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2012年9月10日 月曜日

加圧トレーニングに関しまして


―― 加圧トレーニングの効果について

トレーナーとしてアスリートを指導する機会が多いため、加圧トレーニングに関する質問をよく受けます。

まず、加圧トレーニングの効果があるかないか。
結論から言って「トレーニング効果は期待できる。」です。しかし、ウエイトトレーニング、サーキットトレーニング、アクセラレーショントレーニング、・・・すべてのトレーニングが基本的には効果が期待できます。

加圧トレーニングが他のトレーニングに比較してトレーニング効率や安全性、簡便性、コスト、など総合的にトレーニングとしていかなる位置づけにあるかは、まだまだ発展途上であり誇大広告、PR先行で加圧ビジネスなるものが存在し、医療関係者の中でも十分な安全性や効果検証がされていないのが現状です。
確かに加圧トレーニングに関します論文が散見されますが、循環器専門医や自律神経研究者からのアプローチをしたものがほとんどなくこれほど有名になったトレーニングの割には学術的アプローチが現況では少ないような気がします。

数日の講習会で42万円を支払えばインストラクターとして指導に当たっておられる方も少なくないようですが、


トレーナーとしてアスリートや基礎疾患を抱えた方を指導するには長年の経験と運動生理学や解剖学、トレーニング理論を熟知されている必要があります。
 

―― 加圧トレーニングの現状

現況はいかがでしょうか?
エステサロンと併設して美肌、ダイエットプログラムと称して高額な費用を請求したり、最高のダイエット法などと心臓に負担をかけてはいけない中年の方へトレーニングを勧めたり・・・
トラブルの相談も少なくありません。
広範囲のうっ血による皮下出血、突然の失神、トレーニング後の吐き気と嘔吐。
ダイエット逆効果。


自律神経の機能の面からは、必ずしもメリットとは言えないようです。
トップアスリートの指導者の多くは加圧トレーニングには反対の立場をとり、医師も反対の立場をとる方が少なくないのが現状です。
私もトップアスリートが導入するトレーニングとしてはほとんど意味はないもしくは、リスクもありうると考えます。

 

―― 問われる加圧トレーニングの特許問題

最近驚くべきことに、特許無効審判事件が明るみになり加圧トレーニングの特許問題が浮上しています。
高額なライセンスビジネスを展開する加圧トレーニングがもし特許無効になれば大問題です。
特許が本来取得できないトレーニング法でライセンス料を高額に搾取して加圧ビジネスなるものを誇大広告を出して、医療やリハビリまで展開した...と。

審判では加圧トレーニング開発者、および運営者が、加圧トレーニングは医療やリハビリには効果があるとは伝えていない、また勧めていないと明言された情報もあります。
アンチエイジング研究では有名な医学部教授が、医療、リハビリで画期的なトレーニング法と根拠なく某週刊誌の自身のコラムにおきまして手放しでほめたたえたケースもありますが、慎重に・・・と言うのが専門医として正しい表現と考えます。

また、安全性を強調する加圧トレーニングですが、小さな子供や高齢者、トップアスリートが100%安全と言い切って受けられるものではないことは医師であればだれでも考えることです。

不整脈、血栓症、重度の糖尿病患者、心筋梗塞後の患者、悪性腫瘍の既往歴がある患者、ホルモン異常の患者、感染症の患者にもよいのでしょうか?
上記の患者が重度であれば前もってわかりますが潜在的リスクを抱えた患者様にはやはり慎重に行うべきですね。

加圧トレーニングが成長ホルモンと直接的に結び付け、成長ホルモンが血中に増加するから若返り筋肉肥大も起こる・・・と結論づけ = ダイエット、健康とPRするにはあまりにも短絡的ではないでしょうか?
神経系統への影響や筋肉との連動性はどうなっているのでしょうか?
まだまだ未知な部分もありますね。

 

―― 加圧トレーニングの今後

加圧トレーニングは、トレーニングの一部として適応や手法を考えれば大きな可能性が期待できるかもしれませんが、あまりにもビジネス先行、質の低いトレーナーによる強引な営業、医療関係者の知識不足、特許の問題など 広く普及するには解決すべき問題点があります。

芸能人がやっているから・・・の謳い文句で始まった加圧トレーニングもさらなる見直しを図る時期に来ているのではないでしょうか。

現況では、「加圧トレーニングは慎重に、他にも優れたトレーニング法が存在します。」とスポーツ医学にかかわる専門医としてお伝えします。

また、多くの医師が反対しているように
絶対にダイエット法としてはお勧めできません。
トレーニングやエクササイズを理解していない経験も少ない名前先行のアンチエイジング専門医ではなく、良識ある医師による検証や研究が待たれます。

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