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2010年11月16日 火曜日

スポーツケアとしての鍼灸とは?

フルコンタクトKARATE 12月号では、スポーツケアとしてのマッサージについて紹介させていただきました。続いて今回は、スポーツケアとしての鍼灸を紹介します。

マッサージについての紹介では出来るだけ解りやすくなるよう心がけておりましたが、鍼灸となるとなんとなく難しく、中国4000年の歴史などなど・・・、マッサージ以上に奥が深く解りにくく、さらに身体に鍼を刺すなんてとても痛そうで、おっかなくて・・・なんとなく敬遠してしまう。というような意見をよく聞きます。みなさんも「鍼灸」と聞くと、痛いのでは?熱いのでは?など、あまり良いイメージをお持ちでは無い方が多いのではと思いますが、

実は、鍼は痛く無いのです。また、お灸も熱いことはありません。お爺ちゃんやお婆ちゃんの背中のお灸の痕を見た経験がある方もいらっしゃると思いますが、旧来の施灸方法(お灸のやり方)では、実際に熱く皮膚に1cm弱の火傷ができるほどの施術もありました。しかし現在は、インフォームドコンセント(治療法や結果などを十分に説明を受けた上での合意)やおもてなしの時代です。火傷の痕が残るようなお灸を据えたら訴訟問題にもなります。以前の様な熱いやり方のお灸は殆ど無く、ほんわかと温かく気持ちが良い感じのお灸が一般的です。

こんな鍼灸のいろいろについて、大まかに理解できるとスポーツケアとしての鍼灸がみえて来ますので、なるべく簡単に紹介したいと思います。

まず始めに鍼灸とは、鍼治療と灸治療を併せた表現方法で、厳密には鍼師、灸師という2種類の国家資格に区別される2つの治療方法を指す言葉です。
今まで多くの場合に、鍼治療と灸治療を併用して一つの治療として行うことが多く一般的に合わせて表現されることが多かったようです。

では鍼治療とは?
専用の鍼(0.1~0.3mmの物が多い)を身体に直接刺したり接触させて刺激を行う方法で、深さとして1mm弱から15cm前後の鍼を身体に刺入して反応による改善を目的にした方法です。
また、灸治療は?
皮膚の上でもぐさを燃やして温熱効果による改善を図る治療法です。もぐさの大きさは、糸と同じぐらいの細かいものから、米粒の半分、米粒ほど、などがあり、直接皮膚に置く物と、台座の上に置くものとに分けられます。最近では、直接置くのは火傷の原因になってしまうために台座の上に置くスタイル(せんねん灸)が多く普及しています。燃焼温度は50℃前後~80℃ぐらいが主流です。

基本的に鍼・灸は、2500~3000年前から継続される治療経験から生まれた伝統療法(経験療法)であり今も尚施術者独自の治療法が生み出され続けている貴重で有効な治療方法で、道具に関しても上記以外のものも存在するのが事実です。
世界的な鍼灸治療の始まりはとても古く3000年以上の歴史があり、日本における鍼灸治療は飛鳥時代(約1500年前)や奈良時代(約1300年前)から発展したとの記録が残されています。

現在、鍼灸治療は民間医療に属し、西洋医学ではなく東洋医学に分類されています。西洋医学とは、医師の診察によって病気が診断され、薬や手術を用いて病気そのものを改善する治療法に対して、東洋医学は人間本来の自然治癒力や免疫力によって身体全体を改善する治療法で、予防医学や代替医療とも言われている。日本における治療費の面では、一般的に健康保険が適応される西洋医学に対して、鍼灸治療は健康保険が効かないと思われがちですが、1神経痛、2リウマチ、3頚腕症候群、4五十肩、5腰痛症、6頸椎捻挫後遺症の症状のみ、医師の同意書に基づいて保険での治療が可能な状況で、その他の症状は保険適応外の実費診療で行われています。

現在日本で使われている鍼の種類は、大きく分けて2通り、日本鍼と中国鍼があります。日本鍼は、細く短く先端も刺入し易く加工されて、極力痛くない刺激で施術出来るよう作られているのに対して、中国鍼は、太く長く大きな刺激を与える目的で作られています。殆どの鍼灸師が感染予防の目的から使い捨ての日本鍼を使用するようになってきています。

次に、鍼灸にはどの様な効果があるのでしょうか?

整形外科系疾患・・・肩こり、腰痛、捻挫など
神経系系疾患・・・頭痛、神経痛、自律神経失調症など
循環器系疾患・・・高血圧症、不整脈、狭心症など
呼吸器系疾患・・・風邪、せき、気管支喘息など
消化器系疾患・・・胃下垂、胃炎、食欲不振など
皮膚科系疾患・・・じんま疹、ヘルペスなど
産婦人科系疾患・・・生理痛、不妊症、逆子など
内分泌系疾患・・・肥満症、糖尿病など
泌尿器系疾患・・・尿失禁、前立腺炎など
眼科系疾患・・・眼精疲労、白内障など
小児科系疾患・・・夜泣き、おたふくかぜ、小児喘息など
耳鼻咽喉科系疾患・・・耳鳴り、口内炎、咽頭炎など


上記はほんの一握りで、現在では、その他、多くの症状に有効であると認められております。

実際に麻酔の代わりに鍼(鍼麻酔)をして身体にメスを入れる方法が行われていたり(その場合は薬剤による全身麻酔ではないので手術中に患者さん自信も会話をする事が出来るそうです)、癌の治療に鍼が使われたり、一瞬にして人を気絶させてしまう先生もいらっしゃると聞いています。治療を受ける場合は、それぞれのスタイルがあり得手・不得手があることを理解して施術を受けていただく事をお奨めいたします。

では、なぜこのような沢山の効果が期待できるのか?

調整作用・・・組織・器官に一定の刺激を与えてその機能を調整する作用があり、鎮静作用と興奮作用がある。

誘導作用・・・治療したその部の血管に影響を及ぼし充血を起こし患部・健部の血流を調整する作用がある。

反射作用・・・生体の有する反射機転を介して各機能を亢進あるいは抑制する作用がある。

消炎・防衛作用・・・白血球は増加し、リンパ系は賦活され免疫力が高まり炎症は静まる。又、抵抗力も増加。

変調作用・・・自律神経の調整やアレルギー体質を改善して体質を強壮にする作用がある。


このように、人間が本来持っているあらゆる機能を呼び覚ます効果があります。

また、鍼灸の概要として忘れてはならないのが経穴「ツボ」ではないでしょうか
一般的に鍼灸といえば「ツボ」治療との連想が沸く方も多いと思います。学生時代はこのツボを覚えるのに替え歌を使ったりお風呂に潜って酸欠になりながら必死に暗記したり(先輩から伝授された方法で、医学的根拠は不明?)と、とても苦労した記憶があります。実際に、鍼灸の治療部位や箇所は決まっていると思われがちですが、厳密には決まっていません。というか、その人その人のそのときの症状に併せて取穴(ツボを決める)して進めていく治療法なので、同じ頭痛でも必ず同じツボを使って治療するとは限らないし、同じ症状でも次回も同じツボに治療をするとも限りません。

次に、ツボの数はどれだけあるの?という質問を良く受けます。その、ツボの数ですが、WHO(世界保険機構)では全身で361穴のツボがあると認定されており、全部で14の経絡(電車でいう線路)に分かれています。人の身体に何らかの症状(病気)が起こるとこの経絡上に反応点として経穴の異常ををきたした部位が現れます。この反応を見つけて経穴を特定して必要な治療を行うことが鍼灸治療の方法です。なので、腰が痛くても足先のツボに鍼やお灸をしたり、肩が痛くても背中にお灸をしたりと全身いろいろな部位を使って最良と考えられる経穴を選択します。さらに以前には、鍼灸師より位が高い将軍の姫君などを治療しないといけないときに、裸にして治療するわけにもいかず、膝下・肘下のみのツボを使って全身の治療が出来るように考えられたツボ(要穴)なども発達した治療法です。
さらに治療の回数ですが、鍼灸ともに毎日続けて治療しても大丈夫で、治療頻度はあまり気にする必要はありません。もちろん1度に必要以上の治療は鍼灸師自体が行いませんので、症状や状態の変化に併せて治療回数などを決めていけば良いと思います。大まかに判断するとすれば、急性症状は短期間の間に続けて行うことが望ましく、慢性症状は、1週間に1~2回ぐらいを継続して行うことが良く、体質改善などは半年から1年以上の継続が大きな効果となって現れてきます。その症状に合わせて判断されることをお奨めします。

では、やっと本題になりますが、スポーツケアとしての鍼灸を説明したいと思います。一言で言えば、おおよそあらゆるスポーツ障害やコンディショニング、疲労回復、パフォーマンスアップに鍼灸治療は適しており治療の仕方も選手それぞれに合った最良の方法で行われていきます。そのため、この紙面をもって大きくスポーツケアとしての鍼灸治療は○○と紹介することは誤解を招くおそれがあると判断しました。ただ、ひとつ問題とするならば、これはスポーツケアにおけるマッサージ(フルコンタクトKARATE12月号)でもお伝えしておりますが、鍼灸師のなかでもスポーツを知って、選手の身体を知って、トレーニングを知って、施術出来る鍼灸師は限られています。本人がスポーツに携わっていたとか、スポーツが好きで一生懸命勉強したとか、スポーツ選手のケアをしたことがあるなど、スポーツに携わったことがある治療院や施術者の治療を受けることこそが、スポーツケアとしての鍼灸では一番大切なことだと思います。さらに、ここで大切なことが東洋医学の考え方で、一つの症状に対して決定された治療法がないとの理解から、その状態を把握して最適な治療を行います。したがって、上記に挙げたスポーツに関係している鍼灸師だけでなく、東洋医学及び鍼灸をしっかり捉えてその状態を判断できる鍼灸師であれば、スポーツ自体を知らなくても身体としてのコンディショニングや治療、疲労回復やパフォーマンスアップなど、スポーツに必要な施術ができると思います。

本題がとても短く恐縮ですが、大筋を解っていただくことがスポーツケアにおける鍼灸の総論となるためこのように紹介をさせていただきました。
スポーツケアにおける鍼灸をまとめてみますと、

① 鍼灸治療はスポーツにおける不特定多数の症状や期待に応えることが充分可能な治療法です。

② 特にスポーツに関わりのある鍼灸院及び、施術者の治療を受けることが肝心です。

③ また、スポーツに関わりが無くても、東洋医学の視点からしっかり症状や状態を判断(診断・弁証)できる鍼灸師であればアスリートのケアを任せても大丈夫です。

④ アスリートケアの経験ある信頼できる施術者にご相談されることをお奨めいたします。

最後になりましたが、トレーニングにより最高のパフォーマンスを発揮するためにはクオリティーの高いトレーニングをやり続けるだけでなく、トレーニングで傷ついた身体をいたわり、休養・栄養を確実に行う事が何よりも大切です。それぞれ地元で身近に身体のことを相談できる所をぜひ見つけてください。また、困ったことなどありましたらいつでもご相談ください。

 

  


柴田康博トレーナー プロフィール

■株式会社 メディカルケア 代表取締役
■『まごのて』スポーツマッサージ・鍼灸接骨院 院長
■(財)JOC日本オリンピック委員会強化スタッフトレーナー(1996年アトランタオリンピック)
■JRA日本中央競馬会オフィシャルトレーナー
■さかえクリニックスポーツ診療部 メディカルトレーナー
■トップアスリート株式会社 スーパーバイザー
■ 国内最高峰ロードレース JSB1000 2010総合王者 秋吉耕佑 専属メディカルトレーナー

競技歴
■1978年 第25回 全日本都道府県ショートトラックスピードスケート選手権大会 最年少出場
■1986年 第33回 全日本都道府県ショートトラックスピードスケート選手権大会 1000M 優勝
■1986年 第10回 全日本選手権大会 500M 優勝
■1987年 アジア競技大会 冬季大会 (大韓民国 ソウル大会) 日本代表
■1987年 第34回 全日本都道府県ショートトラックスピードスケート選手権大会 500M 優勝
など日本を代表するアスリートとして活躍、引退後 K1戦士、プロボクサー、レーシングライダーなど多くのプロアスリート、オリンピック日本代表アスリートをケアするメディカルトレーナーとして活躍。国内で最も多くのトップアスリートをケアする鍼灸師の一人。

2010.11

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2010年11月16日 火曜日

スポーツケアとしてのマッサージとは?


皆さんは日々トレーニングに励み心身共に鍛えていると思いますが、実際にトレーニングで疲労した身体のケアはどのようしているのでしょうか?

一般スポーツ、競技スポーツ、プロスポーツ等、数多くのスポーツシーンを見ているなかで「優秀な選手になればなるほど身体への意識が高くコンディショニングやトリートメントを継続的行っている」ということが言えると思います。

逆に、たまに練習、週末だけ運動、など普段から身体を使う事が少ない人や、スポーツ経験の浅い人ほど、本来、一番ケアや準備運動などが必要だと思うのですが、いきなり無理して過負荷なトレーニングを行ってみたり、それにも関わらずクーリングダウン等はろくにせず、ケアには全く無頓着な方々が多く見うけられ残念に思います。

トップアスリートが、ウォーミングアップやクールダウン、日々のコンディショニングを丹念に行っているのに慣れないスポーツ愛好家の方々はいきなり運動を初めて、突然終わり、トレーニング後には喉ごし爽やかなビールで乾杯!など、している光景は皆さんもよくご覧になっているのではないでしょうか。これではトレーニングの結果や効果を期待すると言うよりは、怪我をするため、疲労するため、にトレーニングを行っている様なものです。

みなさんも忙しい中でトレーニングを行っていると思いますが、トレーニングだけでなく休養・栄養・睡眠などとのバランスも考えた生活スタイルで、最大のトレーニング効果を獲得してほしいと思います。今日はそんな中で、一般的によくあるスポーツケアとしてのマッサージについてご説明いたします。

実際の臨床現場で数多くのトップアスリートや格闘家をケアしています さかえクリニックスポーツ診療部  鍼灸師でもある柴田康博メディカルトレーナーに解説していただきます。

まず結論からお伝えしますと、怪我や病気で安静を保つ必要がある人から一般の人、はたまたプロ選手に至るまでマッサージは酷使した身体に喜びや安らぎなどの感覚を与えるだけでなく予想以上に遙かに大きなものを与えてくれます。つまり、身体と、知性と、精神を確実に若返らせて生きる活力を与えてくれる。それがマッサージ本来の効果であり、だからこそ全世界に広く伝わり一般的ケアとしてここまで長く普及した要因であるといえるでしょう。

特にその中でも、身体を酷使するみなさんにとって可能性が高く有効なマッサージは【スポーツマッサージ】と言われるメソッドで、通常のマッサージが皮膚及び筋肉の表面に重点をおいて施術されるのに対して、スポーツマッサージはその競技を行う上でトータル的なパフォーマンスの向上や怪我の予防、疲労の回復などを目的にしており、施術も身体全体から深部の筋肉一つ一つまでをターゲットにして施術を行ったり、各競技のフォームや特性に合わせてコンディショニングを行うなど、通常のマッサージとは目的も施術も効果も違うマッサージメソッドといえ、静的トレーニング(休養・超回復など)として身体強化をしていく上で、上手に取り入れることによりパフォーマンスアップや疲労回復、怪我の予防など、総合的なコンディショニング効果が期待できます。

スポーツマッサージメソッド」とは、一定の理論による考え方や施術方法が確立・統一された治療スキルの集合体では無く、古く昔から師匠から弟子へとそれぞれ施術者レベルで受け継がれた技術や理論を基本にして現在に至った個別民間療法といっても良く、「スポーツマッサージ」の名称で明確な学術定義がされている物では無いことを付け加えておきます。ちなみに、「マッサージ」という手技については、医療マッサージ、保険マッサージなど、詳細まで学術定義がされております。

ここで、スポーツマッサージの具体的な効果として皆様に関わりが深いものを幾つか挙げてみます

・ 肩こり、腰痛、筋肉疲労を取り除き疲労回復できる(痛みは軽減して、怪我は早く回復する)
・ 関節の可動域を改善する、拡大する
・ 柔軟性や弾力性が増して、動きやすくなる
・ 血液、リンパ液の流れが良くなり回復力や免疫力が高まる
・ 身体のパフォーマンスが高くなり、怪我や故障を予防する
・ 精神疲労を取り除き、自律神経機能を整える
・ 内蔵機能を活発にし身体の中からも体調を整え元気になる
・ 新陳代謝を活発にし身体全体が若返る

などがあり、これらの効果は数多い効果の一部に過ぎず、循環器系、呼吸器系、神経系、皮膚、筋肉、関節、内臓など、全身トータル的に、様々な効果が期待できるものになります。さらに、ダイエット効果などもあるぐらいです。

マッサージ(massaji)という言葉はフランス語で、語源はアラビア語の手、おす、こねる等と言われています。来人類は、痛いところがあれば本能的にそこを手で押さえたり揉んだりして痛みを和らげることがありますが、この自然発生的な手法が医学の進歩に伴って体系化されたものが現在のマッサージとなっています。マッサージを生体に行うことで身体の変調を整え、健康を保ち、身体機能を活発増進させる効果があり、求心性(心臓に向かって行う)の手技により血液、リンパ液の循環が良くなり新陳代謝は活発になり、その結果、各組織に栄養が行き届き、全身機能が盛んになり、抵抗力が強くなります。また、触圧刺激は自律神経を調整したり、知覚神経を介して内臓機能にも影響を与え、さらに生体反応によるホルモン分泌にも影響を及ぼすことが明らかにされており、種々様々な症状に有効であることが実証されています。

歴史としては、古く中国に於ける最も初期の文献「黄帝内経素門」(紀元前2500年頃)の中で、直接的な治療効果が言及されていたり、ギリシャの医聖ヒポクラテス(紀元前4、5世紀)は、「医師たるものは医術についてのあらゆる学理と共に、マッサージを習得しなければならない」と説いたことが伝えられ医療の中でのマッサージが重要視されていたことが解ります。その後、明治20年に、当時陸軍軍医部の軍医官がフランスに於けるマッサージを学び当時、広島博愛病院・外科診療にて患者さんに対する治療目的で活用したのが日本に於ける医療マッサージの始まりとなりました。現在では、日本を始め多くの世界的トップアスリートなどがマッサージの有効性や必要性を自らの身体で経験、証明し、より一層期待に応える施術へとアスリートと共に日々継続進化しているメソッドといえるでしょう。

そんな中、街では多くの「マッサージ」や「スポーツマッサージ」の看板を見つけることが出来るようになり、多くの方がケアを受けられるようになってきましたが、一般的に同じに見える「マッサージ」・「スポーツマッサージ」の看板でも、施術所(サウナ・サロン・民間資格)、治療院(国家資格・医療保険取り扱い)、施術者スキル(知識・経験)などにより内容や効果が全く違う状況が現在の実情であり、高いパフォーマンスが要求されるアスリートや愛好家の皆さんなどは、施術を受ける医療機関や施術所、担当者などを事前に検討してから施術を受ける必要があると思います。実際に施術をしている私でさえ、現状の混乱したマッサージ事情の全把握は難しく、そんな中、施術を受ける場合の大きな判断材料にしているのが、①実際に施術を受けた人の感想・口コミ、②施術者の経歴、実績、臨床数、③おもてなしの心(人間性)、④施術者・施術所の全体像(総合点)、⑤宣伝広告の量、の5点となります。※現状、施術価格も混沌としており高ければ良いと言う訳ではありませんが、あまり安いところはアスリートのコンディショニングには向かないと思いますので避けた方が無難です。補足説明として③・④は、治療家には多いのですが、痛みを治す疾病観察にフォーカスし過ぎる傾向があり、痛みや症状ばかりに気を取られ患者さんが一人の人間だという事を忘れてしまう。すると、患部治療は進むが私のことはほったらかし状態となり全体像を見失います。結果として、良くなった気になるが治らない。それでいて施術者ばかり満足している、こんなアベコベな状態に陥ります。空手においても強い突きが出せるのは下半身が安定して重心、体軸にブレが無くなることにより出来ることであり、拳ばかりいくら鍛えても何の意味もないのと同じ状態になってしまう治療家が多いので、あえて、おもてなしの心と全体像を判断基準に入れています。⑤の宣伝広告の量に関しては、治療院や施術所の裏事情を考えると理解しやすいのですが、運営経費のほとんどが施術者の人件費に消えて行きます。特に日本は人件費が高いです。そんな業界なので広告宣伝には多くの費用が掛けられないのが通常で、やたら目ったら宣伝しているところは薄利多売のスタイルが多く優秀な施術者が育つ環境がありませんし、優秀な施術者がいるところであれば、一時間に出来る人数は限られてしまうので広告ばかり出している訳にもいきません。来ていただいてもキャパオーバーになってしまいます。こんな些細な事なども、間違った施術所を選ぶ事無く目的に合った施術所や施術者選びの参考にしていただければ幸いです。

大まかに、スポーツケアとしてのマッサージをお伝えいたしましたが何よりも重要なことは、一つです
1オンスの予防は1ポンドの価値があるという格言通り、スポーツに対する身体の管理というものは怪我や痛みでトレーニングを中止または軽減することなく、可能ならば、手術や薬も使うことなくトレーニングを継続し続けらるコンディショニングを行うこと!が、大切です。怪我や故障、未病を防ぎ、スポーツマッサージの予防効果を充分有効活用していただくことに尽きると思います。

なお、スポーツマッサージは2WAY(施術者とアスリート)で施術者に行ってもらうのが主流ですが、1WAY(自分自身)でセルフマッサージを行うことも効果があり、施術を受けるのと同じようにとても重要になります。自分でも出来る簡単なセルフマッサージをお伝えいたしますのでトレーニングの前後や夜、ベッドに入る前などに是非実践してみてください。私の今までの経験上、難しい事をお伝えてもなかなか継続に繋がりませんので、私が知る一番簡単な方法であり、効果的な方法をお伝えします。

 

その簡単な方法とは?とにかく全身くまなくさすることです。そこでの大きなポイントとして、身体の先端部分から心臓に向かってさすって行く。次に太ももの付け根、脇の下、耳の下をめがけてさすって行く。ココにはそれぞれリンパ節があります。皮膚や筋肉に刺激を入れながらリンパ節に向かって施術していく事で、身体の中からも外からもアプローチする事に繋がります。簡単すぎて困ってしまうかも知れませんが是非一度お試しください。

 

ハムストリングスの手根じゅうねつ法 ハムストリングスの肘頭じゅうねつ法

 

スパズムへの強圧迫反射法法 腰部の拇指じゅうねつ法による
スポーツマッサージ
大腿直筋の抵抗運動法

柴田康博トレーナー プロフィール

■株式会社 メディカルケア 代表取締役
■『まごのて』スポーツマッサージ・鍼灸接骨院 院長
■(財)JOC日本オリンピック委員会強化スタッフトレーナー(1996年アトランタオリンピック)
■JRA日本中央競馬会オフィシャルトレーナー
■さかえクリニックスポーツ診療部 メディカルトレーナー

競技歴
■1978年 第25回 全日本都道府県ショートトラックスピードスケート選手権大会 最年少出場
■1986年 第33回 全日本都道府県ショートトラックスピードスケート選手権大会 1000M 優勝
■1986年 第10回 全日本選手権大会 500M 優勝
■1987年 アジア競技大会 冬季大会 (大韓民国 ソウル大会) 日本代表
■1987年 第34回 全日本都道府県ショートトラックスピードスケート選手権大会 500M 優勝
■1988年 国際ショートトラックスピードスケート競技会 帝産カップ 日本代表
■1989年 第13回 全日本選手権大会 500M  3位、

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2010年11月16日 火曜日

外傷後の傷痕の最先端治療

多くのアスリート、格闘家は怪我がつきものですね。

このコラムがスタートした時には、新しい外傷の創傷治療理論と具体的な手法を紹介させていただきました。大きな反響がありました。
格闘技を行う皆さんには 絶対に知っておいて欲しい知識です。
バックナンバーを手に入れることができない方は 
http://www.sakae-clinic.com/wound/
に同様の情報が掲載されています。
道場やジムでも是非、勉強会の時にご参考にしていただけましたら幸いです。

今回は、外傷後の傷痕の最先端治療に関しまして紹介させていただきたいと思います
傷痕は格闘家の勲章・・・とお考えの方も少なくないと思います。
私が幼い頃、大好きだったプロレスでもアブドーラ・ブッチャーが額に無数の傷痕を生々しく披露してさらに相手レスラーの攻撃で流血して戦闘能力が増す。
傷痕はプロレスラーのパフォーマンス強化ツールでもあったのです。

しかし、自分の子供が、格闘技の練習中や試合で怪我をして醜い傷痕が残ったとしたらどうでしょうか。
笑って 格闘技を鍛錬している勲章だよ、と親として放置しておけるでしょうか。
ほとんどの方が、きっと 何とかして傷跡を消してあげたいと思うのが親心でしょう。

私も同様です。

私のクリニックはスポーツ診療以外に美容診療を行っているため多くの傷痕で悩む患者さまのご相談にも乗っています
これまであきらめていた傷痕が最先端の医学で大きく改善させることが可能となってきました。
つまり、不可能が可能になってきたのです。

傷痕にはいろいろな種類がありますが大きく3つに分かれます

1:凹状態の傷痕
2:凸状態の傷痕
3:色素沈着によって正常な皮膚の色と異なる傷痕

1の治療法は、コラーゲンやヒアルロン酸注射(たんぱく質を溝に注射して盛り上げ凹を改善させる)フラクショナルレーザーでコラーゲン再生を図るといった2つの方法があります。

  

ヒアルロン酸 注入前の傷跡の状態 ヒアルロン酸注射後の傷跡の状態

2の治療法は、かなり困難な状態ですが、フラクショナルレーザーによる皮膚再生があります。

 

  
小児期の犬の咬傷跡のフラクショナルレーザー治療後 子供の引っかき傷のフラクショナルレーザー治療前後

3の治療法は、ハイドロキノンやビタミンC誘導体の塗布が有効です。
最近では色素沈着を改善させる レーザートーニングという技術が開発されました。
私のクリニックでもこの新しいQ YAGレーザーで色素沈着の治療を行い目覚ましい治療効果を経験しております。

まず、1,2に関しまして各種治療法の中で最先端な治療法を紹介させていただきます

フラクショナルレーザー治療に成長因子(Growth Factor)導入を併用した治療法です
正式にはFractional Resurfacing と言います。
Fractional Resurfacing(フラクショナル リサーフェイシング)とは、1回のレーザー照射で、1c㎡あたり100~1000ミクロ単位以上の微細な照射をする事で皮膚のコラーゲンを活性化させ、肌の再生をうながし、新しい皮膚に入れ替える治療法です。
Fractional Resurfacingは外科的な方法ではなく、レーザーにより新しい皮膚に入れ替え、傷跡(キズあと)の治療を行うレーザー機器です。
フラクショナルレーザーは、傷跡(キズあと)だけでなく、ニキビ跡や妊娠線などにも効果が期待できます。
現在まで肌再生レーザーは "皮膚を剥離(はくり)するレーザー"と "皮膚を剥離(はくり)しないレーザー"に分類されますが、双方メリット・デメリットがありました。皮膚を剥離(はくり)するレーザーは肌を強力に再生促進する半面、長期的治療とダウンタイムを伴います。
しかしFractional Resurfacingは皮膚を剥離(はくり)せずに1c㎡あたり1000ミクロ単位以上の微細な照射をする事で、皮膚を入れ替えコラーゲンの再生をうながすという治療で、より確かな効果を引き出す魅力的な治療法として期待されています。 このレーザーは、幅広い皮膚治療に効果的です。
Fractional Resurfacingは短時間に肌を再生する新概念の施術で、傷痕を治療することができます。施術期間と回復期間が短いだけでなく早い回復速度と肌の改善効果を期待できます。初回の施術でも十分な効果が実感できますし、施術後も日常生活に全く差しつかえません。
Fractional Resurfacingはミクロサイズ(直径60μm、深さ0.048~1.5mm)の光線が透過することでノン・アブレーション(剥離法(はくりほう))とアブレーション(非剥離法(ひはくりほう))の両方のメリットを兼ね備えています。レーザー照射で凝固した細胞は、周囲の細胞が持つ自然の治癒力によって、健康的で新しいお肌に入れ替えられます。他のレーザーとは違い、施術部位に照射されたレーザーの間隔が一定で、レーザー施術の効果では もっとも優れたレーザーとして、皮膚への深い浸透を正確に確保できるなどの効果があります。
これまでの単独のフラクショナルレーザー治療に加えて、成長因子(グロースファクター)各種ビタミン抗酸化剤を導入し、レーザーだけの侵襲に頼らない 安全で効果的、ダウンタイムが少ない治療が実現しました。
痛みや腫れ、赤みが少ない治療法です。
創傷治療理論からも 瘡蓋形成を進めることは常識ではあり得ません。
多くの皆さんは傷には瘡蓋形成が早く傷を治すと思われていますが、擦り傷の治療同様、瘡蓋形成は創傷治癒を妨げる状態であり決して容認できる状態ではありません。瘡蓋を極力残さないことは痛みを大きく軽減し、早期に赤みを軽減させダウンタイムを短くすることはもはや医学の常識です。
現在のレーザー治療は瘡蓋をできる限り作らないようなアフターケアを行います。

肌のメカニズムをうまく利用し、本来持っている再生能力を促進する治療法が、今話題のフラクショナルレーザーです。肌トラブルは、人それぞれ原因が異なるだけでなく、その症状もさまざまです。さかえクリニックで使用する最先端フラクショナルレーザー・セラスはお肌のトラブルに合わせ、治療したい部位・深部に正確にレーザー光を到達することができるため、幅広い皮膚トラブルを改善することができます。
コンピュータで正確にオーダーメイドで照射部位をデザインできます。
傷跡の状態に応じてパワーや密度も自由自在に変更できます。
特に私どもの行うセラス治療は、傷跡の治療をはじめ、ニキビ痕・妊娠線・小じわ・タイトニングなどにも効果的です。無数の微細なレーザー光を深部にまで到達させることができるため、正常な細胞を残すことができます。そのため、レーザー光に当たった細胞は凝固しますが、周辺の正常な細胞は凝固細胞を治癒しようとコラーゲンの再構築を促進し、新しく皮膚を再生させます。
まさしく、今注目されています 最先端再生医療の一つです。

 

コンピュータが傷跡の照射する形を正確にデザイン  コンピュータが正確にパワー、密度、照射深度をデザイン

3の傷跡の色素沈着を改善させるレーザーピーリング治療
この治療は出力の弱い レーザー光が表皮へ平行に当たるように開発された新しいレーザー照射法です

これによりこれまで困難とされてきた難治性のシミや炎症後色素沈着、外傷後色素沈着も治療できるようになりました。
ほんの数十秒 ほとんど痛みを感じないレーザーを照射するだけの治療を数回繰り返すだけで色素沈着が確実に改善します。
まさに未来の治療と言えるかもしれません。

 

外傷後の色素沈着を治療するレーザートーニング治療器

傷跡で悩まれている方にご紹介させていただきました治療は朗報となるでしょう。
格闘家の皆さんにもぜひ、傷のケア以外に傷跡のケアも知識として知っておいていただけましたら幸いです。

(2010,9)

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2010年11月16日 火曜日

格闘家のためのトレーニング


格闘家はジムで様々なトレーニングを行っています。
ランニング、ウエイトトレーニング、ジムワーク・・・


今回は、現在、東海地方で最大の格闘技団体 HEATを率いる志村道場の格闘家のためのトレーニングの一部を紹介したいと思います

特に打撃系の選手には参考になるトレーニングの内容です

打撃系格闘技にはウエイトトレーニングが原則として禁止の場合も少なくありませんが、フルコンタクトの打撃系格闘技の選手はパワーで相手を押し切り、相手の肉体に対し大きなダメージを与える必要と相手からの攻撃に対する防御できるフィジカルの強さが要求されます。

私自身、トレーナーとしてウエイトトレーニングを指導することはありませんが、格闘技道場独自のウエイトトレーニングでHEATミドル級王者を養成したノウハウを少しご覧ください。

格闘技をする上での筋力アップトレーニングに対して、「筋肉をつけすぎると動けなくなる」ということを言われる方がいらっしゃいますが、筋力トレーニングを行なうことで、競技力がアップできることは間違いありません

確かに、トレーニングを行なう上で、そのエクササイズが行なう競技に対して、本当に効果があるのかを見極め、無駄のないトレーニングを行なうことが大切です。
志村道場、ヒートフィットネスジムでは、実践練習のできる道場と、パワーアップの為のウェイトトレーニングができる環境であり、競技力を高めたい方への指導を行なっています。
今回は、いくつかのエクササイズをご紹介します。


今回はHEATミドル級王者でK1戦士でもあります、ダニロ・ザノリニ選手が実践でトレーニングを行う写真図解で-@解説させていただきます。
 

《バーベルステップアップ》

●ターゲットとする筋肉●大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリングス
●競技力アップ効果●バランスとコーディネーション力を高めることによる動きの連動性の向上、筋力アップ
●用意するもの●30~45Cmの高さのステップ台、またはボックス、安定したベンチ、バーベル(初心者はウェイトなしでバーベルのみからはじめる)

○運動動作○

1. スクワットを行なう時のように、バーベルを相貌筋上部に担ぎます。

2. 片足を床について体をしっかりと安定させ(この時点でしっかりと腹圧をかけておくこと)もう一方の足をステップまたはボックスにのせて大腿と床を平行にすします。(写真①)

3. 前側の脚で、ベンチを強く押して、体を持ち上げて、後ろ側の脚をベンチにのせ両脚を完全に伸ばします。(この時点で膝が曲がっていないようにすること)

4. ステップ、またはベンチの上にのったトップポジションで2カウント静止してから、ゆっくりと足を下ろし、スタートポジションに戻ります。(写真②)動作は、左右交互に行なっても良いし、一方の脚で指定のレップ数を反復してから、反対側の脚で同様に行うようにしても良いです。

5. ポイントとして、前側の足でベンチを強く押す時に、体をやや前傾させると、パワーと安定性を高めることができます。

6. 動作に慣れないうちは,後ろ脚をゆっくり、そっと動かさないとバランスがとりづらいかもしれませんが、慣れてきたら、ダイナミックに引き上げ、前脚の殿筋にしっかり負荷がかかるようにしてみましょう。

7. 片側8~10レップ、3~4セット。インターバルは1分30秒~2分

バーベルがない場合はダンベルを使用する方法も可です。バーベル使用の方が難易度が高まります。

《ワンアーム・ロープ・ケーブルロウ》
●ターゲットとする筋肉
●背中、上腕二等筋、腹斜筋郡、体幹
●競技力アップ効果●握力、スポーツ姿勢の安定性、片側での動作による体の連動性、爆発的動作の向上
●使用マシン●ケーブルステーション、ロープハンドル

○運動動作○
1. 肩幅のスタンスでケーブルステーションに向いて立ち、胸の高さに設定したロープハンドルをどちらか一方で持ちます。胸を張り、顔を上げた姿勢を保ち、腕を伸ばします。(写真③)

2. 空いた手は腰に当て、ロープを体幹に向けて素早く引きます。(写真④)

3. ポイントとして、体幹も少しだけ回旋させ、背中、腰も連動させ、動作に関わるようにします。1カウントとめてからスタートポジションに戻します。

4. それぞれ8~10レップで3セット、インターバルは90秒で行ないます。

5. 爆発的動作を行なうので、フォームが乱れないよう注意して行なってください。

《ワンアーム・ダンベル・クリーン&プレス》

●ターゲットとする筋肉●大腿四頭筋、殿筋ハムストリングス、背中、肩、上腕三頭筋
●競技力アップ効果●全身の爆発的パワーの向上
●使用するもの●ダンベル(重めの重量)

○運動動作○
1. ダンベルを床に置き、脚を肩幅に開いた状態でダンベルの前に立ちます。膝、股関節を曲げて、片手でダンベルを握ります。(写真⑤)

2. 胸を張り、背中をややそらせ気味にして、ダンベルを勢いよくまっすぐ上に、出来るだけ高く挙げます。(写真⑥)

3. 下ろす動作は、肘を前に向け、三角筋前部のやや上部で持つようにキャッチ。(クリーンの姿勢)(写真⑦)
4. 肘を伸ばして、ダンベルを頭上へ勢いよく押し上げます。

5. 4までの逆の動きで、ゆっくりとダンベルを床に下ろします。(写真⑧)

6. 3~5レップで、3~5セット、インターバルは1~2分間で行なってみましょう。

今回、ご紹介したエクササイズは、筋力アップ、パワーアップ、柔軟性向上、コンディショニングが必要な競技、特に格闘技にも効果のあるエクササイズになります

ウェイトトレーニングでのパワーアップを行い、実践練習で生かすことで、さらなる向上が望めるはずです。また、全身持久力とともにスタミナアップも期待できます。自重のスクワットや腕立て伏せを行なうことも良いですが、是非、ウェイトトレーニングをおすすめします。このウェイトトレーニング、コンディショニングトレーニングを推奨するため、志村道場では HEAT FITTNESS GYMを併設しており、競技力向上、シェイプアップ等あらゆる目的の方に対し、トレーニングアドバイスを行なっております。道場とジムが一緒にあることで、練習とウェイトトレーニングへの時間もとりやすく最高の環境となっております。また、トレーニング後の栄養補給のためのプロテインドリンクを提供できるラウンジもございます。
ぜひ、トレーニングを行なってみたいという読者の方、一度ご体験下さい。

このトレーニングを体験されたい方のために志村道場ではトライアルをご用意していただけました。論より実践、フィジカルを強化されたい格闘家は一度 見学に訪れてはいかがでしょうか。コンタクト空手をみてのご来館の方、ビジター施設利用料2000円のところ500円にて御利用いただけます。(9月末まで)というトライアルをいただきました。

<<志村道場とは>>
志村道場は、総合格闘技(バーリトゥード)、キックボクシング(ムエタイ)、ブラジリアン柔術、ボクササイズ、フィットネスエクササイズ、日本拳法(同心会館)の総合ジムです。

2005年に名古屋市に創設された志村道場は、可児道場を含め3道場あります。
初心者からプロ格闘家を目指す方まで、本格的総合格闘技ジムの快適な環境で、プロが親切丁寧にご指導しています。

プロ競技参戦だけでなく、護身術やエクササイズなど全ての年層、性別の方に満足頂ける総合格闘技を目指します。
本格的にプロ格闘家を目指す方にはパーソナルコースなどで力をつけていただき、当志村道場の主催する東海地方最大格闘技イベント『HEAT』をはじめとする、プロ格闘技興行・イベントへの出場の近道を提供しています。HEATでは多くのK1戦士も闘いの場として活躍しています。K1甲子園で優勝した 野杁正明選手も HEATのニューエイジクラスで出場していました。

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2010年11月16日 火曜日

再生医療を応用した新しい怪我や故障個所の治療


多くのアスリート、格闘家は怪我が絶えませんね。
トップアスリートであればあるほど必ず身体のどこかに故障を持っていることでしょう。
極限まで鍛え上げた肉体は強靭でありその一方、脆さを持っています。

私は、医師としてアスリートの身体能力を向上させるだけではなく、いかに故障した部位を短期間で治癒させ復帰させるプロジェクトをこれまでも研究チームを結成して遂行してきました。
その中でも画期的な未来の治療といわれる
再生医療を応用した新しい怪我や故障個所の治療を今回 ご紹介したいと思います。



 

その名もACR療法とも言われます、PRP(自己多血小板血漿)療法

聞きなれない名前ですが、自分の血液を20ccほど採血して遠心分離機で採血した血液から血小板を豊富に含んだ(自己多血小板血漿)血漿を抽出します。
この抽出した血漿を痛みや炎症、肉離れ、断裂、骨折した部位へほんの1ccほど注射するだけで驚異的な治癒が進むという再生医療治療です。


 

もともと、美容医学分野でしわを除去したり、たるみを改善させたり
肌質を若返らせる治療として全世界で普及していた治療法ですが、スポーツ分野で腱、靱帯、筋肉、骨などの再生にも驚異的な効果が医学的に実証され応用された治療法です

http://www.bloodcure.com/

 

なんと!あのタイガーウッズも靱帯損傷やアキレス腱断裂でこのPRP療法を繰り返し受けて短期間の復活を遂げたことを先日の取材インタビューの中で発表しました
海外では有名プロゴルファー、オリンピック金メダリスト、NBAプレーヤー、メジャーリーガーなど数多くのトップアスリートがこの治療の恩恵を受けて怪我から短期で驚異的な復活を遂げています
 

私はこの研究を数年前からスタートして現在は、順天堂大学大学院医学研究科においてアンチエイジング医療・再生医療のスポーツへの導入を進める中での重要な研究項目として位置付け臨床研究を 自らのクリニックで行っています。
一切のリスクを伴わないと言われているPRP療法ですが、日本国内ではアスリートへの投与を行ったのは私が初めてで慎重に大学と提携して効果やリスク、経過を観察、研究しています。

 

PRP療法について簡単に解説してみます。
 

自らの血小板を多量に含んだ血漿を特殊なキットで精製します。
私どもの使用するキットは、MyCells® と言われるものでイスラエル製です。
実はこのMyCells®が唯一 FDAで生体内への投与が認可されたキットです。

歯科用でも使用されているキットがありますが、同じPRP療法といってもキットによって効果に大きな差が出てしまいます。
血小板は血液を凝固させる働きがありますが実は、血液を凝固させるだけでなく大変重要な働きが血小板にはあるのです。

 

肘の静脈から20CCほどの採血を行います 遠心分離機で採血した血液を7分間3500回転で血液成分を分離させる
 
遠心分離後の血液 PRP療法に使用する製作キットであるイスラエル Kay light社のマイセルズキット、質の高いPRPが得られる。

血小板の中には、α顆粒という部分があります。この中には、EGF,PDGF,VEGF,TGF-βと言われる 成長因子(Growth Factor)が豊富に含まれています。

成長因子は刺激が加わると多量に血小板から放出されます。
成長因子は傷ついた組織を修復したり、感染を防ぐため白血球を呼んできたり、新しい毛細血管を造るシグナルを出したりします。
怪我が早く治ったり痛みが短期間で取れたり弱くなった靱帯や腱が強化したり組織が若返ると言った再生医療なのです。

このメカニズムは私が第1回と第2回のコラムで解説させていただいた創傷治癒理論が基になっています。
人間の修復力は凄いものですね。
これを応用すれば切断された指が再生したり、皮膚が壊死を起こして広範囲に潰瘍状態になった患部も短期間で治癒に至ります。

 

 
スプレー式の傷を乾燥させる消毒剤で傷が感染を起こし皮膚が壊死を起こしてしまった。 PRPという自己多血漿血小板を創部へ注射して治癒促進を図る
 
4週間後の傷の状態 肉芽が形成されしっかり上皮化が終了している  


PRP療法に関しまして質問と回答をまとめてみました。
 

(1) ACR, PRPってなんの略ですか?

A:ACR はautologus cell rejuvenation(オートローガス・セル・リジュベネイション)の頭文字のA とC とR を取ったもので、自分の細胞を蘇らせるという意味です。
PRPはplatelet, rich plasmaの略です。つまり血小板を多く含んだ血漿という意味です。

 

(2) ACR ってどんなものなんですか?PRP療法ってなんですか?

A:ACR は患者様ご自身の血液を使って、自分の力で皮膚の若返りを図る今世間で話題の再生医療のひとつ。ACRで代表的な治療がPRP療法。つまり自分の血液を使用して身体の組織の若返りを図るという新しい治療です。
 

(3) 血液の中の何が効果があるんですか?

A:血小板と呼ばれる成分を利用します。
 

(4) 血小板ってどんなものなんですか?

A:血小板は人間の体の中で、血を止めたり、壊れた血管や細胞を治す働きをしています。
 

(5) 血小板の何が効果があるのですか?

A:血小板の中からは成長因子(せいちょういんし)と呼ばれる成分が放出されこの成長因子がダメージを受けた組織を修復します。
 

(6) 成長因子がどのように細胞に働くのですか?

A:血小板が固まるときに出る成長因子が、直接弱った細胞の表面にくっついて刺激を与えます。そうすると弱った細胞が元気になり若返ります。これを利用して顔の皮膚のシワ、たるみを改善して若返りを図るのがPRP 療法です。この成長因子の効果を皮膚以外に応用して筋肉、腱、靱帯、骨などの故障を回復させます。
 

(7) いつから効果が出ますか?

通常は2 週間から1 ヵ月をかけて徐々に状態が改善していきます。 アキレス腱なのど痛みは2、3日は逆に強くなり1週間ほどで劇的に改善するケースがほとんどです。慢性の炎症でも急性の怪我でも対応できます。
 

(8) ステロイド注射と違いどうして時間がかかるのですか?

自分の細胞を元気にして若返りを図りますので、細胞が活性化されるまでの時間が必要になります。このために、時間が少しかかります。ただし、ステロイド注射は副作用もあり注射部位の組織を脆くしますが、PRP療法は注射部位の組織を強化し若返らせます。
 

(9) 効果はどれくらい続くんですか?

A:個人差がありますが、腱や靱帯の痛みなどは1回の治療で大きく改善します。理想的には3回1クールで治療を行うとよいでしょう。
 

(10) 効果をより向上させる方法はありますか?

A:、採血する時のコンディションが良ければ良質な血小板が採取できます。過労状態や多量の薬剤投与を受けている状態では良質な血小板採取ができない可能性もあります。また、治療後は局所へレーザー照射を行うとよいでしょう。
 

(11) 何回も注射をしても問題ないですか?

A:ご自身の血液ですので、問題ありません。
 

(12) 2回目の治療の期間は?

A:基本的には3 ヵ月以上空けていただきます。
 

(13) どの部位にも使えますか?

A:基本的には、腱、靱帯、肉離れした部位になります。骨折の治療と併用する場合は手術室での操作になり私のクリニックでは現在行っていません。
 

(14) 年齢によって効果に差がないですか?

A:基本的に血小板の働きが正常であれば、それほど大きな差はないと考えています。
ただし糖尿病やステロイドを長期内服されている方は効果が悪くなります。
妊娠中や悪性腫瘍の治療中、膠原病などの患者様には原則として施術できません。

 

(15) この治療の歴史はどれくらい?

A:歯医者や形成外科で使われてからは、10 年以上が経過しています。ただ国内ではアスリートへの投与は実験的試みが行われたばかりですが大きな可能性を秘めた治療法です。
 

(16) これまでに問題は無かったのですか?

A:アレルギーなど問題になった症例は皆無です。
 

(17) この方法はどこで開発されたのですか?

A:PRP療法によるアスリートへの治療は、世界に先駆けて当社の代表が独自開発をした方法で、現在、私のクリニックと順天堂大学大学院 医学研究科でも臨床試験、研究を行っております。
 

 (18) PRP療法を受けられない人はいますか?

A:妊婦、小児、心臓病、脳梗塞の既往のあるかた。肝臓の悪い方など、現在治療を要する方は治療を控えさせていただきます。
 

(19) 飲んではいけない薬はありますか?

A:血液が固まりにくくなるようなお薬を内服されている方はこの治療ができません。痛み止めとしてアスピリンの服用も止めていただきます。
 

(20)ドーピング行為になりませんか?

A:血液製剤でも身体能力向上を目的とするのではなく傷ついた部位の治療であり自己血液の血小板を主たる成分として使用するためドーピング行為とみなされないとのオフィシャルな見解が出ています。
 



―実際の治療方法―

(1) 採血はどこからするんですか?


A:通常は皆様がされています血液検査と同じで、肘の静脈から採血です。
 

(2) どれくらいの量の採血をするんですか?

A:原則としまして、20CC 程度です。
 

(3) 治療にどれくらいの時間がかかるんですか?

A:治療自体は注射のみですので5分もかかりません。
 

(4) 治療は痛いですか?

A:特殊な冷却装置で患部を冷却しながら、33ゲージという特別細い針で注射を行いますので、ほとんど痛みを感じません。
 

(5) 注射後は痛みや腫れは?副作用はありますか?

A:アキレス腱の場合は3日ほど強い痛みと若干の腫れが出現します。4日ほどで軽いトレーニングは可能となります。 靱帯は個人差がありますが、最低3日間はトレーニングを休んでいただく必要があります。副作用は理論的にもあり得ませんが多少の内出血や一時的な疼痛、腫れは必ず少なからず起こります。
 

(6) 日常生活の制限はありますか?

A:入浴も当日可能で、基本的には日常生活の制限はありません。当日の飲酒は控えてください。
 

(7) 通院はありますか。

A:通院は原則不要です。

 
国内でアスリートとして最初にPRP療法を受けたのは、アジア大会でも銅メダルを獲得し、アテネ、北京五輪陸上男子110MH日本代表、元日本記録保持者の 内藤真人選手です。


北京五輪前からアキレス腱の強い痛みに苦しみ満足に練習ができませんでした。
北京五輪後もアキレス腱の故障から精彩を欠いていました。
PRP療法をご紹介すると是非この臨床実験にご協力いただけるとの回答があり、2回のPRP療法を行い、痛みもほぼ消失して全力で練習が行えるようになりました。

ただし、1回目終了後は当日から、アキレス腱の強い痛みと腫れで歩行も困難で3日目までは安静が必要でした。
4日目からは痛みもほぼなくなり1週間目からは徐々に強度を上げて普段通りの練習ができるまでに回復しました。
その後、1か月経過した時点ではこれまで不可能だった全力での練習がほぼ痛みが無く可能となりました。
数日の痛みと腫れ以外は副作用は一切認められません。
経過良好です。

 

 先日の日本選手権ではスタートの出遅れが響き5位入賞となりましたが、順調に回復し来年の世界選手権、2年後のロンドンオリンピックに狙いを定め日々トレーニングに励んでいます。

今季の国内での大会でも間違いなく好成績が見込まれます。
現在も多くのトップアスリートからのオファーもあり今後の研究に期待がもたれます。



株式会社 ベリタス様、順天堂大学大学院医学研究科、総合診療科 小林弘幸教授
順天堂大学医学部付属順天堂医院 整形外科の皆様のご指導、ご協力でPRP療法が国内で普及し故障に苦しむ多くのアスリート、格闘家の福音となることでしょう。
私も微力ですが格闘家の皆様のお力になれますよう研究に精進いたします

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