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2010年11月16日 火曜日

最強格闘技イベントへの挑戦!!

以前、このコラムで紹介しましたHEATを例に格闘技興行とそのシステムの話をさせていただきたいと思います。
私は、これまで多くの格闘技団体のリングドクターや広報、参加選手のセコンドとして興行に携わってきました
プロボクシングのトレーナーとしての縛りがある以上、プロボクシング以外のオフィシャルな業務は大きく限定されていますが、私自身も経験しました事例も含めてHEATの格闘技イベントの内容を解説させていただきます。

格闘家の表舞台、様々な大会が各地で開催されています。
しかし、多くはアマチュアの大会でありプロの格闘家の戦場といえる興行ではチケットを販売しその運営には大きな労力と準備周到な努力、スタッフ、資材、資金、スポンサー、参加格闘家・・・多くの要素が必要となってきます。

名古屋発の東海地方格闘技最大イベント HEATはすでに13回の大会を成功させK1日本王者極真空手世界大会上位入賞者キックボクシング世界王者をはじめ多くの団体で活躍する王者トップ格闘家が参戦して激しい戦いを繰り広げています。
その質の高さと格闘技興行としてのエンターテインメントには本当に驚きます。なぜなら、打撃ルールと総合ルール、つまり以前テレビ放映されていた プライドとK1の大会をリングには金網マッチとして一緒に開催するようなものです。

光栄にも過去3回、リングドクターを務めさせていただきました。また、私自身が、フィジカルコンディショニングトレーナーを務めさせていただく格闘家も数多く参戦し好成績を収めています

ニューエイジファイトには、プロとしてこれから活躍する新鋭が数多く参加し熱い戦いを繰り広げています
記憶に新しい K1甲子園で優勝した 高校1年生ファイター 野杁正明選手も実はHEATで中学生の時出場し、プロボクシング元日本ランカーのキックボクサーと激闘を繰り広げ引き分けになっています。

1:会場
ほとんどの会場が一年前から予約出来るシステムになっています。
需要の多い会場は一年前ジャストに予約受付してもおさえられない事が多々あります。
又、HEATのリングは金網なので搬入条件を必ず確認してから会場を選んでいます。
HEAT13が開催されたZEPP NAGOYAは搬入しやすくキャパ的にもリングを入れても700人~800人収容出来ますので大変便利な会場です。尚且つ音響、照明の設備も整っています。又、ZEPP NAGOYAの良さはお客さんがより近くで観戦出来ますのでより選手の熱気を体感出来る会場になります。
ZEPP NAGOYAはアーティストの各種コンサートも開催される音響施設も抜群のホールです。
アーティストのライブと格闘技イベントが組み合わされ今後も多くのファン層拡大に役立つでしょう。
音響、照明、キャパシティ、交通の便、資材搬入のしやすさ、観戦のしやすさが会場選定には重要です。

2:金網設備
通常のリングの3倍くらいの設営時間がかかります。
HEATでは自前の金網八角形リングをアームロック式コンテナというものに保管しておりますので持ち運びは特殊な大型トラックに積んで運んでいます。
設営で一番困るのは鉄骨で出来ているため組み立てる際にとても重く時間がかかります。
人数は最低でも10人は必要ですが、毎回15人~20人で設営します。
費用に関してはリングの陸送代と設営の人件費が必要となります。
HEAT公式リングはレンタル可能です。

3:運営方法
運営メンバーは普段は別の仕事をしながらHEATの準備をします。年間3回というペースで行っていますので単純に4カ月かけて準備してイベント当日を迎えます。
メインの仕事を最優先してHEATの業務に取り掛かりますので準備は大体、夜7時以降で実質2人のスタッフで準備作業の80%ほどをこなしています。
協賛社様、関係者、スタッフ、ファン、選手、マスコミの方々一つでも欠けてしまうとイベントとして成り立たちません。
進行メンバーとはイベント前後に過去の映像をみて反省会や改善点を話あいます。
運営は最初は手探りですが徐々にマニュアル化されスムーズに進行されます。
どの興行も専属のスタッフが数多くかかえることはほとんどありません。
興行収益が少ないほど運営はボランティアスタッフに委ねられます。

4:レフリー
レフリーは日本でも数多くいるわけではなく大変重要な役目になります。HEATではイベント前に必ず打ち合わせをしてルールの確認をします。
HEATで難しいのはキックルールと総合ルールの二通りのルールがあることが特殊になります。
判定基準もHEATでの判定基準がありますので他団体との評価が若干異なることもあるかも知れません。
膝や肘打ちがあるかどうか、スタンディングや相手が倒れた状態での攻撃内容など事細かにルールが打ち合わせされます。
ホールディングでの膝蹴りは1回までOKなど。
パフォーマンス性を上げよりKO率を高めるためには制限がないルールが望まれますが、選手の安全性も考慮すると慎重にルール決定を運営サイドとレフリーは事前に話し合います。

5:ルールについて
HEATでは金網リングの中で総合ルールとキックルールを採用しています。金網でのキックルールはおそらく日本ではHEATが一番最初に導入しました。
総合ルールでは今年から顔面への肘打ち、グラウンド状態での顔面への膝蹴り、顔面への踏付けを認めることとなりました。残酷なルールに思われますが、これは日本でも金網イベントが増えてきたので差別化とより分かりやすい試合結果(KO/TKO)になるためです。又、このルールを採用したのはHEATのテーマでもある名古屋から世界へというコンセプトで海外のルールにより近くする為に採用しています。
キックルールでは現在は首相撲や肘打ち無しのルールですが、ワンマッチに限り両選手合意のもと肘打ちを認めることがあります。
ルール次第ではせっかくの激闘も退屈な試合になったり中途半端な試合になる可能性もありますので安全性とパフォーマンス度の兼ね合いが大切です。

6:計量
計量はHEATでは前日計量になります。契約体重を設けていますので計量時間でクリア出来ない場合は再計量として、前日の17時までにパス出来ない場合は当日計量で試合の1時間前までにパス出来ない場合はペナルティが課せられます。
計量時間前には予備計量としまして計量時間前に選手たちが自分の体重がチェック出来る時間を設けています。
体重オーバーの場合はグローブハンディ、ポイント減点などの措置が取られ試合が行われることがあります。

7:リングドクターに関して
以前のコラムで説明させていただきましたようにリングドクターは最低2名必要です。業務は試合前の選手のメディカルチェック、試合中のドクターコールへの対応、試合後の選手の負傷などの相談になります。
格闘技のリングドクターは創傷治療や緊急対応も含めてかなりの責務があります。
格闘技興行には絶対に必要なスタッフになります。

8:参加選手
選手は名古屋又は東海地区で活躍している選手を中心に声をかけます。もちろんそれだけでは選手が足りませんので地方から選抜したり日本に住んでいる外国人選手にオファーをします。HEATでは過去にもオランダ、ニュージーランド、イラン、韓国、中国、ブラジル、オーストラリア、アメリカからも招集しております。海外から招集する場合はビザ等の作成があったり、連絡を密にとる必要があり海外招聘選手には大きな労力が必要です。
他の格闘技団体で活躍する選手や今後、活躍を期待される選手を招聘して興行の質を高めるようにしています。

9:選手のギャラ
選手のギャラは選手本人、もしくは代理人(マネージャー)とお話して決めます。相手の希望金額、HEATで提示出来る金額と折合を話し合います。
ギャラ以外にも、地方から来る選手には交通費がコストとして考えなくてはいけません。海外から招集する選手は渡航費が必要になります。又、それ以外に宿泊費もかかります。日本人選手と異なり海外から選手を招聘する場合は多額の費用負担となることがあります。

10:HEATトーナメント
トーナメントに関しましてはHEAT6からHEAT11にかけて行いました。当時は始まったばかりで、HEATの認知も低いため選手をそろえるのも大変でした。いきなり王者決定戦を行うのも選手層が薄かったのでそれならばトーナメントを開催したほうがストリー性があり注目を集めます。
トーナメントの階級はキックルールは70㎏、総合ルールは77.1㎏で設定しました。こちらはその時にHEATで出場していた選手が多かったこともありこの階級にしました。
又、ヘビー級ではスポンサーによるバックアップもあり、総合ルール、キックルールと後を追いかけるように開催しました。
HEAT王者はその実力が評価され K-1MAXにも招聘されています。
HEATミドル級王者に輝いた ダニロ・ザノリニ選手はHEATミドル級タイトルマッチわずか2週間後にK-1MAX日本グランプリ2連覇の現在、日本最強 佐藤選手とスーパーファイトで闘いました。

11:広報・PR
興行で最も重要なイベントのPR活動は、いろいろな方法で行われています。
現在はHEATオフィシャルサイトや各選手のブログ、HEAT自前の宣伝広告カーで主にPRしています。
地元メディアの核となる地元ラジオ局、地元月刊誌、リビング新聞なども支援を表明し今後も認知度が高まることが予想されます。
すでに地元で活躍する有名アーティスト 大矢たけはる氏(中日ドラゴンズ 小笠原孝投手への登場曲提供、日本最速ライダー 秋吉耕佑への鈴鹿8時間耐久ロードレースへのライディングテーマ曲提供、パフォーマンス芸人風船太郎氏への登場曲提供)もHEATの応援ソング、テーマ曲、選手への登場曲提供を表明して大きな注目を集めています。
HEAT会場ではいつも著名なアーティストを招聘してリング上でライブが行われます。
アーティストとのコラボレーションもイベントとして大きなPR効果が生まれることでしょう。

12:スポンサー
現在の経済状況では獲得が厳しいのですが、有力地元企業がバックアップしています。
スポンサー獲得も興行成功の秘訣です。
有名な選手招聘や選手のモチベーション向上にはギャラアップと試合数の増加が必要です。
チケット販売のみの収益では興行は成り立ちません。
スポンサーの支援が今後 HEAT拡大にカギを握るでしょう。

13:今後の展開
今後は昨年誕生したHEATチャンピオンを中心にタイトルマッチなどを行います。
又、定期的にアマチュア大会も開催し、底辺の選手達の育成と人材発掘をして、アマチュア大会で良い成績をおさめた選手は、HEATニューエイジファイトに、そこで活躍した選手はHEAT本戦へ出場出来るように階段式にしております。
本戦で活躍している選手や(HEAT王者)には他団体でも活躍の場を広げていく予定です。

格闘技イベントが近年、盛んに行われていますが、その陰には関係者やスタッフ、選手たちの努力が隠れています。
今回のコラムを読んでいただき、読者の皆さんがさらに試合を楽しみ、感動できるような情報になりましたら幸いです。

(2010.6)

 



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