響を及ぼす増殖因子の作用を強めるのがPRPの使用の意義です。


 




PRPはどのように機能するのか

PRPの作用は血小板中のα顆粒が放出する成長因子によります。これらの成長因子の放出は、凝固反応の過程で開始され、凝固開始後10分以内に始まります。その時点で合成されていた95%以上の成長因子は1時間以内に放出さます。

ほとんどの成長因子と同じように血小板中のα顆粒中の成長因子は働き出すまでには一定の過程が必要で、その過程で生物的活性を持った完全なものとなります。

PRP 製作には遠心器を使用し、清潔下で行われ、血小板を赤血球やその他の成分から高速化で分離、しかも血小板を壊したり傷つけないように抽出します。


 


 

PRPの若返り、創傷治療、組織障害への応用の実際と症例

PRP注入による皮膚組織の若返り治療法は自己の細胞を利用するため、この療法を自己細胞による若返りを意味するACR療法(Autologus Cell Rejuvenation,)ともいいます。

ACR療法(PRP注入療法・多血小板療法)は2つ目の、血小板が傷を治す効果を応用した治療法で、肌全体の若返りや傷ついた組織の修復を図ります。しかも自らの血液を20cc程度利用するのみで、副作用もアレルギー反応もありません。効果には個人差がありますが、約1~3ヶ月程度かけて肌状態の改善が実感、効果も1-2年程度持続します。

慢性アキレス腱炎などの治療では2週間ほどで劇的な効果が出現し、半年以上効果が持続します。


◎ACR療法の特徴と治療対象

しわ・たるみ・きめの改善
傷の治癒促進(火傷、肉離れ、骨折、靭帯損傷、アキレス腱炎・・・)
にきび痕
肌の若返り
火傷
皮膚外傷
皮膚壊死
テニス肘
ゴルフ肘
肉離れ
アキレス腱障害
靭帯損傷
ガングリオン

採血した血液を遠心分離して高濃度血小板血漿(PRP)を製作
採血した血液を遠心分離して高濃度血小板血漿(PRP)を製作

 




PRP療法の流れ

まず自己血液を20ccほど採血します。

自己血液を約20cc採血する
自己血液を約20cc採血する


非常に安全で性能のよい良いPRP作成用のマイセルキット、(My Cells kit)がイスラエルから発売され、これによりクリニックでも安全にPRP療法が出来るようになりました。マイセルキットはアメリカのFDAおよびヨーロッパCEマークを唯一取得した非常に安全性の高いものです。

採血された血液は遠心分離され、血小板を含んだ血漿部分と、赤血球とにゲルセパレーターの働きで分離されます。この血漿の下の部分約1ccに高濃度の血小板が集まっていて、この部分をPRPと呼びます。この部分のみを注射器に取り治療に使用します。

PRPが 有効に働く為には採取された血小板が破壊されずに生きている必要があり、血小板が有効に働き、皮膚再生が行われる為には、活性化されて増殖因子が放出される必要があります。

マイセルキットで採取されたPRPの注入法は、極細の針で損傷組織や肌へ注射します。


分離され製作終了したPRP。株式会社ベリタス資料提供
分離され製作終了したPRP。株式会社ベリタス資料提供

直接患部へPRPを注射する。注射量は1か所0.1cc程度
直接患部へPRPを注射する。注射量は1か所0.1cc程度

 




PRPの他領域への応用



安全で臨床効果の優れた自己の血液を使うPRP療法は美容分野のみならず歯科領域、関節炎、腱鞘炎など整形外科分野への実用化がすでに米国を中心に進んでいます。又、皮膚移植、やけど治療、動物の治療への応用など今後ますます活発に研究と実用化が進むと思われます。

国内では、アンチエイジング治療として美容分野へ導入され広く普及しておりますが、施術者の能力や使用するキットの質により効果も大きく異なります。私どもは 豊富なPRP臨床症例とスポーツ診療部でのアスリートケアの経験から 国内でも今後普及すると考えられる
PRP療法のアスリートへの施術を2009年より臨床実験・研究をスタートしました(臨床実験・研究)。

慎重にその経過と効果、手技、注入量、注入部位、プロトコールを検討し、株式会社ベリタスのご協力により順天堂大学医学部 総合診療科 小林弘幸教授、順天堂大学医学部 整形外科の下、臨床研究を進めています。

すでに海外ではNBA、メジャーリーグで活躍するトップアスリート、オリンピック金メダリストらが
PRP療法を導入して故障のケアを行っています。タイガーウッズ選手もオフィシャルにPRP療法によるアキレス腱断裂の治療や靭帯損傷の治療を行っていることを公表しました。

当院では、国内で初めて
PRP療法を美容目的以外でアスリートのアキレス腱周囲炎の治療に行いました。

陸上男子110MH アテネ、北京五輪日本代表で元日本記録保持者の内藤真人選手が北京五輪以前からの強いアキレス腱痛に悩み アキレス腱への
PRP療法を受け劇的に痛みが改善し2010年の日本選手権大会の出場も可能となり5位入賞しました。ロンドンオリンピックへ向けチャレンジが続きます。今後も疼痛改善のみならずアキレス腱の根本的治療にもPRP療法を継続することを強く希望されています。

内藤選手からの紹介で 世界陸上男子400MHで2度の銅メダルを獲得した為末大選手も
PRP療法を故障したアキレス腱と膝蓋靭帯へ行いました。

4月11日の日刊スポーツで為末選手復活レースの記事が掲載され、この中で
PRP療法の治療を受けたことが紹介されました。

◇4月9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州クレアモント

 陸上男子400メートル障害で世界選手権2度銅メダルの為末大(32=a-meme)が、北京五輪以来となる2年8カ月ぶりのレース復帰を果たした。米カリフォルニア州のパノマ大が主催する記録会で、400メートル走に出場。タイムは48秒74と平凡ながら、ケガとの闘いを乗り越えての復帰。侍ハードラーが第一線に戻ってきた。

 走り終えた為末1 件の表情には、心地よい充実感がみなぎっていた。「こうやって競技場に来るのは北京以来。怖さみたいなものがスタートする時にあって。タイムはよくないが、レースして、ゴールできて、本当によかった」。

 北京五輪後は故障続き。特に左膝の痛みに悩み、昨年8月、
自らの血小板を患部に注射するPRP治療を受けた。もともと美容整形の技術であり、タイガー・ウッズらも受ける治療法に選手生命を委ねた。「今年だめだったら、もうダメだろうな」と引退が頭をよぎったが、ここ3カ月は完全に痛みが消えた。

 今後は日本に戻り、17日に金沢の記録会でいよいよ400メートル障害に挑む。記録次第で来月3日の静岡国際への出場が決まる。今季は8月の世界選手権での決勝進出が目標。その出場権を得るためには、参加標準記録(A標準49秒40、B標準49秒80)を破り、6月の日本選手権で上位進出が必要だ。大きな目標は、来年のロンドン五輪出場だ。「五輪の決勝を戦うのが夢。その夢を見られそうだというのが、今日でだいぶ感触を得られた」。侍ハードラー復活へ、米国の地から大きな1歩をしるした。
[2011年4月11日9時13分 日刊スポーツ紙面から]


ほかにも日本を代表するアスリートがこの治療を受けて疼痛の改善、可動域向上など効果を実感して競技に復活しています。

ドーピングにならない画期的な治療法としてますます国内で注目を集めることになると予想されます。

将来的には肉離れや骨折、捻挫、突き指・・・といった一般的な怪我にもPRP療法が普及するかもしれません。

火傷や皮膚外傷で大きな治療効果を期待でき、実際、当院でも難治性の3度熱傷への治療としてPRP療法を行い目覚ましい効果が見られた症例を経験しました。

ガングリオン、外科手術後の傷口のケアにも使用されるようになるでしょう。遠い医療と考えられていました再生医療ももうすぐ身近になります。

ご期待ください。


血小板が放出する成長因子ネットワーク

セル・エクササイズ


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2011年6月11日 土曜日

本当の傷のケア方法を知ってください。


今回は、格闘家であれば誰でも必ず経験する怪我、特に皮膚外傷に関します治療法や概念を解説させていただきたいと思います。格闘家の皆さんも今回、被害にあわれました被災者の皆さんも怪我を正しい処置で早く治していただき、できる限り傷跡を残らないようにしていただきたいと考えます。

特別な医療材料がなくても必要最低限の創傷理論と処置で創は治ります。被災地でも格闘イベント会場、道場などでは専用の医療材料はほとんどありません。

でも大丈夫です。このプロジェクトの初回にもお紹介させていただきましたが、今回はさらにわかりやすく実践できますようご紹介させていただきます。




新しい傷のケアの考え方
(あくまでも一般的な応急処置となります。重大な汚染創や、 多くの異物混入がある場合は除く。)


ここ数年で傷のケアに対する考え方や治療法が大きく変化を遂げました。これまでは、擦り傷でも切り傷でも、まず消毒して、清潔なガーゼを当てて早く瘡蓋を作る。そして毎日消毒して清潔なガーゼでしっかり傷を覆う、という処置を、なんの疑いもなく医師も医療従事者も保護者もスポーツ指導者も行ってきました。

しかし、これら従来の治療法は大きな誤りです。

従来の処置を繰り返せば繰り返すほど、傷の治りは悪くなり、痛みは増強し、汚い傷跡が残ります。20年以上、美容外科専門医として傷をいかにキレイに早く、痛みが少ない方法で治癒させるかの臨床的研究に取り組んできました。小外科手術を含め、数万症例の手術や傷のケアのなかで、臨床経験と創傷処置理論とがぴったりと一致しました。それは、痛みなく、早く、キレイに、しかも安価で簡単にできるケアです。子どもの傷、スポーツ選手の傷、すべてに適応できる新しい理論と処置法です。



 

傷の処置の重要事項
傷の処置で、特に重要な事項についてご紹介します。


【1】洗浄と止血

傷を負った直後に真っ先に行うべきケアが、止血と洗浄です。特に洗浄は、異物混入による感染のリスクを軽減するので入念に行うべきです。傷の奥深く異物が混入していたり、多量の泥や砂、ガラスが混入していたりする場合は、すみやかに専門医療機関へ送り、適切な処置を受けましょう。洗浄は清潔な生理食塩水でと医学書にも記載されていますが、これは全く根拠がなく、洗浄は水道水で十分です水道水はどこにでもあるものであり、早急にケアができるので、どんな場面でも対応が可能です。

しかし、地震直後の被災現場では医療材料はありません。医療機関への搬送も困難な場合もあるでしょう。この場合は、とにかく傷を洗い流し少しでも異物を少なくしてください。泥や砂、木材の破片など異物が必ず感染を起こす原因になります。止血はどんな場合もひもやゴムなどで縛ってはいけません。逆に出血させやすくします。特に動脈が切れている場合は吹き出るような血液に驚かれることでしょう。ただちに圧迫して止血してください。圧迫が止血の最善の治療法です。

家庭でも手軽に行える傷のケアの材料、白色ワセリン、サランラップ、ビニール手袋、ビタミンC誘導体ジェル
家庭でも手軽に行える傷のケアの材料、白色ワセリン、サランラップ、ビニール手袋、ビタミンC誘導体ジェル

 


【2】消毒

消毒薬ポビドン・ヨード(商品名イソジン、ネオヨジンなど)のうち、イソジンが一般的なスポーツや医療現場で消毒薬として頻繁に使用されているようです。しかし、イソジンの殺菌作用はヨウ素の酸化力により、その殺菌力は細菌にだけ有効なのではなく、生体細胞まで有害に作用し、傷を治癒させるために必要な細胞も殺しますイソジンンの細胞毒性はすでに各論文で明確になっていて、細菌と何かの有機物とが共存していれば、イソジンの殺菌力は低下します。化膿している傷は有機物だらけですので、膿だらけの傷・出血している傷では、その殺菌力はかなり低下して、細胞毒性だけは残存しています。となると、傷を消毒するという行為は、殺菌のためではなく、傷を感染させやすい状態をつくり、傷の治りを悪くする行為になります。消毒ではなく傷毒なのです。マキロン、キズドライ、オキシフルなどの消毒薬も同様です。

傷口は水道水でよく洗浄して異物を洗い流す
傷口は水道水でよく洗浄して異物を洗い流す

医療現場では、クロルヘキシジン(ヒビテン、マスキン)はアナフィラキシーショックで多数の死亡事例も報告されています。傷の治りを悪くするだけでなく、大きなリスクの危険もあり、痛みも増強する消毒は、特別な場合を除いては行うべきではありません。一刻も早く傷を治したい状況で、傷の消毒は百害あって一利なしです。
私の20年以上の臨床経験では、傷を消毒しなくて感染症が発症したり、傷の治癒が遷延したりした事例は皆無です。また、ガーゼを毎日張り替え、傷を消毒して治癒が遅れ、競技に支障を来したアスリートの事例を、数多く診てきました。スポーツの世界では、傷への消毒はアスリートの選手生命を脅かすこともあります。

「消毒しないで破傷風になったらどうするんだ!」とういご意見もあります。また、屋外で傷を負う機会が多いスポーツ選手たちにとってとても心配ですね。しかし、消毒は破傷風予防の第一選択ではありません。


<破傷風に関しまして>
消毒で破傷風菌が殺菌できるのでしょうか?
破傷風菌は通常「芽胞」の形態で地中に存在し、「芽胞」は生半可なことでは死にません。沸騰している水中で15分以上加熱を続けても、まだ芽胞は死滅しません。 普通に使われている消毒薬では芽胞は死にません。従って、土が入り込んだ傷だからといって、それを少し消毒しても破傷風の予防には無効なのです。


消毒とは何か?

消毒薬は無害でも安全でもない

■クロルヘキシジン(ヒビテン ,ヘキザック)でアナフィラキシーショックから呼吸停止が起きている。
■家庭消毒用クロルヘキシジン(マキロン )の誤飲で死亡事故が起きている。死亡率が高い。
■ポビドンヨード(イソジン)は接触性皮膚炎を起こす率が高い。


つまり格闘技での傷、被災地での傷、いずれも消毒は不要です。
消毒薬はいりませんのでご安心ください。


 


 


【3】ガーゼ

傷に直接ガーゼを当てたらどうなりますか? ガーゼを傷に当てることで感染が防げたり、傷が早く治ったり、痛みが少なくなることはありません。滲出液のコントロールと一時的な止血ができるだけです。傷にくっついたガーゼをはがすとき、出血を起こしせっかく治るための細胞が集まってきた場を、乱暴にもむしり取ることになります。ガーゼを当てると血液がガーゼに吸収され、傷が乾燥してせっかく傷を治すために現れた細胞を死滅させます。ですから、傷にガーゼを直接張るという行為は特別な場合を除いては行ってはいけません。ガーゼは創面の破壊材料です。傷の保護という目的であれば、食品用ラップを傷に直接当てその上からガーゼを当てるケアが、最も単純で短時間で可能です。傷にはそもそも周りの皮膚から常在菌が入ってくるのですから、清潔なガーゼを当てるという行為も医学的根拠がありません。

サランラップを傷の大きさより少し大きめに切り取る
サランラップを傷の大きさより少し大きめに切り取る

ワセリンがあればワセリンを創に塗ってもよい
ワセリンがあればワセリンを創に塗ってもよい

ワセリンを塗った傷口にサランラップを貼ります
ワセリンを塗った傷口にサランラップを貼ります

1870年頃、細菌は乾燥状態では増殖しないことがわかりました。それなら、傷表面を乾かせば細菌が増えず、感染しなくなるのでは?と考えた19世紀の医者がいた。それだけが、ガーゼを用いる根拠です。
 

ガーゼを張る医者は、何の根拠があるのか?

 



 

【4】湿潤ケア

傷は乾燥させないことが最も大切なケアの1つです。これは縫合創でも同じです。以前は、早く乾かして瘡蓋を作らせることが傷ケアのゴールドスタンダードとされていましたが、傷の乾燥は確実に創傷治癒を遅らせます。医療機関へ行くほどではないと考えられている傷も、ケア次第では感染が起こったり、強い痛みで競技が継続できなくなったり、いつまでも傷が治癒しなくて精神的ストレスを感じたり、あるいはやっと治ったと思ったら醜い傷跡で悩むこともあります。

キズ○ライという傷を乾燥させる消毒薬が販売されていますが、この薬によって確実に傷は悪化しますので絶対に使用するべきではありません。子供を虐待するような危険な市販消毒薬です。

 
傷口にイソジンでの消毒は絶対に厳禁
傷口にイソジンでの消毒は絶対に厳禁

傷口に直接ガーゼを貼る行為は厳禁
傷口に直接ガーゼを貼る行為は厳禁
 

 



 

【5】入浴

入浴により治癒が遅れることはありません。美容外科医としてこれまで多くの外科手術を行ってきましたが、患者を入浴制限させていたときより、翌日から入浴し創面を軽く洗浄するほうが、はるかに創面の治癒期間が短縮され、キレイに治るようになります。止血していれば、翌日からの入浴、シャワーは可能。頭部の外傷でも、傷を直接刺激しないようにすれば、翌日からシャンプーでの洗髪も可能です。怖がって創面を洗わないとかえって不潔になり、汚物がたまって感染源にもなりうるのです。

 


 


【6】クリーム

クリームの成分には界面活性剤が含まれています。クリームは水と油が溶け合ったものです。クリームを洗い落とすとなぜか皮膚はゴワゴワ、シワシワになります。これはクリームに含まれる界面活性剤が皮膚の油を分解してしまったためです。皮膚の油(皮脂)は人間を感染から守ってくれている皮膚常在菌の生存になくてはならない栄養源です。それを洗い落とすのはとんでもないことです。

クリームに含まれる界面活性剤の疎水基は
細胞膜の蛋白質に結合し、細胞膜を破壊します。皮膚科の教科書に「クリーム製剤は健常の皮膚にのみ用いること」と明記されているのは、健常の皮膚は角化層で守られているからクリームを塗っても大丈夫だよ、という意味です。逆に言えば、角化層が正常でない皮膚(傷ついている皮膚、乾燥肌、アトピーの創部など)にクリームを塗ると、そこに含まれる界面活性剤が直接、傷口に襲い掛かかります。

クリームとは?


 



 

【7】ワセリン

ワセリンは、ペトロラタムともいいます。 色によって黄色ワセリンと白色ワセリンがあり、白色ワセリンのほうが純度が高いとされています。 日本薬局方において白色ワセリンは「石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの」と定義されています。 軟膏剤のような医薬品の基剤や、化粧クリームのような化粧品などの基剤として用いられます。 また潤滑剤や皮膚の保湿保護剤としても用いられます。

傷のケアに使用するワセリンは不純物のより少ない白色ワセリンを使用します。

傷口に直接ラップを貼ってもよいのですが、ワセリンで湿潤させても傷の保護にはメリットがあるようです。


医療用の創傷被覆材
医療用の創傷被覆材

医療機関ではカラヤヘッシブなど医療用材料を傷口に当てて湿潤状態を保たせてケアする
医療機関ではカラヤヘッシブなど医療用材料を傷口に当てて湿潤状態を保たせてケアする

 


 

まとめ

少し乱暴かも知れませんが、医療機関が近くにない場合、擦り傷など皮膚外傷を負ってしまった場合は、消毒もガーゼもオロ○ナインも医師も不要です。

傷口をしっかり水道水(どうしても水道水も近くにない場合は川の水でも可能)で創に入り込んだ砂や泥など異物を徹底的に洗い流す、その上から創が乾かないようにサランラップを貼る。原則としまして 創を消毒したりガーゼを貼るよりもよほど痛みも少なく治りも早いということです。


ビタミンC誘導体による傷跡の治癒促進

ビタミンC誘導体には、線維芽細胞の働きを高め傷の治癒を促進し色素沈着を抑制する効果があります。驚くほどの治療効果が得られる場合もあります。

詳しくはこちら>>



是非、この創の理論と処置を覚えておいていざとなったら実践してくださいね。

下記のHPをご参考にしてください。(正しい創傷治療の専門医 夏井睦先生のHPもご紹介させていただきます。)


http://www.sakae-clinic.com/wound/

http://www.wound-treatment.jp/
 

ビタミンC誘導体による傷跡の治癒促進
ビタミンC誘導体には、線維芽細胞の働きを高め傷の治癒を促進し色素沈着を抑制する効果があります。驚くほどの治療効果が得られる場合もあります。

詳しくはこちら

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2011年6月 4日 土曜日

治療・トレーニングプロジェクト サプリメントの基礎知識


サプリメントの基礎知識

以前もサプリメントに関しましてコラムで紹介させていただきましたが、一般的なサプリメントの知識として是非、知っていていただきたい情報を今回はご紹介させていただきます。

日本では健康食品という言葉がかなり昔から使用され、いわゆる健康食品は特定保健用食品として効能を記載できるサプリメントと、一般食品として売られ、食品衛生法の適用しか受けないものが混在しています。

市場には様々なサプリメントが出回っているが、サプリメントの安全性やサプリメント摂取の理由が求められています。
市場には多くのサプリメントが氾濫しサプリメントに関する情報も必ずしも正確とは限りません。

市場では誇大広告も問題となり2010年、消費者庁は誇大広告の規制強化に本格的に乗り出すことを発表。
近年、アンチエイジングという名称が健康増進と同義に使用されてきていますが、サプリメントもアンチエイジング効果を謳った製品が市場に
急増。これまでの抗酸化サプリメント事情を覆すような学術論文も表れ改めてエビデンスの重要性が問われています。


ドラックストアで販売されている特定保健用食品


―― 国内におけるサプリメントの現状

アスリートが疲労回復や競技パフォーマンス向上を目的としてサプリメントを摂取するケースが以前より注目されていましたが、今では一般の消費者が疾病予防を目的としてサプリメント摂取するケースが急増。
市場には様々なサプリメントがあふれインターネットをはじめとするメディアでサプリメントと健康に関する情報が多く配信されています。

しかし、質の悪いサプリメント摂取によって健康被害の報告も急増。
 中国から日本に個人輸入したサプリメントや薬事法未承認医薬品等を服用後に、健康被害(死亡、肝障害、バセドウ病様の甲状腺機能異常など)が発生した事例が、日本国内で多数報告されています。
特にダイエット関連のサプリメントで被害が多くみられます。 

市場に存在する一般食品としてのサプリメントは機能などの表示が認められていません。
保健機能食品は2001年、厚生労働省によって創設された新しい食品制度において 作られた食品の名称。
特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品を合わせたもの。(表1)

一般的に国内では一般食品もこれらに加えて総じてサプリメントと称しています。
サプリメントには栄養機能食品としてビタミン12種類(ビタミンB1、B、B6、B12、ビタミンC、パントテン酸,葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンA、E、D)ミネラル5種類(鉄、カルシウム、銅、亜鉛、マグネシウム)。

ヒトを対象にした研究の学術論文の情報を基にサプリメントの安全性や有効性が提示される場合があるが、市場にあふれているサプリメントの多くはこういった科学的根拠に基づく情報が具体的に得られていない状態で出回っています。
2010年12月6日 中日新聞 の健康食品 誇大広告の規制強化、消費者庁の方針で悪質な事例は健康増進法に基づいて勧告し、業者名を公表する旨の記事が掲載されました。



健康増進法違反の恐れのある広告表現

・医薬品と同等の効果があると誤解させる
「癌に効くといわれています」
・立証不可、未検証の誇大表現
「誰でも15キロのダイエットに成功」
・効果と無関係な特許や架空の許可をかたる
「国際特許成分が脂肪を除去」
・効果と直結しない表現
「あの有名芸能人も愛用」



サプリメント摂取のための必要事項

1:科学的根拠に基づいた有効性
2:安全性
3:成分
4:摂取量
5:摂取方法
6: 摂取期間
7:摂取目的
などが理解されたうえで摂取されることが望ましいのです。


サプリメント摂取のための検査

サプリメント摂取において個人に適した種類、摂取量、摂取頻度、期間などの特定は困難である。摂取目的を明確にして、一定の指標を得ようとする試みはここ数年盛んになっています。
必要サプリメント特定のための検査として

1:血液検査
2:尿検査
3:抗酸化テスト
4:毛髪ミネラル検査
5:末梢血液分析
6:自律神経機能検査
などがあります。

この中で1、2、3、4は全国的に多くの医療機関で行われていますが、5、6の検査はほとんど行われていません。
しかし、必要なサプリメントを決定するうえで今後注目を集めます。


末梢血液分析

末梢血液である、 1 Live Blood、2 Coagulation Blood を高倍率の顕微鏡で観察し分析、評価するシステム ブラッドフォード末梢血液評価法(BPBATM)などを使用して細胞の栄養状態評価、酸化ストレスの評価を行います。
生体の酸化状態、生体の機能をリアルタイムに把握し、身体に活性酸素の影響がどれほどあるのかを評価できます。
血液分析システムは、生きた血液形態評価、凝固血液形態評価共に分析シートに従い体系的に行い、画像所見を血液分析マニュアルに従い評価します。

ビタミン欠乏、ミネラルバランス、生体内過剰活性酸素、ウイルス感染、消化・吸収機能状態、炎症状態といった具体的な身体情報が把握可能。
身体のどの部位にどれくらい活性酸素の影響があるのかを評価することができます。


1) 生きた血液分析(Live Blood Assessment)
被験者の右小指から血液を1滴、スライドガラス上に採取。モニター上で30,000倍に拡大、暗視野、位相差で赤血球、白血球、血小板、プラーク、細菌、真菌、寄生虫などの像を解析。
生きた血液を分析することで細胞の栄養や免疫の状態、活性酸素の過剰発生状況などが視覚的にわかります。


2) 血液凝固分析(Coagulation Assessment)
右小指から血液をスライドガラス上に6-7回に分けて採取して凝固後、観察。
身体の活性酸素の発生状況が把握可能。


3) 自律神経機能検査
心拍変動を測定することで自律神経の影響、さらにそれを変化させる原因となっている精神的な安定度やストレスの程度などを評価できます。
アスリートのソフトウエアの能力が測定できます。
つまり、緊張の中でいつもリラックスして闘えるかという能力です。
自律神経検査システム ハートリズムスキャナー(Biocom社)を使用して耳たぶにPPGモニターを装着し5分間の心拍変動を測定します。

心拍変動解析システムにより自律神経機能へのサプリメントの影響も評価できます。
必ずしも疾病がなくても自律神経機能が低下したりバランスが乱れていることがあります。
自律神経へのサプリメントの効果が定量評価できれば、アスリートのコンディショニング、ストレスマネージメント、日常生活での容易なメディカルチェックなどが可能になります。オーバーワークもこの検査で分かります。


可溶性フィブリンが数多く観察され身体内の活性酸素の過剰発生を表す。
可溶性フィブリンが数多く観察され身体内の活性酸素の過剰発生を表す。

凝固血液の臓器と活性酸素とのカンレンシート
凝固血液の臓器と活性酸素とのカンレンシート

血液凝固 Circleの形態で各部分に可溶性フィブリンの出現が認められる。
血液凝固 Circleの形態で各部分に可溶性フィブリンの出現が認められる。

血液凝固テストでCircleの外縁にDark Lineが認められるが重金属が身体への蓄積が考えられる
血液凝固テストでCircleの外縁にDark Lineが認められるが重金属が身体への蓄積が考えられる

血液中に多数み認められる真菌]
血液中に多数み認められる真菌

血液中に認められるプラーク
血液中に認められるプラーク

近年、注目を集めるサプリメント

・ファイトケミカル(ポリフェノール、カロテノイド・・・)
・プロバイオティクス、プレバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌・・・)
・マリンビタミン(アスタキサチン、ドコサヘキサエン酸・・・)
があります。


ファイトケミカル 
・植物由来のものです。
・ポリフェノール、カロテノイド、テルペノイド、バニロイド・・・


プロバイティクス、プレバイオティクス
腸内の細菌のバランスをよくすることで 身体の機能を向上させるサプリメントです。

プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌)
腸内フローラを改善することで宿主細胞に有益な効果をもたらす、生きた細菌を食品に添加したもの
格闘家にもぜひ お勧めのサプリメントです。


プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維)
腸内に棲息している菌のうち、有用菌のみの増殖を促進したりその代謝を高め、より宿主の健康に有利に作用する難消化性の食品成分。
代表例はオリゴ糖、食物繊維で、オリゴ糖は、腸管内の消化酵素で分解されない少糖類でありもともとはビフィズス菌の増殖を促進します。


マリンビタミン
海洋由来のサプリメントです。

・アスタキサンチン
・エイコサペンタエン酸(EPA)
・ドコサヘキサエン酸(DHA)


アスタキサンチン
・海産物の筋肉や体表に多く含まれる
・眼疾患の抑制と眼精疲労改善
・抗疲労作用
・今、アスリートに注目されているサプリメントです。


エイコサペンタエン酸(EPA)
・血栓症、高血圧の抑制
・血液をサラサラにするサプリメントです。


ドコサヘキサエン酸(DHA)
・老人性認知症の改善効果
・脳に働くサプリメントです。


血液分析システム
血液分析システム

アンチエイジングとサプリメント

老化としては、1:血管、2:筋肉、3:神経、4:ホルモン分泌、5:骨のそれぞれの年齢が考慮されます。血管年齢は、動脈硬化の危険因子を補正するサプリメント摂取により改善する可能性があります。カルシウム、マグネシウム、カリウム、GABA摂取が推奨されています。特に衰えを感じるのは筋肉年齢、逆に筋肉年齢は比較的容易に回復させることが可能。特にタンパク質やアミノ酸は筋肉の主要構成要素であるため適正な摂取により筋肉年齢を回復するには効果的。神経年齢は神経機能に好影響をもたらすレシチン、フォスファジルセリン摂取が推奨されています。ホルモン分泌には、大きな影響を及ぼすサプリメントはありませんが、イソフラボンのエストロゲン様作用、睡眠の質の向上を目的としたメラトニン摂取が注目を集めています。骨年齢の回復には骨の成分としてミネラルが重要。
選手生命を維持するには体調管理同様、アンチエイジイングサプリメント導入も大切です。


抗酸化サプリメント

最近のサプリメントの動向の一つに抗酸化サプリメント市場の活況。アンチエイジングという名称が一般的になったと同時にエイジングの活性酸素仮説が注目を集め抗酸化サプリメントが市場に氾濫。抗酸化仮説を支持するエビデンス(科学的根拠)も存在しますが、 Proceedings of Academy of National Science 2009年5月号に 抗酸化物は運動の健康増進促進作用を失わせるという論文が掲載されました。

つまり抗酸化サプリメントを摂取して運動すると不健康になる!?というショッキングな論文が出たのです。
また、他にもビタミンA、ビタミンEの摂取は死亡率を上げると報告している2007年 JAMAに掲載された論文もあります。重要な点は、抗酸化サプリメントの選択に関して身体状況を考慮して摂取することで理由なく抗酸化サプリメントの摂取は確実なエビデンスが存在しない限り勧められません。
なんでも宣伝どおりサプリメントを摂取すればよいというものではないのです。


抗癌サプリメント

抗癌サプリメントの宣伝の中に、「○○学会で発表」、「○○雑誌に報告」、「特許出願中」などという表現。学術論文の医学誌への掲載も効果を認知されたわけでないにも関わらず宣伝として利用されています。 特定のサプリメントで癌が治ったとする体験談主体の本は「バイブル本」。キノコやサメ軟骨などの特定のサプリメントを取り上げ、「末期がんが治った」「医者にかからなくてもがんが治る」などと誇大な見出しで訴えるのが特徴で、出版社と健康食品販売業者がタイアップして出した宣伝本。直接商品名を挙げて効果を訴えると薬事法違反になるため、商品名は記載せずに、巻末や本に挟み込んだ紙に連絡先を記載、本の内容で興味をもった患者へ商品購入へと導く商法。 バイブルビジネス、抗癌サプリメントビジネスです。

市場には様々なサプリメントが氾濫しています。
アスリートにとって興味があるサプリメント。
中には成分も意味がないどころか健康被害をもたらすものも存在します。信頼できるメーカーの適切なサプリメントを適切に摂取されることをお勧めします。


心拍変動を測定して自律神経機能を計測
心拍変動を測定して自律神経機能を計測

大腸癌患者の凝固血液像
大腸癌患者の凝固血液像

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