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2012年8月14日 火曜日

トレーニングアナリスト&トレーナーの立場から


●トレーニング業界の現状
ロンドンオリンピック出場、日本代表選手 お疲れ様でした。
素晴らしい感動をありがとうございました。




自分自身の成績が満足されなくても日本代表として日の丸を背負って世界と闘われたアスリートたちの想いと、努力は素敵です。
私が、特に驚いたのは、ボクシングミドル級金メダルを獲得された村田諒太選手。48年ぶりの金メダルよりミドル級という世界の壁を乗り越えての頂点は、陸上男子100Mでメダルを獲得するほどの歴史的偉業です。
3連覇を達成した女子レスリング、伊調馨選手吉田沙保里選手。ウエイト制の競技で8年以上世界のトップに君臨することは奇跡ですね。

メダル獲得数38個もスポーツ予算が少ない中、素晴らしい結果です。
日本人の優秀さを世界でアピールできたのではないでしょうか。

今回、不思議なことがありました。
壮行会へ偶然、出席させていただき、一緒に記念撮影と短い言葉でしたがお話をさせていただいた伊調馨選手
何と、彼女が左足首靭帯損傷の重傷を練習中に負ったにもかかわらず圧倒的な強さで金メダルを獲得したことに関して、医学的コメントをスポーツ医学を研究する専門医の立場からコメントさせていただく機会をTBSからいただきました。
N スタ(東海エリアではイッポウという番組)で5分ほど特集が流れコメントさせていただきました。

コメントする、さかえクリニック 末武信宏院長

金メダル獲得の当日朝、ニュース担当のディレクターからお電話があり当日の収録、決勝の様子をビデオで供覧しながらの分析になりました。
医学的には外側側副靭帯 完全断裂であれば歩行も困難なほど。レスリングがまともにできる状態ではなかったはずです。
医学を超越した何か!が彼女に宿ったのかもしれません。
伊調選手の経験、努力の集大成が、怪我を克服させたのでしょう。
3連覇の彼女の活躍を医学的に分析し、コメントする機会をいただけて光栄でした。

女子バレーの銅メダルも快挙ですね。
快挙の裏側には徹底的なデータ分析という アナリストの活躍がありました。
科学的な裏付けがアスリートを支えていたのですね。

素晴らしい選手の活躍もありましたが、とても残念で、疑問に思うこともありました。
柔道男子60キロ級 平岡拓晃選手、銀メダル獲得したにも関わらず賞賛どころか、コーチが表彰式にも立ち会わず宿舎へ帰ってしまうことが・・・
うなだれ周りの関係者に謝罪する平岡選手の姿を皆さんはどう思われたでしょうか?
休みなく行われる代表強化合宿、怪我も満足に治療できない環境、プレッシャー・・・自律神経はズタズタだったのではないでしょうか。

競泳日本代表の和気あいあいと競技を楽しむ姿と正反対です。
競泳日本代表はメダルが獲得できない選手も輝いて見えました。
結果はこの点にあったのではないでしょうか。

アスリートは極度の緊張の中では交感神経優位になり、副交感神経レベルが低下して競技パフォーマンスが低下することが私どもの研究でわかっています。
副交感神経レベルをアップさせるトレーニングやコンディショニング法を柔道男子日本代表選手が導入していたら結果は変わっていたかもしれません。
いや、変わっていたはずです。


陸上関係者でもある私ですが、男子マラソンは感動と疑問がいじり交った思いでした。
あるマラソン選手はメダルの期待も!画期的な新しいトレーニング法を導入!
カリスマトレーナーから指導を受け能力アップなど NHKクローズアップ現代、情熱大陸、バンキシャなどマスコミがこぞって持ち上げていましたね。

カリスマトレーナーマラソン選手が ロンドンへカリスマトレーナーを招へいしてレースに備えたとも大きく報道されていました。
カリスマトレーナーの女性が マラソン選手の筋肉のコンディション指導、チェックを行ったとのことですが、アスリートのコンディションはそとから見たり触っただけでは判断できません。

身体の動きは確かに大切ですがレース直前は医学的コンディショニングが最も大切です。
疲労が抜けているか、睡眠、汗、食事、体温、脈拍・・・
自律神経の状態チェックが最も大切なことです。

もちろん、可能であれば電解質チェックをはじめ血液検査ができるに越したことはありません。
マラソン選手は、はたしてカリスマトレーナーが伝えたように万全だったのか・・・
私は、疑問でありトレーニング法、コンディショニング法の失敗と考えています。
多くの陸上指導者と一緒に仕事をしている自分の私見ですが。

客観的、科学的アプローチをしなければ世界レベルの競技会で安定した結果を得ることは困難です。
カリスマトレーナーがいかに素晴らしい指導法を行っても 理論が科学的に分析されなければ客観性はありません。
カリスマトレーナーの経験や勘だけで世界と闘うには無理があります。

メディアの放映はいつも目新しいこと 規格外を面白く誇大に取り上げますが、今回ばかりは結果が全て。と伝えたいです。
そうでなければ 地道に指導されている陸上指導者の皆さんがうかばれません。
マラソン選手がメダル獲得も入賞の可能性も客観的に判断しても極めて低かったはずです。



陸上指導やトレーニングは本当に地道で過酷です。
10年以上、陸上クラブチームを運営させていただき、数多くの日本代表選手のサポートをさせていただく機会に恵まれた自分ですらまだまだ、手探りの状態です。

面白おかしくトレーナーをもてはやす報道も問題ですが、自分の経験や体験だけでの指導法も問題です。
お互いにメディア露出でメリットもあったかと思いますが、アスリート指導は、客観的、科学的、理論的であるべきです。
カリスマトレーナーの お前は自分の作品  とあるマラソン選手を表した言葉に 疑問を覚えるのは私だけでしょうか?
アスリートは決して指導者やトレーナーの作品ではありません。
尊敬し、一緒に夢をかなえる大切なパートナーです。
トレーナーが創り上げる作品ではないのです。

今回のこのマスコミの取り上げ方は、加圧トレーニングを行う芸能人がダイエットに成功したとか 若返ったとか、誇張してPRする取り上げ方に似ています。医師の70%以上は、加圧トレーニングによるダイエットに反対しているにもかかわらず。
アスリートの努力同様、トレーナーや指導者は地道にコツコツと。
今回の事例で、科学的な根拠を持ったトレーニングやコンディショニング法がカリスマトレーナーの指導に優ると見直されることを期待しています。

レース前には全く紹介もされなかった、中本健太郎選手の6位入賞の大活躍。
彼のレース後の言葉、やってきたことは間違いじゃなかった・・・素敵なコメントですね。

微力ですが、私どもも多くを犠牲にして世界と闘うアスリートを支援させていただけましたら幸いです。

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