最新スポーツ情報

2010年11月16日 火曜日

医療機関で行う注射や点滴は本当に有効か!?


医療機関で行う注射や点滴は本当に有効か!?
ドーピングにはならないのか?


今回はアスリートも注目の疲労回復の注射やサプリメントに関します成分や薬剤に関しましてご紹介します。
多くのアスリートが疲労回復や肉体改造のため数々のサプリメント摂取や注射を受けています。

もちろん、国内ではアマチュア選手はドーピング規定で厳しく摂取する薬剤も制限があります。

プロアスリートもアマチュア規定に準じ、ドーピングを厳しく規制している競技もあります。

本来スポーツは健康増進のために行うべきものであり健康を損なう薬剤を使用して競技パフォーマンスを向上してもスポーツの意義を大きく外れてしまうことになります。
今回は特に医療機関で扱われる注射薬や方法について解説させていただきます。
 
昔から肝臓の薬やアレルギーの薬を使うと、なぜか判らないけれど疲労が回復したり風邪に罹りにくくなったり皮膚がきれいになることが経験上知られていました。
そのような注射液の中から、身体の細胞を騙して身体がやろうとしている働きを妨げる薬(ブロッカーとか拮抗剤とか呼ばれています。)ではなく、身体の中に自然に存在している成分や、身体の細胞がやりたいことをそそのかすように騙す薬、そして細胞の栄養分やビタミンをピックアップし、その中から副作用がなく安全な薬品を選び出して、点滴成分として配合しアンチエイジング治療を行っています。

もちろん保険適応外の使い方ですから、薬剤の添付文書、薬の成分からインターネットなどで調べても、薬の効用として 美肌、疲労回復 という効能書きはありません。

保険適応の薬剤は、厚生労働省が指定した疾患以外には保険での使用が認められていません。
薬価として収載認可されているかどうかが保険で使用できるかどうかの基準になっています。
しかし、自費での治療は、有効と安全性さえ確認されれば、保険の枠を超えて疾患以外に健康増進や美容目的、疲労回復にも応用されます。

私自身、その効能を自ら薬剤を投与して確認しています。

 

 1.プラセンタ(ラエンネック、メルスモン)
2.ソルコセリル
3.グルタチオン
4.ケベラS
5.チオクト酸(αリポ酸)
6.グロンサン
7.L-アスコルビン酸(ビタミンC)
8.ネオラミン・マルチ
9.ATP
10.L-メチオニン
11.ビオチン
12.ハイプレアミン(総合アミノ酸)
13.ノイロトロピン
14:ビタミンB1誘導体


ビタミンやアミノ酸、生物製剤などいろいろな種類の薬剤が疲労回復やアンチエイジング目的で自費診療機関で使用されています。
上記の薬剤で代表的な成分について解説します。


1. プラセンタ注射としましては現在 2種類の注射薬があります。ラエンネックとメルスモンです。いずれも製法は異なりますが、ヒトプラセンタ(胎盤)を原料とした各種サイトカイン、ミネラル、ビタミン、成長因子を豊富に含んだ生体機能活性剤です。現在は厚生労働省から生物製剤として使用法の制限や管理が指示されていますが、安全で疲労回復には重宝している注射薬です。疲労回復のみならず美肌目的、若返り、更年期障害、肝機能障害、アレルギー治療目的でも使用されています。私自身、15年間この注射を継続して使用して若さを保っております。副作用もきわめて少ない薬剤として注目されています。私のクリニックでは創傷治療薬剤としても注目して研究しています。


2.ソルコセリルは、幼い牛の血液を原料にしたエキス剤で、線維芽細胞を活性化して傷を早く直します。ソルコセリルは辱創(床ずれ)の治療用の軟膏にも使われています。
ソルコセリルは、粘膜も皮膚も身体の他のいかなる部分の線維芽細胞に囁いて、線維芽細胞を活性化して、コラーゲンや、ヒアルロン酸・コンドロイチンなどのグルコサミン類を作らせて、傷を直す作用があります。サイトカイン類(最近続々と見つかっている生理活性物質、細胞を活性化する情報)がソルコセリルの薬効の本体でしょう。


3.グルタチオンは、細胞に備わっている活性酸素中和物質です。
細胞が生きて活動していると必ず活性酸素ができてしまいます。
その活性酸素をできたらすぐに中和して消しているのがグルタチオンです。グルタチオン注射液は、血液の中に発生した活性酸素の中和が主な働きになります。
老化の進む原因は、


a.遺伝子が劣化して細胞分裂が悪くなる。
b.色んなホルモンの分泌が少なくなって新陳代謝が悪くなる。
c.活性酸素で細胞や組織の一部が酸化されて変質し、壊れる。


と、まあこの三つですが、グルタチオンが血液中にあれば、細胞の外に漏れ出してきた活性酸素なら中和され無毒化されます。
さらに、グルタチオンは硫黄(チオ)を含んだアミノ酸で硫黄は、身体の中に入ってしまった水銀や鉛、カドミウムなどの重金属を吸いつけて悪さをしないように中和します。
このような「重金属を中和する働き」のことを最近はデトックスと呼びます。
グルタチオンにはデトックス作用もあるわけです。


4.ケベラSは主として蕁麻疹、アレルギー、肝臓疾患に、昔からとてもよく使われている静脈注射薬です。
この薬の成分は、漢方薬の配合成分として有名な甘草(カンゾウ)の主成分であるグリチルリチン酸と、L-システインというアミノ酸です。


グリチルリチン酸は、グリチルレチン+グルクロン酸×2で出来ていて、
このグリチルレチンの分子の形(分子構造)が副腎皮質ホルモンに似ているので、自前の副腎皮質ホルモンの効きをよくしたり、アレルギーをコントロールしているプロスタグランディンを調整したりするので、アレルギーに効果があります。


グルクロン酸は、実は身体でも作られている極めて応用範囲の広い解毒物質です。
フェノール、アルコール、アミン、脂肪酸など多種多彩な水に溶けない化学物質を中和して、体外に排出する解毒物質、それがグルクロン酸です。一方の成分であるL-システインは、化粧品やサプリメントにも含まれているので聞いたことがあると思います。
L-システインはアミノ酸の一種で ハイチオールCという美白目的の薬剤同様の成分でもあります。


 

 ―― アミノ酸とは?

アミノ酸というものはとてもたくさんの種類があり、蛋白質の最小構成成分、つまり部品です。
からまったチェーンの塊を蛋白質に見立てるなら、ぶつ切りのチェーンをペプチド、チェーンの輪ひとつひとつをアミノ酸と呼びます。

アミノ酸にはとてもたくさんの種類があり、そのうち人間の身体を作っている蛋白質(酵素も含む)を構成するアミノ酸は26種類と言われています。
身体を構成している蛋白質(コラーゲンや酵素も含む)にはものすごい種類があるのでそれぞれを説明できませんが、それぞれに26種類のアミノ酸の配合割合が決まっています。

L-システインは、表皮の角質や毛のキューティクルを構成するケラチンという蛋白質を作るのにたくさん必要なアミノ酸です。

また、L-システインは細胞の中でグルタチオンという抗酸化ペプチドに変化します。
グルタチオンは、細胞の中で日々生産されている活性酸素を、できたそばから中和する最前線の抗酸化成分です。

さて、L-システインは美白のアミノ酸としても有名で これは、活性酸素の中和と関係しています。L-システインは硫黄(チオ)がついた含硫アミノ酸なので、身体に不要な重金属をつかまえるデトックス作用があります。
重金属をつかまえたL-システインは、そのままケラチンになって重金属ごと垢として排出します。
また、ケラチンは毛髪の主成分でもあるので、重金属は髪の毛にも排泄されます。
というように、ケベラSは元気とキレイの両方に作用します。

この薬剤はニンニク注射の成分としても使用され アテネ五輪で活躍した選手、読売巨人軍の選手達が試合前に静脈注射してゲンキを得ていたことはあまりにも有名な話です。 (現在では薬剤の静脈内投与がドーピング行為とみなされて行うアスリートは皆無になりました。)

5.チオクト酸は、今大ブームのアルファ・リポ酸そのものです。
アルファ・リポ酸はビタミンの一種です。
身体は、主に血糖(ブドウ糖)を燃やしてエネルギーにして生きていますが、アルファ・リポ酸は他のビタミンB群やコエンザイムQ10と一緒になって、この血糖をエネルギーにするまでのプロセスを活性化して細胞を元気にします。
細胞が元気になったら身体全体が元気になります。
アルファ・リポ酸単独では、この効果はありません。
またアルファ・リポ酸の別名を「チオクト酸」、硫黄(チオ)分子を含んでいます。
ということは、ケベラSのところでも説明したとおり、チオといえばデトックス。
アルファ・リポ酸もデトックス作用があり重金属などを体外へ排出する効果も指摘されています。
最近では抗酸化効果も注目されて アンチエイジングには欠かせない成分です。
ダイエット効果で注射される患者さまも増加して、基礎代謝向上効果もあります。
ボディビルダーが体脂肪率減少を期待して アルファリポ酸を注射して激しいウエイトトレーニングに励むということもあまりにも有名です。

冷え症やむくみが気になる女性の患者さまも注射直後から 手足がポカポカしてきた、脚のむくみがすっかり改善したと効果が短時間で実感されるかたも数多くいます。
多くの効果を期待される アルファリポ酸。
カクテル点滴の柱ともいえる成分です。

6.グロンサンは、ケベラSのところで書いたように、水に溶けない身体の外から入ってきた毒物や、身体でできた水に溶けない老廃物を包みこんで水に溶けるようにして、胆汁の中に捨てます。
胆汁というのは、肝臓が作っている脂肪用の消化液でもあるのですが、身体の中の毒素の下水でもあります。基本的には重金属の排泄は角質と毛、生活毒物の排泄は便です。

7.アスコルビン酸は言わずと知れたビタミンCです。 

11.ビオチンはビタミンHとも呼ばれます。
アルファ・リポ酸と同じように血糖を燃やすクエン酸回路をしっかり回す役目です。

13.ノイロトロピン。
この薬もかなり昔からある薬で、ウサギにワクシニア・ウイルス(種痘のウイルスです。)を感染させて、そのウサギの血からつくったいわゆる生物製剤です。「ワクシニア・ウイルス」に感染したウサギの血の中には、ものすごい種類の免疫関係の物質がたくさん含まれています。
どんな成分が含まれているのかなど詳しい分析はされていませんが、なぜか知らないけれど、脊髄神経に働いて痛みを取るという珍しい働きがあります。
この薬の本体も、サイトカイン。
ノイロトロピンをウイルス性の風邪の予防や治療にも有効な可能性があります。

アレルギー疾患、肩こりや腰痛の治療薬としても幅広く使用されています。腰痛とアレルギー性鼻炎を持ったアスリートの治療にはもってこいの薬剤です。


14:ビタミンB1誘導体 すなわちアリナミン ・・・いわゆる ニンニク注射の主成分で疲労回復という効能はあまりにも有名です。

 このように薬剤には保険適応以外の多くの効能が知られています。
疲労回復以外にも腰痛やアレルギー治療、むくみの治療、基礎代謝上昇によるダイエット効果、創傷治療促進などアスリートにとって有効な効果が期待できる薬剤も多く存在します。

上記、ご紹介させていただきました薬剤は副作用もきわめて少なく安全でドーピングリストに含まれていませんが、薬剤の静脈投与行為がドーピングとみなされ大きく使用制限がスポーツ界では起こっています。

過激な身体負荷をかけているアスリートにとって薬剤の投与も必要と考えますが、やはりドーピング行為はスポーツでは許されません。
クリニックでは多くのオリンピック日本代表選手やプロアスリートが訪れますので薬剤に関するご相談も行っております。




カレンダー

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

お問い合わせ