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2015年12月21日 月曜日

アスリートの人生を左右するセカンドキャリア問題を解決する!!


これまで私は、アスリートの身体能力を向上させるためのトレーニングやコンディショニングを中心にコラムを書いてきましたが今回は、アスリートの人生を大きく左右するセカンドキャリア問題、モチベーション維持について私の友人で現役アスリート時代にコンディショニング指導、ケアを担当させていただきました 長野五輪ショートトラック銅メダリスト 植松仁氏にご自身のアスリート人生、アスリート引退後の人生から学び現在、植松氏が行なっている活動をレポートしましたので紹介させていただきます。



-アスリートの人生は引退後が重要

アスリートの引退後の苦労について、新聞やテレビなど取り上げられることが多くなりました。それによりアスリートのセカンドキャリア問題は、少しずつではありますが社会に浸透してきていると感じています。植松氏はアマチュアスポーツを20年、プロスポーツを10年経験した中で、2度の所属企業の倒産を味わいました。また引退時(当時36歳)、転職エージェントに言われた「スポーツの成績は転職市場では評価できません。よって36年間無職と同じです」という言葉は今でも忘れられないそうです。現役アスリートや引退を考えているアスリート、監督・コーチが知っておきたい正しいセカンドキャリアの知識や考え方、準備方法などについて説明したいと思います。

-アスリートのセカンドキャリア問題とは



植松氏は、セカンドキャリア問題を「転職の問題」と理解し、アスリートのセカンドキャリア問題を「アスリートが競技生活を終え、第二の人生を歩む際に生じる問題」と考えています。つまりアスリートのセカンドキャリア問題とは、引退後、単に「転職できない」という問題ではなく、「キャリアを生かした転職ができない」という問題のことなのです。この点について国や社会の取り組みが十分とは言えません。引退後、自らの経験やキャリアを生かす仕事に就けないことは、キャリア・価値観の連続性を失わせ、「自分らしく生きる」ことを妨げる可能性があります。また、キャリアや価値観の不連続は経済的にも不利益を生みます。

セカンドキャリア問題を引き起こす要因

次に、アスリートのセカンドキャリア問題を引き起こす要因についてお話しさせて頂きます。その要因は、①企業スポーツの脆弱さ、②日本特有のスポーツ文化、③スポーツ支援システムの構造、の3つが考えられます。


I. 企業スポーツの脆弱さ

企業スポーツによる活動は、その前提として景気などの外部環境の影響を大きく受ける脆弱なシステムになっています。(株)アイシーティースポーツの調査によると、2008年から2009年までに32の企業スポーツで休廃部が行われました。これは2008年のアメリカ、サブプライムローン破たんの影響が考えられ、景気や業績に左右される企業スポーツのもろい体質が改めて浮き彫りになったといえます。

II. 日本特有のスポーツ文化

 一つのスポーツに身を捧げることが美徳である、競技以外のことへのかかわりを断つ、スポーツは他の犠牲を基に成立している、引退するまではスポーツに集中すべき、などダブルキャリア(文武両道)を実施しにくい文化が存在します。

III. スポーツ支援システムの構造

 従来、アスリートの現役活動(ファーストキャリア)は、大学のスポーツ部と企業スポーツ(実業団)の連携により支えられてきました。しかし企業スポーツの弱体化によりセカンドキャリアの受け皿としての機能は失われました。これにより大学のスポーツ部はファーストキャリアの受け皿としての機能と、セカンドキャリアに向けた教育的機能が求められるようになりました。しかし、大学の戦略的経営(知名度のあるアスリートを入学させ、大学のイメージを上げる)によりアスリートのタレント化(学力が低迷しても卒業を保証する)が進み、セカンドキャリアへの準備が充分に行えない状況になっています。

つまり、アスリート特有のセカンドキャリア問題とは、アスリート自身、制度、企業・競技運営団体の3者全てが、将来必ず到来する引退後の人生設計問題を先送り(あるいは目をつむり)し、ファーストキャリアにのみ専心する体制になっていることが最大の背景であると言っても過言ではないのです。


-アスリートのセカンドキャリア支援事業

I. アスリート教育事業

これらの問題に対し、国や社会はキャリア教育や雇用の拡大など、様々な形で支援していますが、主流となるのは「職業斡旋」です。しかし、そこには大きな問題が残っています。それは、新しい仕事への転職(外的なキャリア)のスムーズさばかりが優先され、心や能力(内的なキャリア)の充実がおろそかにされていることです。植松氏は、職業斡旋という出口戦略を下支えすること(心や能力の充実)を目標として、アスリートの教育事業を行っています。

企業が欲しがる能力は「コミュニケーション能力」
 (株)シンクスマイルが経営者・人事関係者を対象にインターネットによりおこなった自主調査(調査期間.2013年11/23~12/17,サンプル数100)によれば、84%の経営者・人事関係者は社内コミュニケーションが業績に関与すると考え、73%がコミュニケーション不足による業務障害を懸念していることが分かりました。また「Q.社員間のコミュニケーションや交流について、お感じのことを自由に記入してください」との質問に対し、「何らかの仕組みを会社が提供しないと、なかなか社員間のコミュニケーションが進まない」「社員間のコミュニケーションや経営理念の浸透は今後力を入れていく最重要課題の一つと思っている」など、改めてコミュニケーション能力の重要性が示される結果となりました。

植松氏が唱えるコミュニケーション能力の養成を軸とする考え
 コミュニケーション能力をアスリートのセカンドキャリア教育の柱にするのには、いくつかの理由があります。第一の理由として、訓練を積むことにより、誰でもある程度までは必ず向上すること、第二の理由として、引退後に選択する仕事の内容に左右されない汎用性があること、第三の理由として、コミュニケーション能力の向上は、チームスポーツには必要な能力であり、現役中にも役立つものであること、第四の理由として、リーダーシップやマネジメントなど、企業から期待される能力はコミュニケーション能力に依存していることです。

 ビジネスに必要な能力と言えば、とても限定できるものではありませんが、どれか一つにスポットを当てるとすれば、コミュニケーション能力が最有力と言えるのです。

 植松氏が提案するプログラムはコミュニケーションだけを単体で学ぶのではなく、問題解決力や合意形成力、リーダーシップなどビジネスに必要な能力とブリッジを効かせた内容で、将来必ず来るセカンドキャリアでも「自分らしく、やりがいのある」転職の実現をサポートします。専門の提携講師がチームや所属企業を対象にチーム所在地や合宿地などに出向き指導しています。指導方法は知識と実践を何度も繰り返す体験型のため、ある程度の期間を要します。


II. 職業紹介業の企画

植松氏が現在準備中の職業紹介事業
植松氏は、アスリートが持つ優位な能力は「モチベーションの高さ」だと考えています。モチベーションはMotive(目的・動機)とAction(行動)を合わせた言葉であり、モチベーションを「目的に向かっていく行動力」と捉えなおすことができます。このようにモチベーションが高いアスリートが自分らしく活躍できる職種は、①目標が見える、②結果が見える、③努力が反映されるなどの特徴を持つ「営業職」であると考えています。実際、営業職は業界を問わない間口の広さと、画一的ではない裁量の広さがあり、アスリートの特性に合っているのです。

バイタリティーの高い「営業職」を欲しがっている企業の視点に対し、モチベーションとコミュニケーション能力の高いアスリートを紹介する、収入とやりがいを求めるアスリートに対し、明確なキャリアパスや適正な人事評価を持つ企業を紹介するシステムが植松氏の起案する職業紹介のカタチであり、「アスリートを企業が手を上げて欲しがる人財にしたい」という思いを込めた事業であります。


-植松氏の想い



最後に植松氏のセカンドキャリアについての考え方をお話しします。寓話「アリとキリギリス」では、キリギリスのように将来の危機への備えを怠ると、その将来が訪れた時に非常に困ることになるので、アリのように将来の危機の事を常に考え、行動し、準備をしておくのが良いという教訓を学び、そして、私たちは子供のころから「何事もアリ(計画的に行うこと)が良い」という教育をされてきました。しかし、実際の人生はそんな簡単なものではありません。今の自分の役割や地位が子供の頃に思い描いた計画通りという人は少ないでしょう。

無理に人生をデザインしようとせず、川の流れに身を任せるように偶然の流れに身を任せることも大切です。ミシガン大学のカール・ワイク(Karl E.Weick)は「私が何を言いたいかは、言ってみないとわからない」と言ってのけた少女の話に言及し、事前に言いたい事をすべて計画することはできないことを強調しました。このように誰にでも、「どんな結果になるかは、行動してみないとわからない」という経験があるはずです。スポーツや人生、仕事の世界にもそういうものがあると感じています。

 もし、あなたが就職活動で自分のキャリアをすべて計画してやろうと躍起になっているなら、少し肩に力を抜いて流れに身を任せる感覚を味わってはいかがでしょうか。また、あなたが引退間近のアスリートなら、引退後の壮大な人生計画を立てて、考え込むより、ある程度流れに身を任せてはどうでしょうか。長い人生の中で、この判断が正しいかどうかは、実際に行動してみないとわからないのです。

 しかしたった一回の人生ですから、すべて流れに身を任せるわけにはいきません。アスリートがセカンドキャリアを考えるとき、心の中では「夢と現実の調整」をおこなっています。セカンドキャリアの基準が、夢と現実の調整ならば、キャリア選択の質を上げるには夢や目標など、大きな方向付けが大切ということになります。「私が何を言いたいかは、言ってみないとわからない」。しかし「自分自身、何を言いたいかわからなければ、話すことはできない」ということです。引退という節目ではしっかり方向性を吟味し、その方向に進む中で起きる偶然に流れを任せていくという考え方が大切です。

アスリートにとって現役引退は大きな人生の転機ですがアマチュアの方は同時に行なっています仕事を継続されていくかもしれません。プロの方は、スポーツとは無縁の職につかれるかもしれません。
人生はアスリートの現役生活の期間よりはるかに長く険しいのです。是非、みなさんも一度 スポーツ人生に関して考えてみてください。


植松仁(うえまつ ひとし) プロフィール

1974年生まれ。岐阜県出身。
アマ20年→プロ10年→サラリーマン4年→起業、という異色の経歴と、2度の所属企業の倒産、怪我・病気を克服した経験を活かし、①アスリートのセカンドキャリア支援、②従業員の能力開発(企業研修)を行っています。

■アマチュア競技
ショートトラック 主な戦歴(5歳~25歳)
96' 全日本選手権 総合優勝
97' 全日本スプリント 総合優勝
98' 長野オリンピック 500m 銅メダル
99' アジア大会 5000mリレー 銀メダル
00' 引退

■プロ競技
競輪 主な戦歴(26歳~36歳)
00' 競輪学校入(特別選抜試験 第一号合格者)
01' プロデビュー
06' 上位クラスのS級昇格
同年 中部地区優秀選手賞 受賞
10' 引退 (510戦 116勝)


■引退後の活動
11' 大手メーカーにて、外注管理を担当
『B777部品フロータイム短縮プロジェクト(インフォーマル)』でプロジェクトリーダーを務める
12' 上記プロジェクトにて社内表彰を授与
『B737部品フロータイム短縮プロジェクト(インフォーマル)』に参加
13' 『部品工作部情報システム開発プロジェクト』に参加
14' 退社

■現在
14' Katati Brain設立
事業内容
・ アスリートのセカンドキャリア支援
スポンサー仲介
アスリートのビジネス力の養成
キャリアカウンセリング
職業紹介(予定)
・ 企業研修
モチベーション・コントロール研修
リーダーシップ研修
チームビルディング研修
キャリア・ビジョン研修

ビジョン(将来の夢)
1. 30代アスリートを多数輩出する
2. アスリートを転職市場から欲しいと言われる人材にする

Katati Brain ~思いをカタチに~
http://www.katati-brain.com/


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