最新スポーツ情報

2010年11月16日 火曜日

身体能力を高めるスライディングエクササイズの実際

身体能力を高めるスライディングエクササイズの実際


股関節&骨盤の強化と矯正

 

世界王者・名城信男選手が実施する
身体能力を高めるスライディングエクササイズの実際

 


<仲田健(さかえクリニック  スポーツ診療部チーフトレーナー)>
1969年6月8日生まれ。京都府出身。立命館大学経済学部卒業。
これまでに数多くのプロボクシング世界王者、東洋太平洋王者、世界ランカー、プロ野球選手、プロゴルファー、レーシングドライバー、オリンピック日本代表選手、アジア大会メダリストなどプロ、アマチュアスポーツ選手を指導してきたストレングス&コンディショニングコーチ。

 

立命館大学アメリカンフットボール部を1995年から学生王者・日本一に導く。
アマチュアでは陸上女子100M 6連覇を達成した 新井初佳選手 他多くの日本代表選手を指導。
現在は、プロボクサー・WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男選手(をはじめ、阪神タイガースの桧山進次郎外野手、浅井良捕手、プロゴルファー・平塚哲二選手、プロボクサーの石田順裕選手、東洋太平洋王者 小松則幸選手、FNレーシングドライバー・松田次生選手、神戸大学アメリカンフットボール部などの指導に携わっている。


さかえクリニックスポーツ診療部(現トップアスリート株式会社)チーフトレーナーとして多くのトップアスリートを指導する傍ら 専門医、歯科医、鍼灸師、アスリートらとアンチエイジングエクササイズ、システム、トレーニング機器の開発、研究に努める。
さかえクリニックでは主としてアスリートのフィジカル・コンディショニングを担当、一般の方へのパーソナルトレーニング、アンチエイジングエクササイズ普及にも努める。


専門医療機関に所属し国内で唯一の医学的トレーニング、ケアの指導を行うフィジカルトレーナーでありスポーツ医学に精通する。
ほぼ全てのアスリートに対するトレーニング、エクササイズのプログラムを作成、身体能力向上エクササイズを指導できるスライディングエクササイズの日本における第一人者である。
現在、トレーニングギアメーカーとスライディングエクササイズ用具の共同研究・開発を行っている。企業との提携で自ら出演のトレーニングDVDも製作。


日本で初めて本格的にパーソナルトレーニングの普及に務め企業のCEO、女性のパーソナルトレーナーとしても活動している。
競技歴としては、中学ではバレーボール、高校・大学では陸上競技を行い、現在もチアリーディングの現役選手であり2001年世界選手権金メダリスト、2005年世界選手権銀メダリスト。鍛えぬいた身体を活かしたアスリートモデルとしても活躍中。


今年8月、名城信男選手(六島ボクシングジム)が、デビュー以来わずか8戦という日本最速で世界王者に上り詰たことは記憶に新しい。名城選手は、コンディショニング、フィジカルを担当する仲田健トレーナーの指導の下、基本エクササイズの1つとして、スライディングエクササイズを導入し、短期間で身体能力向上と肉体改造が達成したという。そこで仲田氏にエクササイズをご紹介いただいた。


スライディングエクササイズとは


●ジョイント部分を強化する
スライディングエクササイズは、床やカーペット上で足や手をスライドさせることによって、股関節や上腕肩甲関節(いわゆる肩関節)などのジョイント部分を強化するとともに、末梢あるいは体幹で発生した力を伝達する、つまり動きの連動性を高める運動です。


私達が独自に開発したオリジナルのエクササイズであり、約1年前からプロ及びアマチュアのトップアスリートに導入しています。アスリートの身体能力が短期的に向上しており、例えば、8月のタイトルマッチでWBA世界スーパーフライ級チャンピオンになった名城信男選手は、スライディングエクササイズを導入して「ヒップ周りのサイズが大きくなった」「パンチに体重が乗るようになった」「バランス感覚が向上した」「ラウンドの後半になっても重心を低くキープできるようになった」「持久力も上がってきた」などと話しており、その効果を実感しています。名城選手のほかにも、このエクササイズを導入した桜井有希選手(京都学園高校3年)が7月にアマチュアゴルフの世界ジュニア選手権で3位に入り、プロゴルファー・平塚哲二選手は、10月16日現在で国内賞金ランキング2位に付けるなど、目覚ましい競技成績を上げています。


短期間で身体能力向上が多くのアスリート達にとって実感できるようです。
アスリートたちは、このエクササイズを日常行うトレーニングの1つとして、また試合前のウォームアップとして行っています。トレーニングとしてはトレーニング期には毎回20~30種目、シーズン中の維持期には5~10種目を、1種目につき反復回数5~10回で行います。試合前のウォームアップでは、関節の安定化、可動域の向上が目的であるので、2~3種目に減らしたり、反復回数を2~3回と少なくしたりします。名城選手はこのエクササイズをかなり気に入ったようで、2006年7月に大阪で開催された世界タイトルマッチのときには、このエクササイズをウォームアップとして行ってからリングに上っていました。


現在、床やカーペットの上でこのエクササイズを効率よく実施するための専用器具を開発中ですが、今回はご紹介するエクササイズでは、市販のグライディングデスクを使用しています。要は床やカーペット上で滑ればよいので、滑りやすいソックスやストッキング、あるいはスリッパを履いて行っても構いません。


メリットと特徴

●9つのメリット
スライディングエクササイズのメリットとして、仲田健氏が共同研究するメディカルトレーナーの末武信宏先生(当社代表取締役)は、次のような内容を挙げています。


まず、
①場所をとらず手軽に実施できる、
②器具の持ち運びが簡単、
③さまざまなパターンの動きに対応可能、
④実際のアスリートの動きに適合している


といったメリットがあります。特に④に関して、このエクササイズは、負荷が一定でなく、自分の身体の動きによってあらゆる方向から負荷がかかるため、一定の負荷を一定の方向にかけるこれまでのウェイト・トレーニングとは違い、わずかな動きでも表層筋群と深層筋群との両方を同時に鍛えることが可能です。


また、
⑤ストレッチ効果も期待できる、
⑥バランス感覚の向上が図れる、
⑦1つの動作に多くの筋肉の連動が必要になり、短時間でトレーニング効果が得られる、
⑧負荷を自由に即座に変更できる、
⑨スライディング運動の体感及び習得がスピードアップにつながる、


と考えられます。⑨に関して、例えばボクシングでは、開脚をスピーディーに行わなければなりませんが、このエクササイズで「開脚後戻り」の動作に負荷をかけることによって、その動作スピードを効率よく向上させることできます。また、主動筋・拮抗筋のバランスを向上させることにもなります。


●オールアウトが可能にするトレーニングフォーム
エクササイズの特徴は、負荷の豊富さです。メリットの⑧でも触れたように自由に負荷を変更できるため、やり方によっては瞬発力だけでなく、筋持久力のトレーニングにもなります。身体そのものが負荷になるため、実感を伴った形でトレーニングでき、短時間でオールアウトを得ることができるからです。ただし、トレーニングフォームが安定しないとオールアウトは得られません。しかしこの点が、バランス感覚を向上させ、スピーディーな動きに対応できる身体づくりのトレーニングにもなります。なお、トレーニングフォームにおいて大切な点は、関節可動域を最大限に使用することです。スライディングエクササイズでは関節可動域を広げることが容易にできます。従来のウェイト・トレーニングとは異なるフルストレッチ・フルコントラクションが可能になりました。


●股関節バージョンを紹介
スライディングエクササイズには、股関節バーション、肩甲骨バージョン、体幹バージョンがありますが、今回は、股関節バージョンを紹介します。股関節は下肢と体幹とをつなぐジョイント部分です。特に、投げる動作・打つ動作といった動きでは、下肢で生じた力を上肢に伝えていく連動性のキーになるのが、股関節だと思います。股関節バージョンだけでも100種類近くありますが、ここでは誌面の都合上、基本的なエクササイズのみを掲載します。片足パターン、両足パターン、回旋パターンの順にレベルがあがります。またスライディングする距離が長いと負荷が高まります。自分でコントロールしながら行ってください。



2006-12_coaching_02.jpg

 


スライディングエクササイズは1人でできるPNF
末武信宏(当社代表取締役)

 

●回旋を伴う運動パターンで行う
私は医師、メディカルトレーナーの立場から、スライディングエクササイズは1人でできるPNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation :固有受容性神経筋促通法)であると考えています。つまり、運動系の神経の動きを促進させる方法であり、ウォームアップのみならず、パフォーマンスの向上、スポーツ障害の治療と予防、コンディショニングへも応用できる手技であるといえます。


その特徴は「PNFパターン」と呼ばれる回旋を伴う独特の運動パターンを用いる点です。PNFでは「対角・らせん」という人間本来の動きを重要視しており、これが柔軟性の著しく向上させることから、PNFテクニックがスポーツ界において広く採用されています。スライディングエクササイズは、この運動パターンを採用しており、ウェイト・トレーニングでは鍛えられないインナーマッスルを効果的に鍛えることができます。


また、スライディングエクササイズでは、関節可動域の向上を可能にします。スポーツでは、動的可動域(ある程度スピードを保った動きのあるなかでの可動域)、能動的可動域(自分で起こす動作の範囲)が求められますが、これらの関節可動域の向上に関係する、


①血液量を増加させて筋・関節の結合組織の弾力性を増すこと、
②筋肉の緊張をほぐすこと、
③動作に関与する筋群の協調性の向上を図ること


が、スライディングエクササイズによってもたらされるからです。


さらに、ストレッチング効果も期待できます。


ストレッチングは、
①筋肉の緊張を和らげてリラックスさせる、
②関節可動範囲を大きくする、]
③主働筋と拮抗筋による筋活動がスムーズに遂行される、
④神経-筋の働きをスムーズにして反応時間を短くする、
⑤筋肉-知覚神経の働きがスムーズとなり、体性感覚が向上する、
⑥筋収縮により循環血液量が増加し、筋ポンプ作用により血流循環がよくなる、
⑦身体運動時の筋・腱・靱帯などの障害を予防する、
⑧筋収縮の活用により筋緊張の調節ができ、心身のリフレッシュメントなどに有効である、


といった目的で行われますが、スライディングエクササイズによっても同じような状態がもたらされます。


つまり、スライディングエクササイズは、筋力トレーニングの準備や、筋疲労の積極的回復のための手段として有効であり、まさしく1人で行えるPNFであると私は考えます。

 




カレンダー

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

お問い合わせ
アクセス

トップアスリート株式会社

■住所
〒460-0003
名古屋市中区錦3-5-21
錦HOTEIビル2F

■電話番号
052-953-9300

■FAX番号
052-953-7810

お問い合わせ 詳しくはこちら
  • RSS配信
  • RSSヘルプ